「NVIDIA DLSS 3」と第5世代「Max-Q」テクノロジーを初めてノートPCに搭載
NVIDIAは、アメリカのカリフォルニア州で開催中のCES 2023で、高効率な「Ada Lovelace GPU」アーキテクチャの搭載により、パフォーマンスと電力効率でNVIDIA史上最大の世代の飛躍を実現するという『GeForce RTX 40』シリーズのノートパソコンを発表した。
新しい『GeForce RTX 40』シリーズのノートパソコンは、前世代よりも電力効率が最大3倍高く、「Ada」アーキテクチャ、「NVIDIA DLSS 3」、第5世代の「Max-Q」テクノロジーを初めてノートパソコンに搭載。
ゲーマーには、新しい「RT Overdrive」モードを使用したフルレイトレースの『サイバーパンク2077』のようなAAAゲームで最大4倍のパフォーマンスを提供し、クリエイターには、『Blender』などの主要なクリエイティブアプリで超高速のアクセラレーションを提供していくという。
NVIDIA の「GeForce」ビジネス担当シニアバイスプレジデントのジェフ・フィッシャー (Jeff Fisher)氏は、今回のローンチに関して次のようにコメントしている。
「Ada アーキテクチャにより、我々はゲーミングノートパソコンやクリエイターノートパソコンのパフォーマンスと電力効率を変革することに注力しました。新しい「RTX 40」シリーズは、新たなマイルストーンである14インチのスリムなノートパソコンでエンスージアストクラスのパフォーマンスを提供します」
新しいクラスのフラッグシップノートパソコンの『RTX 4090』と『RTX 4080』
「Ada」アーキテクチャは、世界最速の新しいクラスのエンスージアストノートパソコンを実現し、ゲーマーは3台の4Kモニターで毎秒60フレームのサラウンドゲームをプレーできる。
クリエイターは、「 NVIDIA Omniverse」プラットフォームを使用して、完全にシミュレートされた物理演算、ライティング、マテリアルを使用して、フォトリアルな3D仮想世界を4Kで構築することが可能。
ストリーマーは、AV1エンコーディングを使用して『Discord』に4K60fpsでゲームをライブ配信できる。「Ada」の新しいデュアルエンコーダーは、ビデオの書き出し時間を半分に短縮するという。『RTX 40』シリーズのフラッグシップノートパソコンは、価格1999ドルからで2月8日より発売予定。
前世代フラッグシップから3分の1の電力で高速な『RTX 4070』、『RTX-4060』、『RTX-4050』
新しい『RTX 4070』、『RTX-4060』、『RTX-4050』を搭載したノートパソコンは、前世代のフラッグシップモデルよりも高速で、GPUの消費電力が3分の1になる。
1440p80fps のウルトラゲーミングを実現し、『Blender』でのシーンのレンダリングなど、これまで2時間半かかっていた制作プロセスをわずか10分に短縮してくれるという。『RTX 4050』ノートパソコンは、価格999ドルからで2月22日より発売予定。
第5世代「Max-Q」テクノロジーがノートパソコンの効率を向上
NVIDIAは、2017年からGPUの世代が新しくなるたびに「Max-Q」テクノロジーを進歩させてノートパソコンの設計を改善してきたが、『GeForce RTX 40』 シリーズノートパソコン発売に合わせて、第5世代「Max-Q」テクノロジーを発表した。
「NVIDIA DLSS 3」は、ノートパソコン向けに最適化されて、「Whispermode」や「BatteryBoost」を含む「Max-Q」テクノロジーに組み込まれて、パフォーマンス、静音性、バッテリー駆動時間を最大2倍向上させた。さらに大手メーカーと協業して、これまででもっとも低電圧の GDDR6メモリを搭載。
「Try-speed」メモリ制御で、GPUを新しい低電力メモリ状態へ動的に切り替え可能になる。「Ada」のオンチップメモリは、「Max-Q」向けに最適化されて、帯域幅が2倍、サイズが16倍になり、クロックゲーティングが改善される。このアップグレードで、効率を大幅に向上させてゲームのパフォーマンスが加速するという。
14インチのノートパソコンがこれまで以上にパワフル
「Ada」アーキテクチャ導入前は、もっとも急速に成長しているノートパソコンセグメントの95パーセントは、基本的なタスクとアプリに限定されていた。『GeForce RTX 40』シリーズ Laptop GPUを搭載した14インチノートパソコンは、『Blender』での超高速3Dレンダリング、『Adobe Photoshop』や『Premiere Pro』などの人気アプリでの最先端のAIツールなど、これまで不可能だったタスクも実行できるという。
ゲーミング向けとしても強力で、『PlayStation 5』の最大2倍の速さでありながら、サイズは6分の1。ゲーマーは、高精細なグラフィックスの『サイバーパンク2077』のようなゲームをレイトレーシングとDLSSを使ってプレーできる。
ウルトラポータブルノートパソコンを外部モニターに接続すると、デスクトップクラスのゲーミングマシンまたはクリエイタースタジオとしても活用できると説明している。
1億1000万人のクリエイター向けに設計
クリエイター市場は急成長しており、1億1000万人以上のプロおよび趣味のパソコンクリエイターが存在するという。NVIDIAハードウェアでの 3D制作も驚異的な成長を遂げ、昨年から42パーセントも増加しているという。
『GeForce RTX』ノートパソコンユーザーは、もっとも人気のある110以上のクリエイティブアプリで「NVIDIA Studio」アクセラレーションの恩恵を受けることが可能。
さらに「NVIDIA Omniverse」、「Canvas」、「Broadcast」などのAIを活用したアプリへの独占アクセスも可能。3Dアーティストは、「Omniverse」で世界中のどこからでも互いにコラボレーションでき、ビデオ編集者は、AIツールを使用して現場でより速く制作してデュアルエンコーダーを使用して書き出し時間を半分に短縮できる。
さらに『RTX』および「Max-Q」テクノロジーを備えた「NVIDIA Studio」エコシステムを利用して、効率とパフォーマンスの理想的な組み合わせで効率を向上させて、バッテリー駆動時間が最大3倍になり、もっとも要求の厳しいワークフローも高速化される。
発売時期については、『GeForce RTX 40』シリーズノートパソコンは、2023年2月8日から、Acer、Alienware、ASUS、Dell、GIGABYTE、HP、Lenovo、MSI、Razer、Samsungなどの世界の主要メーカーから発売され、CyberPower PC、Eluktronics、Hasee、PC Specialist 3XS by Scan、Schenker などのローカル メーカーやシステム ビルダーからも発売される。
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/laptops/
構成/KUMU