暗所に強く、ハイエンド並みに写せるカメラ
本機の最大の特徴と言えるのが、1/1.55インチのセンサーを採用したカメラだ。仕様は非常に潔く、メインカメラと広角カメラのみ。画質がいいのはメインカメラで、画素数も5030万画素と高い。と言っても、フルでこの画素数を使うのではなく、ピクセルビニングで画素を束ねている。センサーサイズが大きいことに加え、この技術でピクセルピッチも大きくなる。
カメラは広角とメインカメラの2つ。中央の大きなカメラには、1/1.55インチのセンサーを採用している
その特徴がもっとも生きているのが、暗所での撮影だ。以下は、その撮影サンプル。駅の夜景は夜景モードあり、なしそれぞれで撮影したが、暗い場所はノイズが少なく、明かりの温かさもきちんと表現されている。ディテールも鮮明で、非常に仕上がりがいい。夜景モードをオンにすると、HDRが効いてさらにメリハリのある写真に仕上がる。渋谷のスクランブル交差点も、ディテールの破綻が少なく、ぱっと見でも非常にキレイ。光の反射もきれいに表現されている。
夜景モードなしの写真。それでもノイズは少なく、明るさは十分だ
夜景モードをオンにすると、遠くの明かりなどがよりはっきり写っている。HDRが適度に効いている
こちらは、渋谷の夜景。光の雰囲気をうまく表現しており、反射などの描写もうまい
AIがオンになっていると、被写体に合わせて最適な補正がかかる。以下は、料理の撮影サンプル。海鮮丼は、その色鮮やかさを適度に強調しており、新鮮さが伝わってくる。室内撮影だが、明るさも十分だ。もつ鍋の写真は、野菜のディテールまでも鮮明に、細部までしっかりと描写されている。カメラの画質は、ハイエンドモデル並みといっても過言ではないだろう。
室内で撮った写真も、明るく撮れている。料理は、色味の補正も適切で、おいしそうに見える
一方で、サブの広角カメラは、そこそこの画質。やはりセンサーサイズが大きいメインカメラにはかなわない。画素数が低いため、解像感がやや足りず、周辺も暗く歪みがちだ。メインカメラで撮った同じ風景の写真に比べると、その違いがよくわかる。ミドルレジンということもあり、やはりコストのかけ方には偏りがある。どのカメラで撮ってもハイエンド並みというわけではない点には注意が必要だ。
広角カメラの画質は、メインカメラには及ばない。あくまでサブと捉えておいた方がいい
また、割り切った仕様のため、望遠カメラにも非対応だ。ユーザーインターフェイス(UI)上は、2倍までタップで切り替えることができ、それ以上の倍率も用意されている。センサーの画素数が高いため、2倍ズームだと劣化はほぼないように見えるが、それ以上になると画像がぼやけてきてしまう。高倍率のズームを特徴としたハイエンドモデルとは、大きく異なる部分と言えるだろう。