世界経済の成長が減速する中、2023年の日本株はどのような見通しが考えられるのだろうか。
三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「2023年の日本株見通し」と題したレポートを発表した。レポートの概要は以下のとおり。
国内外のマクロ環境を踏まえると年明けしばらく上値は重いものの、年後半にかけ上昇余地拡大へ
2023年の日本株を展望するにあたり、はじめに国内外のマクロ経済の見通しを確認する。三井住友DSアセットマネジメントは2023年の世界経済について、米欧を中心に利上げの累積効果が顕在化し、成長率は2022年の前年比3.2%から同2.5%へ減速するとみている。ただ、多くの国で「ウィズコロナ」の生活様式が浸透し、財政政策(資源高の影響を和らげるための補助金など)も実施されていることなどから、世界的に深刻な不況に陥ることは回避されると考える。
2023年の日本経済は、海外の景気減速で成長率はいったん鈍化するものの、年後半は米国、ユーロ圏、中国などで景気が持ち直し、成長ペースは回復に向かうと見込んでいる。実質GDP成長率は前期比年率で、2023年1-3月期が+1.7%、4-6月期が+0.6%、7-9月期が+0.8%、10-12月期が+1.5%の想定だ。マクロ環境を踏まえると、日本株は年明け以降、しばらく上値の重い展開が予想されるが、年後半にかけて上昇余地が広がると思われる。
2023年12月末の着地水準は日経平均株価が32,500円、TOPIXは2,330ポイントを予想
次に、2023年の日本株について、三井住友DSアセットマネジメントの見通しを紹介する。基本的な見方としては、日本株は世界経済の成長減速を主因に、しばらくレンジ相場が続くものの、その後は世界経済の持ち直しとともに、相場は回復に向かうというものだ。具体的な数値は図表の通りで、2023年12月末の着地水準は、日経平均株価が32,500円、東証株価指数(TOPIX)が2,330ポイントだ。
TOPIXの2,330ポイントは、2023年12月末時点での12カ月先予想1株あたり利益(EPS)を180.6ポイントと想定し、株価収益率(PER)を12.9倍で算出している。参考までに、先週12月21日時点での12カ月先予想EPSは159.82ポイント、PERは12.3倍だった(いずれも市場予想)。また、日経平均の32,500円は、日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率の直近値を参考に、13.95倍と想定して算出している。
1つのリスクシナリオだが日銀の政策決定が波乱要因となれば円急騰で株価は予想比下振れも
12月23日付レポート「2023年の米国株見通し」では、2023年を通じた米国株の動きとして、1-3月期は「一進一退」、4-6月期は「持ち直し」、7-9月期は「横ばい」、10-12月期は「一段高」を、1つの見方として紹介した。日本株も、これに近い動きとなる展開は十分考えられ、特に10-12月期は、翌年の米利下げ開始と世界景気の更なる回復を織り込む形での一段高が想定される。
ただ、注意すべきは日銀の金融政策だ。三井住友DSアセットマネジメントは日銀が2023年6月にマイナス金利を解除する一方、長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)は継続するとみているが、市場との対話が不十分なまま政策が変更された場合や、YCC撤廃に追い込まれた場合などは、ドル安・円高が急速に進み、日経平均、TOPIXとも2023年12月末の予想値を大きく下回ることも想定され、1つのリスクシナリオとしてみておく必要があると考える。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい
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