数年前から運用が始まり、今や、ポピュラーなキャッシュレス決済方法の一つとなったQRコード決済。現在様々な企業がサービスを提供しているが、その中でも、特に多くのユーザーから「友人や同僚に薦めたい」と思われるほど顧客満足度の高いQRコード決済サービスとは、いったい何か?
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションはこのほど、NPSベンチマーク調査QRコード決済部門を実施し、その結果を発表した。
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標。欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれ、日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPSを活用する企業が増えてきている。
QRコード決済部門のNPS1位はPayPay
QRコード決済を提供する7社のうち、NPSのトップはPayPay(-24.5ポイント)、2位は楽天ペイ(-27.0ポイント)、3位はd払い(-33.5ポイント)となった。トップ企業とボトム企業の差は30.8ポイント、7社のNPS平均は-38.2ポイントとなった。
ポイントの使いやすさや利用履歴の確認のしやすさがロイヤルティ向上につながる
ロイヤルティの要因を17の項目別に分析したところ、「ポイントの使いやすさ」や「利用履歴や獲得したポイントの確認のしやすさ」がロイヤルティを醸成する要素となった。また、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」やキャンペーン情報などの「メルマガやSNSなどによる適切な情報提供」もロイヤルティを高める要因となった。
一方で、ロイヤルティを向上させるために優先的に改善すべき項目としては、「利用可能な店舗の検索のしやすさ」に加え、「ポイントの貯まりやすさ・還元率」や「キャンペーンの魅力」となり、お得さに関する項目において今後の改善が期待される結果となった。
PayPayは、「利用可能な店舗の検索のしやすさ」や、「メルマガやSNSなどによる適切な情報提供」がロイヤルティに影響を与える結果となり、NPS1位につながった。2位の楽天ペイにおいては、「ポイントの貯まりやすさ・還元率」や「利用履歴や獲得したポイントの確認のしやすさ」が、3位のd払いにおいては、「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」や「利用開始の手続きのしやすさ」がそれぞれ評価され、NPS上位となる結果となった。
QRコード決済の利用頻度が高いほどNPSが高い傾向に
QRコード決済の利用頻度を調査したところ、「1か月に2~3回程度」(21.0%)が最も多い結果となった。また、1週間に1回以上利用する人は全体の約4割となった。NPS上位となったPayPay、楽天ペイ、d払いにおいては、1週間に1回以上利用する人は約5割となり、利用頻度が高い傾向がみられた。
さらに、QRコード決済の利用頻度別にNPSを分析したところ、「1日に1回以上」利用している人のNPSは9.1ポイントとなり、利用頻度が高いほどNPSが高くなった。