スマートウォッチは年々高性能化し、今では金属のパーツで固められた堅牢なモデルも登場している。
しかし今回レビューする『HUAWEI WATCH GT 3 SE』からは、金属の重厚さは一切感じない。それどころか軽い。とにかく軽い。
本体重量は約35.6g、敢えて悪い表現を使えばオモチャのようだ。
が、もちろんその中身はオモチャどころではない。今回はこのスマートウォッチをはめた状態で、自分の身体に鞭を打ってみた。
「チープ」ではない軽さ
極端に安いスマートウォッチは、誰が見ても安っぽいプラスチックを使っている。
その分だけ重量も軽いのは確かだが、はっきり言って胸は躍らない。
この場合の軽さは、単に安さから由来するものだ。
それなら多少でも高い金を払ってもっといいものを買いたい、と思うのは人情ではないか。
が、『HUAWEI WATCH GT 3 SE』の軽さは決してそのようなものではない。
プラスチック筐体であることは同じだが、なぜか「チープさ」といったものが見当たらない。
その代わり、作りの意外な丁寧さが見受けられる。
100種類以上のワークアウトモードを内蔵し、5種類の衛星システムでより正確な位置情報を算出する『HUAWEI WATCH GT 3 SE』。
今回はこれを使って、運動してみよう。
まずはランニング。実を言うと病み上がりであまりペースを上げられなかったのだが、それでも製品のスペックを体験するくらいには走ってみる。
とにかく『HUAWEI WATCH GT 3 SE』はディスプレイが見やすく、走っている最中に一瞥するだけで必要な情報を得られるという印象だ。
さらにその軽さが良い影響を与え、「腕時計を着けている」ということすら忘れてしまうほどだ。
肉体の回復時間も表示
ランニングには、もはやスマートウォッチが欠かせない。
これがあるのとないのとでは、「トレーニングの予定の立て方」に大きな差が出る。
『HUAWEI WATCH GT 3 SE』は肉体の回復時間も表示してくれるため、十分な休息を経てから次回のワークアウトに臨むことができる。
が、走り終えた後に何となく物足りなさを感じた筆者。ランニングだけで「この製品はすごい!」と書くのは、ちょいとばかし手抜きではないか?
というわけで、次はプールで泳ぎに行ってみる。
消費カロリーを常に把握
筆者は10月にプールのあるフィットネスクラブへ移ったばかりだが、それ以来週3回は泳いでいる。
最初は25mレーンを2往復した程度で青息吐息だった。これは体力が落ちたのではなく、泳ぐのが久方ぶりだったため。
頑張ってプール通いを続けると、徐々に「効率の良い泳ぎ方」を思い出してくる。
今では20往復くらいは難なくできるようになり、仕事の合間にも気軽にプールへ行く生活を送っている。
今回は『HUAWEI WATCH GT 3 SE』を装着して泳いでみる。水泳の最中の誤作動を防止する画面ロック機能はもちろんだ
が、手首を傾ければすぐに画面表示を回復する機能、そしてこれまでの消費カロリーを一目で把握できるレイアウト配置が絶妙だ。
このあたりは、実際に使ってみて初めて理解できる要素でもあるのだが……。
それにしても、25m泳ぐ度におおよそ12キロカロリー消費することはこれで初めて知った。
20往復すれば、大体250キロカロリーといったところだ。このあたりが分かれば、具体的なトレーニングの計画を立てやすくなるぞ!
「ちょうどいい丈」のスマートウォッチ
『HUAWEI WATCH GT 3 SE』の使用シーンは、上記のようなワークアウトから普段のビジネスシーンまで割と幅広く対応できるのではないか。
もちろん「ビジネスシーン」とはいっても、重要人物に会うような場面では『HUAWEI WATCH GT 3 SE』はカジュアル過ぎるデザインだ。
しかし、平服でもこなせる内容のオフィスワークなら問題ないだろう。
暖かくなった時期のレジャーにも、『HUAWEI WATCH GT 3 SE』はちょうどいいのではないかとも筆者は考えている。
この記事を書いている今、本州日本海側の地域は大雪に見舞われている。
こんな時に「来夏のレジャー」などと書けば神経を疑われるかもしれないが、もしも来年8月に海外に行くとするなら今のうちから計画を立てておかないと間に合わなくなってしまう。
何なら、今冬のレジャーに用いる目的で『HUAWEI WATCH GT 3 SE』を購入するというのもアリだ。
というのもこの製品には、スキー、クロスカントリースキー、スノーボードに対応したワークアウトモードも搭載されている。
そんな『HUAWEI WATCH GT 3 SE』の販売価格は2万7,280円。
スマートウォッチを初めて買うという人にも勧められることのできる、「ちょうどいい丈」の良品だ。
【参考】
HUAWEI WATCH GT 3 SE
取材・文/澤田真一