大手モバイルデータ分析プロバイダーのdata.ai (旧App Annie)は、2023年以降のモバイルアプリの予測レポートを発表した。
モバイルの利用時間は2023年以降の6年間で34パーセント増加して、2028年にはAndroid端末のみで6兆時間に達する見込みだという。発表された5つの予測は次のとおり。
(1)モバイルの利用時間が2028年にはAndroid端末単体で6兆時間を超える
アプリは引き続きモバイルの利用時間増加をけん引し、アプリストアが登場して20年を迎える2028年には、モバイルの利用時間はAndroid端末のみで6兆時間を超える見込みだという。その増加幅は、2023年の予測利用時間から34パーセントの増加になる。
(2)全世界のモバイル広告支出は3620億ドルに到達
2022年単独でAndroid端末の合計利用時間が4兆時間に達するなどモバイルの使用時間が増加し続ける中で、モバイル広告は引き続き広告支出の大きなシェアを占め続けるという。だが世界経済の逆風を受けて、2023年のモバイル広告支出の成長率は2022年の14パーセントから減速して7.5パーセントの見込み。
(3)モバイルゲームの消費者支出は鈍化傾向
IDFA(iOSの広告識別子)や今後予定されているGoogleのプライバシー規制の変更、フィンガープリンティングの取り締まりなどが、2023年のモバイルゲームのユーザー獲得に影響を及ぼすことが予測されており、2022年には前年比5パーセント減となる1100億ドル、さらに2023年には前年比3パーセント減となる1070億ドルに減少する見込みだ。
(4)消費者は、旅行、イベント、スポーツなどの体験型消費を求める
解雇や物価高の影響による可処分所得の減少を受けて、消費者はモノの消費から体験型の消費を求めるようになるという。2023年の旅行関連アプリやチケット発券アプリのダウンロード数は、前年比で47パーセント増加することが見込まれる。
(5)新たに7つのアプリが生涯消費支出30億ドルのアプリ群に加わる
動画配信とショート動画アプリ群では、新たに『HBO Max』や『iQIYI』などが生涯消費者支出30億ドルを超えて、『Disney+』、『Netflix』、『YouTube』、『TikTok』などに仲間入りしそうだ。生涯消費支出20憶ドルのアプリ群には、『Call of Duty』、『ウマ娘 プリティーダービー、Bumble』など計14のアプリが加わるという。
「新型コロナウイルスのパンデミック時に急拡大したモバイル消費は、パンデミックの収束とともに鈍化しつつあるが、パンデミック前の2019年と比較するとはるかに高い水準を保っている。日常生活のさらなるデジタル化に加えて、自己表現ツールとしての活用や高度なパーソナライゼーションがアプリの利用を加速させるため、モバイルは今後も消費者の生活の中心であり続けると予想される」(data.aiインサイト部門責任者・Lexi Sydow氏)
https://www.data.ai/jp/insights/market-data/2023-mobile-forecast/
構成/KUMU
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