小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

目指すは脱・会社依存!45歳から始める〝複業〟のすすめ

2022.12.27

みなさん、こんにちは。45歳からの実践型キャリア複業スクール「ライフシフトラボ」を運営する株式会社ブルーブレイズ代表の都築と申します。本連載では、40代・50代のビジネスパーソンに向けて、転職・複業(複業)・起業・リスキリング・定年後のセカンドキャリアなど、人生後半のキャリア形成に役立つヒントをお届けしています。

本連載も5回目を迎え、いよいよ最終回。おさらいとして、過去4回の連載を振り返ってみましょう。

1回目のテーマは転職。ほとんどの40代・50代転職希望者は、一部の転職エージェントの間で「ジャンク品」と呼ばれ相手にされないというショッキングな現実から、40代・50代転職の成功のポイントをお伝えしました。

2回目は昨今トレンドになっているリスキリングについて扱いました。藪から棒にプログラミングを学んでも無意味で、今すでに持っているスキルをアップデートするリスキリングの重要性をお伝えしました。

3回目はシニア起業の正しい準備方法を取り上げました。リスクを最小に抑え、成功確率を最大化するには、会社を辞めずに独立起業し、十分な売上を立ててから退職すべきというメッセージをお届けしました。

4回目のテーマは70歳就業法。法改正を受けて、企業は今後、ベテラン社員の人件費を削減するための転身支援を少しずつ強化していく動きがあることに触れ、当のベテラン社員自身はどのような心構えや準備が必要なのかというお話をしました。

そして5回目の今回は、今までの連載の総集編として、人生後半も活躍し続けるための処方箋 – 複業について取り上げます。過去の連載でも、人生後半のキャリア形成に複業が有効であることを随所でお伝えしてきました。新しい働き方として政府も推進する複業のメリット、40代・50代ならではの始め方についてより詳しく、当社が運営する45歳からの実践型キャリア複業スクール「ライフシフトラボ」の生きた知見からお伝えします。

複業は単なるお小遣い稼ぎにあらず

2017年、厚生労働省の働き方改革実行計画で、新しい働き方としての複業の有効性が注目されて以降、ここ数年で複業を単なるお小遣い稼ぎではなくキャリア形成手段のひとつと捉える動きが一気に定着した感があります。従業員の複業を容認する企業は増え続けており、人材育成施策として従業員に積極的に複業を促す企業も現れているほどです。

複業人口も増えています。ランサーズの調査によると、労働者の10%以上が複業しており、関心がある人にいたっては70%を越えるという調査もあります。

最近は特に、ミドルシニア層の複業関心度が高まっています。「今の会社でこのままキャリアを終えるのは物足りない。とはいえ家族もいるし、転職や起業はリスクが高すぎる」というミドルシニア世代特有の事情から、本業で得られない働きがいや挑戦機会を得る手段として、複業が注目されているのです。

お気づきかもしれませんが、本記事では特別な事情がない限り、副業ではなく複業という当て字表記を用いています。「本業の収入を補うサブの仕事」ではなく「本業以外にも “複数” の仕事を同時に持つ」というコンセプトのほうが、キャリアとしての複業にはマッチしていると考えるためです。投資の原則に「卵をひとつのカゴに盛るな」という言葉がありますが、今後はますます、キャリア形成においても同じことが言えるようになるでしょう。

さて、ここでもう少し細かく、40代・50代ビジネスパーソンにとっての複業のメリットを整理します。ライフシフトラボでは、以下の3つのメリットを特に強調しています。

◆定年後のセカンドキャリアに備えられる
80歳まで働き続けなければ老後資金を確保できないとも言われる人生100年時代、自分のペースで年金プラス10万円を稼ぎ出すことができれば、真の悠々自適を実現できます。生涯現役として社会との接点を持ち続けることは、金銭報酬以上の生きがいにもなるでしょう。

◆今は選択できない思い切った挑戦ができる
複業による副収入があることは経済的メリットはもちろんのこと、、新たな挑戦の原動力にもなるのです。たとえば複業で一定の収入があれば、その分年収を落としてでも、現職よりも働きがいのあるベンチャー企業の幹部ポジションに転職することが現実的になるかもしれません。複業というカードが手札に加わることで、今まで切れなかった別のカードを切れるようになるというわけです。

◆独立起業・転職の足がかりになる
独立起業の準備として、会社を辞めずに複業状態で売上を作るのがおすすめである旨は連載3回目でお伝えしたとおりです。さらに最近は、採用候補者を正社員として採用する前にまずは複業メンバーとして受け入れ、互いの相性を確かめる企業が増えており「複業転職」という言葉も生まれています。また、複業活動の過程で積み上げた人脈から「良かったらうちで働かないか」と、求人サイトには出てこない好条件での転職につながるケースも珍しくありません。

他方で、勤め先が複業禁止の方もまだ多いかと思います。でも、大丈夫です。キャリア形成を目的とする複業は、必ずしも金銭報酬がなければできないわけではありません。自分のスキルや専門性を活かしてNPOに貢献するプロボノや知人の会社を手弁当(無報酬)で手伝うプロジェクト活動でも、複業で得られるメリットの大部分を享受できます。

趣味のボードゲームが複業になる!?

副業(ここではあえて副業と表記します)と一口に言っても、コンビニのアルバイトから仮想通貨取引、ブログ運営、あるいは企業の戦略顧問まで、その内容はさまざま。実際に始めるとなると、どんな複業がいいのか迷ってしまいますよね。

キャリアとしての複業を始める際の私のおすすめは、自分の強みとなるスキルや経験を活かすこと。これは、転職活動においてあなたならではの強みが求められるのと同じ。言い換えれば、キャリアとしての複業は自分の強みに磨きをかける実践の場とも言えます。

一方、転職活動と少し違うところは、複業ではビジネス経験だけではなく趣味やプライベートの経験も武器になるということです。ここからは具体的に、自分の強みを活かした複業の事例を、クイズ形式で見ていきましょう。

◎趣味のボードゲームをどうやって複業にする?

あなたは無類のボードゲーム好きで、プレイ歴20年以上、ヒット作からマイナーなものまで、さまざまなゲームを熟知しているとします。さて、この経験を活かすと、どのような複業ができそうでしょうか。読み進める前に、少し時間をとってぜひ考えてみてください。

…アイデアを出してみましょう。たとえば、ボードゲームで勝ちたいと思っている人のお抱え軍師になれば、アドバイス代をもらえるかもしれません。あるいは、ボードゲーム愛好家のコミュニティを主宰すれば、その会費収入を得ることもできるでしょう。

このケースは実は、ライフシフトラボ卒業生の事例です。元ネタの彼は今、ボードゲームメーカーのゲームテスターとして活動しています。新しい作品を販売する前に、ゲームルールに抜け穴はないか、著しく強いプレイヤーが生まれないかなどをテストし、メーカーにフィードバックして報酬をもらうのです。他にも、ボードゲーム研修のアドバイザーとしての道も画策されています。今、新人研修やチームビルディング研修にボードゲームを活用する企業が増えているため、研修目的に合致するゲーム選定やルール設定をコンサルティングする仕事にニーズがあるのです。

◎「専門性がない」事務スタッフが見つけた意外な複業ニーズ

いわゆる総合職として社内の幅広い仕事をこなしてきた事務系ビジネスパーソンは「自分には複業の武器になる専門性なんてない」とおっしゃる方がほとんど。しかし、自社では大したことのない仕事でも、他社では大きな価値になるケースは実はたくさんあります。

関数を駆使した表計算シートを作ることができるとしましょう。DXの必要性が叫ばれている昨今ですが、ITに強い人材が社内にいないがゆえに、紙中心の業務体質から抜け出せていない会社はまだまだたくさんあります。そのような会社に対し、今まで何時間もかけて手作業で行っていた仕事を、気の利いた関数で自動化してくれる表計算シートを作ってあげたら、とても喜ばれることは想像に難くありません。他にも、パソコンの使い方やトラブルシューティングをお手伝いする、DXと呼ぶには大げさな “プチDX” をまるっと請け負うアドバイザーを複業で行っている例も出てきています。

キャリアとしての複業は、「自分」という商材を使った商売

このような、本業にするには小さな仕事で働きがいや副収入を得られるのが複業の醍醐味。こうして見ると、キャリアとしての複業とは、自分の強みを活かした商売作り(=新規事業創出)だということがわかります。長年のキャリアやプライベートの経験の中から、武器になる強みが必ず見つかることは、若手にはないミドルシニア複業家の有利な点です。

さあ、もし「ちょっと面白そうだ」と感じたら、それはもう複業家としての最初の一歩。「商売になりそうな自分の強みはなんだろう?」と、ぜひ考え、社外に出て試してみてください。オリエント世界で当たり前に流通していた香辛料が、西洋で大きな価値を持ったように、あなたにとっては当たり前のことでも、他社や他人にとっては価値がある何かが、必ずあります。

文/都築辰弥

株式会社ブルーブレイズ 代表取締役。1993年生まれ。開成高校、東京大学工学部システム創成学科卒。学生時代は、国際学生NPOアイセックで活動した後、バックパッカーとして世界を一周。新卒でソニーに入社し、スマートフォンXperiaの商品企画担当として2019年フラグシップモデル「Xperia 1」などをプロデュース。その後、2019年8月に株式会社ブルーブレイズを創業。45歳からの実践型キャリア複業スクール「ライフシフトラボ」および法人向けキャリア自律促進サービスを展開。「ライフシフトラボ」:https://lifeshiftlab.jp/

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。