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入社初日にまさかの辞めたい発言…新人3名の共通点から肝に銘じたい「不安はチャンス」という考え方

2023.02.27

 大学や専門学校の授業で知り合った3人の新社会人から、彼らの就職した企業の入社式当日に「会社を辞めようと思う」という衝撃の連絡が来ました。3人は就職活動を経て大手金融機関、運送業、IT企業という第1志望に入社できたのにもかかわらず……です。

 そのような人に対して「最近の若者はダメ」という考え方をされる年配者もいます。しかし、厚労省の調査によれば、大卒で入社1年目に辞める人の割合が最も多かった2000年卒生の離職率は15.7%。2020年卒生の離職率は10.6%なので、最近では減少傾向にあります。「最近の若者はすぐ辞める」わけではありません。

 こういった状況の中、なぜ入社初日に3人が「辞めたい」と言ってきたのか。彼らに聞いたところ、共通していたのは「不安に襲われた」ということでした。

【辞めたい理由(1)】社長が台本を棒読みしていた

 連絡してきた1人は、入社式で社長が台本を棒読みで話しているのを聞いて「このトップが経営する会社で長く働いて大丈夫なのか?」「社長のポジションに立つ人間はプレゼンが上手だと思っていたのに」と不安を感じたそうです。

アップルの故スティーブ・ジョブズ氏やソフトバンクの孫正義氏のように、経営者のすべてがプレゼンを得意にしているわけではありません。また、プレゼンが上手な社長の会社は経営がうまくいっているということでもありません。

 重要なのは、プレゼンが得意なことよりも経営が得意なことを評価するという視点です。社長の講話を聞いただけで苦労して入社した会社を辞めるという判断をするのは早すぎるのではないかと、彼にアドバイスをしました。

【辞めたい理由(2)】労働組合に対して不安を感じた

 残り2人は、入社式後に行なわれた労働組合の説明で、加入のための押印を求められたことに不安を感じたそうです。雇用を守ると主張している労働組合という存在を初めて知り、加入することで数千円の組合費が給料から天引きされることに驚いたそうです。

 雇用を守るといっても、定年まで居続けられるのかどうかはわからず、印鑑を押したら退職できなくなるのでは……という不安にも駆られたといいます。就職活動中には労働組合の存在を知ることはなかったため、彼らにはサプライズだったのかもしれません。

 労働組合のストライキなどにも強制的に参加させられるのではないか……といった思いもあり、加入の押印をしなかったそうです。

「不安」は避けるのではなくチャンスだと考える

 知らなかったことに対して不安を感じて避けるという選択は正しいキャリア戦略ではありません。不安にならないようにするためだけで行動していたら、自分のキャリアは磨かれないでしょう。不安を感じたら転職するという行動をしていると〝転職ループ〟に迷い込んでしまうことになります。相談を受けた彼らには〝転職ループ〟に陥らないよう「不安はチャンス」であることを伝えました。

 知らないことについて知った瞬間、自分の知識不足や先が読めないことに対し、不安を感じるかもしれません。そのことをマイナスに考えるのではなく「知らない」から「知る」に成長できたと考えるべきです。自分の意識と行動を変えるチャンスだと捉えるようにしましょう。

 例えば、講話に不安を感じた社長を反面教師とし「自分は人を惹きつける話術を身に付けよう」と考えればいいのです。また、もしも労働組合に対して不安を感じるのであれば、活動内容についてじっくりと話を聞き、理解を深めればいいでしょう。

 不安を感じるのは、新たなことに挑戦をしようとしている証拠であり、チャンスでもあるのです。

悲観思考と楽観主義の共存を心がけよう

 不安と不満をなくすことに労力を傾けても、安心や満足につながるとは限りません。なぜなら、不安と不満はマイナスの要素であり、安心や満足はプラスの要素だからです。マイナス要素は取り除いてもゼロにしかならず、プラス要素が生まれることはないでしょう。

 就職や転職に成功している人たちは、悲観思考を持ちつつ、楽観主義ベースで実践しています。ネガティブな感情があったとしても、常にそれ以上の冒険心とワクワク感を持ち続けていけるように、心がけてほしいものです。

新社会人

何事も始めることによってメリットの享受とともにデメリットが生じる可能性があります。新たなチャレンジにはデメリットが付きものであり、デメリットよりもメリットが大きいと思えば、積極的に挑戦すべきでしょう。変化の激しい時代には、不安ばかりにとらわれて思考が停止し行動しないことこそが、大きなリスクになります。

越川慎司/2017年に創業したクロスリバーでは、メンバー全員が完全リモートワーク、世界分散、複業、週休3日を実践しながら800社へのオンライン講座を提供。自著19冊、累計67万部。『最速で結果を出す資料の作り方』(DIMEデジタル新書)が好評発売中。

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