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あらためて#MeTooの始まりを振り返る!大物プロデューサーの性加害を告発した女性記者を描いた映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

2022.12.26

■連載/Londonトレンド通信

ジェレミー・クラークソンのコラム騒動で表面化したメディアによる差別思想や女性蔑視

プロデューサーへの暴力行為で、2015年にBBCテレビ番組『トップ・ギア』司会を降板したジェレミー・クラークソンが、また騒ぎを起こした。

今回は手が出たのではなく、言葉が過ぎた。クラークソン執筆のザ・サン紙コラムに対し、独立プレス基準機構に寄せられたクレーム数が、12月16日の掲載から現在までに2万を超えた。

クラークソンはコラムでメーガン・マークルへの憎しみを表明している。「人々の罵声と汚物を浴びせられながら、彼女が裸でイギリス全町の通りを歩かされる日が来ることを夢見る」とまで書いている。夢見るイメージは、人気テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の一場面を引用したものだ。

サン紙ウェブでは、コラムは消され、代わりにクラークソン19日ツイートが掲載されている。場面引用が多くの人にショックを与えたことを反省する内容で、メーガンへの謝罪はない。

メーガンを、英王室の敵対者、人気者ハリーを英王室から奪い去った人認定し、嫌う人がいるのは理解できる。それでも、どれだけ憎いか酷い表現で書き連ねるのは、大げさな表現が常のタブロイド紙にしても行き過ぎだ。

皮肉にも、メーガンが主張するメディアの人種差別、女性蔑視を、証明するコラムになった。

掲載したサン紙にも驚く。コラムには「私と同年代は、みな同じように考えている」との一文がある。読者にも賛同者がいると期待したか。

そう言えば、近い年代で賛同しそうな人が思い浮かぶ。同じく司会、執筆もするピアーズ・モーガンだ。62歳のクラークソンより少し若い57歳だが、度重なるメーガン・バッシングが問題視された。

だが、女性蔑視は、年配男性に限らない。日本には、性被害を訴える女性に対し「女性はいくらでも嘘をつく」、「女としての落ち度があった」など発言した女性議員がいる。議員生命を絶たれるかと思いきや、総務大臣政務官になった。

大物プロデューサーの性加害を告発したNYタイムズの2人の女性記者を描く

サン紙やら、日本政府やらに驚く自分も、時々うっかりやっている。女性蔑視的な社会で生きていると、無意識のうちに身につくのか。最近では、実話を基にしたマリア・シュラーダー監督『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(1月13日公開)で、自分の女性蔑視な発想に気づかされた。

ハリウッドの大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの長期に渡る性加害を、告発したニューヨーク・タイムズ紙の女性記者2人が主人公だ。記者役のキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが、熱の入った演技を見せる。

#MeToo運動のきっかけになった事件だから、もちろん知ってはいた。だが、被害者については、ほぼ何も知らなかった。アンジェリーナ・ジョリーにグウィネス・パルトロウと有名女優の名前が出た時に注目したくらいで、その他の被害者については興味さえ持たなかった。

美も売り物の1つであろう女優は、そんな被害にあいやすいのだろうと勝手に解釈していた。この映画を観るまで、被害者には女優だけでなく、裏方で働く女性がいたことも知らなかった。

被害者の中には、今では妻、母になっている人がいることにも、思い至らなかった。

長期に渡った事件なのだから、被害を受けたのが独身時代でも、年齢を重ねて変化があるのは当然なのに、若い女性のままの固定されたイメージしかなかった。十把一からげに若くて可愛い女性たちと思い込み、それ以外の属性、個人史など全く関心を持たなかった。まさに当時のワインスタイン目線ではないか。

これまで沈黙していた女性たちが、過去の被害について声を上げることは、明かしていなかったことを我が子やパートナーにも知られることだ。あらためて、女性たちの葛藤と勇気を思う。

ワインスタインによる性加害は過去にも問題にされながら、その都度、もみ消されていた。2人の女性記者は、今度こそ、もみ消されないよう、被害者の声を多く集め、一気に公表する作戦に出る。

ワインスタインからの圧力にも屈せず、被害者1人1人を探し出し、会話を重ねていった記者の根気を称えたい。

この報道でニューヨーク・タイムズ紙は2018年にピュリッツァー賞を受賞した。

文/山口ゆかり ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。
http://eigauk.com


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