パナソニックの5.2K HDR対応のVRゴーグルとBiel Glasses社の弱視者支援技術を統合
パナソニックは、Biel Glasses社とパナソニックが2021年から共同で開発を進めてきた視覚障がい者をサポートするスマートグラスのプロトタイプを「CES 2023」に参考出展したと発表した。
Biel Glasses社は、2017年に設立されたバルセロナを拠点とするスタートアップ企業。視覚障がい者の移動を支援することで、自律性の向上を図るスマートグラスを開発している。
同社は、弱視で生まれた息子Bielのために解決策を求めていた医師と技術者である両親によって設立された。Biel Glassesの技術は、AIとロボティクス技術で現実世界を理解し、複合現実(Extended Reality)技術で患者の残りの視力に適応させることが特徴だ。
今回展示する共同開発製品は、パナソニックの5.2K HDR対応の小型・軽量VRゴーグルと、Biel Glasses社の弱視者支援技術を統合したスマートグラスのプロトタイプ。
周辺視野の喪失(一般にトンネルビジョンとして知られ、緑内障や網膜色素変性症などの病気の影響)がある場合に、使用者が障害物やその他の危険を認識できるよう映像処理などを行なうことで、自律的な移動をサポートする。
具体的には、AIとロボティクス技術により、カメラとセンサーで捉えたシーンを分析し、障害物、段差、穴などの移動の際の危険を検出。MR(Mixed Reality)技術により、使用者の残りの視力に合わせた映像表示を行なう。
また、検眼士が、視覚障害の状況や必要性に応じてスマートグラスの機能を調整。最適な映像処理(ズーム、照明への適応、コントラスト強調など)で、視力を支援する。
さらに、スマートグラスの映像表示にμOLEDディスプレーとパンケーキレンズを採用することで、小型・軽量、低消費電力を実現。これにより動きやすく、装着の負担を軽減する。
Biel Glasses社とパナソニックは、弱視支援サービスの事業化に向けて、今後も必要な技術開発と臨床検証を進めていくとしている。
関連情報
https://news.panasonic.com/jp/
構成/立原尚子
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