約2億画素の広角カメラを含む高性能カメラも特徴
充電速度のインパクトが大きいXiaomi 12T Proですが、そのほかの性能もしっかりとハイエンド仕様になっています。アウトカメラは約2億画素広角+約800万画素超広角+約200万画素マクロの3眼構成となっており、光学式手ブレ補正を搭載。8K動画の撮影にも対応しています。
上図はすべてXiaomi 12T Proで撮影し、掲載用にサイズの調整のみを行った写真。細部まで精細に撮影でき、パキっとした仕上がりになります。ポートレートモードを使用しなくても、被写体をしっかりと認識し、きれいなぼかしがかけられます。色味の補正も「ほどほど」といった印象で、比較的リアルな色に近い印象です。
近年のハイエンドスマートフォンの定番ともいえる望遠レンズは非搭載のため、ズームは最大10倍のデジタルズームとなりますが、広角カメラの画素数が高いこともあり、かなり精細な写真が撮影できました。
夜景モードでも細かな部分まで精細に撮影可能。明るい部分、暗い部分のコントラストがしっかりと表現できており、白飛びも見られません。拡大して確認してもつぶれている箇所が見られず、かなり優秀といえます。
高処理能力、2種類の生体認証、おサイフケータイ機能も搭載! たった1つの残念ポイントは……?
搭載CPUはSnapdragon 8+ Gen 1で、メモリは8GB。ストレージ容量は、SIMフリー版が128GB、ソフトバンク版が256GBと若干少ない印象もありますが、クラウドサービスなどをうまく活用できれば、大きな問題にはならないでしょう。
Snapdragon 8+ Gen 1は、2022年版のハイエンドチップセットであるだけに、文句なしの高性能が魅力ではありますが、その分熱を持つことが多く、多くのメーカーが「どのように排熱をするのか」に苦労している印象もあります。例えば、Snapdragon 8 Gen 1を搭載した「Xperia 1 IV」は、アプリゲームを頻繁にプレイする人向けに、「Xperia Stream」という、冷却ファンを搭載した専用の本体カバーが発売されています。
Xiaomi 12T Proでは、内部に大型のベイパーチャンバー(放熱板)を搭載しており、熱処理にもしっかりと配慮。3Dグラフィックを伴う、負荷の大きなアプリゲームをプレイしていても、本体の熱さはほぼ感じられません。個人的な感想になってしまいますが、2022年に試したハイエンドスマートフォンの中では、最も熱処理がうまくできている印象です。
防塵防水性能はIP53に準拠。完全な防水、防塵ではありませんが、雨に少し濡れる程度であれば、故障の心配はほぼないでしょう。生態認証は顔認証、ディスプレイ内指紋認証の両方に対応しているため、利便性も十分。おサイフケータイ機能も利用可能となっています。
Xiaomi 12T Proを使っていて、唯一残念に感じているのが、ワイヤレス充電に対応していない点です。普段からケーブルによる充電が多い人にとっては気にならないポイントかもしれませんが、ワイヤレス充電は、ケーブルによって本体を傷つける心配がなく、置いておくだけで充電できるため便利。必須機能とはいいませんが、できれば対応してほしかったと感じています。
2022年ハイエンドスマートフォンの完成形ともいえる「Xiaomi 12T Pro」! 購入先は要検討か
19分でフル充電ができる大容量バッテリーや、約2億画素の高性能カメラを搭載したXiaomi 12T Pro。処理性能も文句なしのハイエンド仕様となっており、防水防塵性能やおサイフケータイ機能の搭載といった日本市場向けのローカライズもされているため、多くの人におすすめしたい製品となっています。
冒頭でも触れた通り、Xiaomi 12T Proにはソフトバンク版とSIMフリー版が用意されています。ソフトバンクでの販売価格は14万3280円、Xiaomi公式ストアでの販売価格は10万9800円となっており、MVNO会社によっては、MNP割引を適用することで、より安価に購入することもできます。
一括販売の価格のみを見ればSIMフリー版のほうがお手頃ではありますが、ソフトバンク版は「新トクするサポート」を適用することで、実質負担額が7万1640円(25か月目に機種を返却した場合)となります。また、24か月のバッテリー無償交換が付いたり、ストレージ容量にも違いがあるので、「端末の購入は一括か、分割か」や、「バッテリー交換の補償が必要か」、「ストレージ容量は128GB、256GBのどちらがいいか」といったポイントから、購入先を検討してみてください。
取材・文/佐藤文彦