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インバウンドが急回復、鉄道・航空・ホテルはコロナ前の水準に戻りながら大きなリスクも

2023.01.01

旅行需要が回復しています。

日本政府観光局によると、2022年11月の訪日外国人観光客数の推計値は934,500人でした。この数字は、コロナ禍を迎える前の2019年11月の4割の水準。2022年10月の入国制限の見直しに加え、円安効果で日本の観光需要に追い風が吹いています。

JR東日本やANA、ホテルの業績も回復してきました。

新幹線はコロナ前の9割まで回復

JR東日本の2023年3月期上半期の売上高は前年同期間比27.0%増の1兆1,150億円。667億円の営業利益を出しました。前年同期間は1,158億円もの営業赤字を出していました。

増収要因として、運輸収入やホテルの稼働が上がったことを挙げています。特に運輸収入の効果は大きく、1,760億円もの増加となりました。

決算説明会資料より

在来線の収入の戻りは緩やかですが、新幹線の回復が顕著。2022年4-6月はコロナ前と比較して59.5%でしたが、7-9月は64.0%まで戻りました。2023年3月末時点で90%の水準まで回復する見込みだとしています。

JALの2023年3月期上半期の売上高は前年同期間比112.8%増の6,185億円。3億円の税引前利益を出しています。前年同期間は1,518億円の税引前損失でした。

国際線はコロナ前比で40%、国内線は75%の水準で回復しました。上半期は中国線の厳しい運航制限によってLCCは苦戦しているものの、フルサービスキャリアは好調です。

外国人観光客向けのホテルOMOの稼働率が好調

ANAは2023年3月期上半期に314億円の営業利益を出しました。前年同期間は1,160億円の営業損失でした。2022年4-9月の国際線の旅客数は166万人。前年の5倍というものです。国内線の旅客数は1,500万人で前年の2倍となりました。

決算説明資料より

ANAは2022年10月31日に通期業績予想の上方修正を発表しています。売上高を予想比2.4%増の1兆7,000億円、営業利益を同30%増の650万円としました。ウクライナ危機でエネルギー価格が高騰している中、営業利益を予想よりも30%引き上げました。

航空会社の中でも極めて好調な会社の一つです。

インバウンドの恩恵を早くも受けている会社が星野リゾート。星野リゾートは2018年4月に新たなホテルブランドOMOを立ち上げました。1号店となったのがOMO7旭川。OMO7旭川は、1920年にオープンした北海屋ホテルに大幅な改装工事を行って星野リゾートが運営を担ったものです。

海外観光客向けのホテルは、運営会社にとって都合の良い宿泊施設。立地条件の悪さや躯体が老朽化したホテルは、国内の旅行者や出張需要を獲得しづらい傾向にあります。しかし、インバウンドに特化したホテルは、ツアー客の獲得によって稼働を上げられるためです。

星野リゾートはインバウンドが最高潮に盛り上がっていた時期にOMOを立ち上げましたが、2年ほどでコロナ禍という前代未聞の出来事に襲われます。

OMO7旭川の客室稼働率は長らく30%台でしたが、2022年7月に80%を超えました。

星野リゾートリート投資法人「決算」より

海外観光客に人気のスキー客が増加しており、星野リゾートのトマムやアルツ磐梯、リゾナーレなどの宿泊施設も今後稼働が上がるものと予想できます。

大幅な増収を見込みマツキヨココカラ&カンパニー

インバウンド需要回復の恩恵を受ける意外な企業がマツキヨココカラ&カンパニー。経営統合する前のマツモトキヨシは、コロナ禍によるインバウンド蒸発の影響を色濃く受けました。

2021年3月期の売上高は前期比5.7%減の5,569億円でした。業界最大手のウエルシアホールディングスの2021年2月期の売上高は、前年同期比9.4%増の9,496億円でした。ツルハホールディングスの2021年5月期の売上高は、前期比9.3%増の9,193億円。コロナ禍でマスクなどの需要が膨らみ、競合のドラッグストアが10%近い増収となる中、マツキヨは減収となったのです。

マツキヨは海外観光客を失ったことで、推定1,000億円以上の売上高が失われたと見られています。

マツキヨココカラ&カンパニーは2023年3月期の売上高を前期比30.1%増の9,500億円と予想しており、力強く回復する見込みです。インバウンドの回復が顕著な下半期の業績に注目が集まります。

中国からの観光客受け入れの影響は?

しかし、ここにきてインバウンドの盛り上がりに暗雲が立ち込めました。ゼロコロナからの大転換を図ったことで、中国各地で感染が急拡大しているのです。中国国家衛生委員会は12月25日から感染データの公表を停止すると発表。正確な感染情報が入手できなくなりました。

ロイター通信は12月28日に、中国各地の病院で診察待ちの長い行列ができていると報じています。

在中国アメリカ大使館は12月15日に感染が急拡大したことにより、業務に支障が生じたとして北京や上海、広州、瀋陽、武漢の各領事館で通常のビザ発給業務を停止すると発表しています。

その一方で、中国政府は12月27日にゼロコロナ下で禁止していた中国人の海外旅行を解禁。1月8日から申請手続きの受付を開始すると発表しました。

中国では1月21日から27日に大型連休が訪れます。この期間に大量の観光客が日本を訪問する可能性があります。日本では12月30日から中国からの渡航者に対して検査を実施する予定です。水際対策が欠かせません。

あと一か月ほどでインバウンドは難局を迎えます。

取材・文/不破 聡

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