忘年会や新年会のシーズンは食べ過ぎたり飲み過ぎたりしがち。そこで一般社団法人日本健康食育協会は、20歳以上から60歳未満の男女全国1000人を対象に、「飲み過ぎ・食べ過ぎたときの対処法」について調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
飲み過ぎた時の主な対処法は「水やお茶をたくさん飲む」
まず「飲み過ぎてしまったとき、その日のうちに何か対処するか?」を聞いたところ、「する」(男性47.6パーセント、女性39.6パーセント)、「飲み過ぎることはない(男性19.6パーセント、女性31.0パーセント)、「飲めない」(男性23.2パーセント、女性22.8パーセント)、「しない」(男性9.6パーセント、女性6.6パーセント)という結果だった。
「飲み過ぎてしまったとき、その日のうちに何か対処するか?」について「する」と回答した男性238人と女性198人に「主にどのような対処をするか?」を聞くと、男女ともに6割前後の人が「水やお茶をたくさん飲む」(男性55.9パーセント、女性65.2パーセント)と回答して最多だった。
次点の「肝機能を高める薬やドリンク剤、サプリを飲む」(男性8.4パーセント、女性7.6パーセント)でも男女ともに1割に満たない結果だった。
「食べ過ぎてしまったとき、翌日何か対処するか?」については、「する」(男性52.0パーセント、女性59.2パーセント)、「食べ過ぎることはない」(男性25.8パーセント、女性23.0パーセント)、「しない」(男性22.2パーセント、女性17.8パーセント)だった。
「食べ過ぎてしまったとき、翌日何か対処するか?」について「する」と回答した男性260人と女性296人に、「主にどのような対処をするか?」を聞くと、女性では「食事の量を減らす」(男性24.6パーセント、女性37.5パーセント)、男性では「食事を軽いものにする」(男性26.9パーセント、女性30.7パーセント)が最多で、女性の7割弱が食事の量を減らしたり、軽くしたりすることで対処していることがわかった。男性はこれら以外にも「胃腸薬を飲む」(男性13.1パーセント、女性7.1パーセント)や「運動する」(男性8.1パーセント、女性5.1パーセント)など食事以外で対処している人も目立った。
お米先生・柏原ゆきよさんが「飲み過ぎ・食べ過ぎたときの正しい対処法」をアドバイス
●お酒を楽しんでも健康を害さないためのコツ
最初に度数の高いお酒を飲まないようにしましょう。空腹状態に強いお酒を飲むと、胃腸の粘膜を荒らす原因となります。アルコールを分解する肝臓は、主に糖質をエネルギー源として働いているため、糖質の少ない食事は、肝機能への負担が大きくなってしまいます。お酒を飲むとき、ごはんを食べずにつまみばかりという人も多いですが、エネルギー不足(糖質不足)の状態でお酒をたくさん飲むと、肝機能が悪くなりやすいので注意してください。
このような人は、締めにごはんを食べましょう。肝臓の働きを助けるのに効果的です。アルコールの分解がスムーズに行われるので、二日酔いにもなりにくく、翌朝、体が軽く楽になり、また便通にも繋がりやすいため、お腹周りもスッキリしやすいです。ただし、お茶漬けや雑炊は咀嚼せずに流し込んでしまい、炒飯やカレーライスなども早食いしやすいうえに脂質も多くなりがちなので、オススメしません。シンプルな白ごはんやおにぎりが最適です。ごはんと一緒に味噌汁を飲むと、より効果的。アルコールで冷えた胃腸を温めて代謝を高め、胃腸の粘膜の修復やアルコールで疲れた肝臓の回復を助けてくれます。
また、飲んだらラーメンや甘いもので締めたいというのは、肝臓がエネルギーを欲しているために起こる現象と言われています。つまみなどで塩分を多く摂った状態でラーメンを食べると、塩分過多によりむくみやすくなり、翌日のもたれにも繋がります。アイスクリームやチョコレートなどの甘いものは、中性脂肪上昇や内臓脂肪蓄積に繋がるので、控えましょう。
●食べ過ぎても太りにくく、体調を崩しにくい方法
食べ過ぎた翌日、食事を抜く人が多いですが、食事を抜くと血糖値スパイクなどが起こりやすく、摂取エネルギーが急に減ることで代謝も下がってしまうため、かえって太りやすくなる傾向があります。血糖値スパイクとは、食事によって上昇し通常は緩やかに変動する血糖値が、食後の短時間で急上昇と急降下する現象のことです。食事を抜くとエネルギーを消費しにくい状態になり、溜め込みやすくなります。よって、次の食事の吸収が高まるため、溜め込みやすくなります。
つまり、食べ過ぎと欠食の繰り返しは、悪循環の始まりとも言えるのでやめましょう。オススメしたいのは、食事を抜かずに内容で調整する方法です。リカバリー食とも言える「ごはんと味噌汁」のシンプルな組み合わせを何食か続けること。おかずを少なくし、ごはんをしっかりとよく噛んで食べましょう。味噌汁は、具だくさんだとより効果的です。お米には整腸作用があり、よく噛んで食べることで胃腸のぜんどう運動を活発にしてくれます。前日の食べ過ぎた食事を早く排出し、疲れ体調の回復を促してくれます。
さらに、味噌汁と併せて摂ることで、胃腸の回復効果や代謝を高める効果が期待でき、体調や増えた体重のリカバリーを速くしてくれます。また、ご馳走を食べるとき、その前の食事を抜く人も多いですが、じつはこれも逆効果です。空腹状態が長くなった後は、血糖値が跳ね上がりやすく、脂肪の合成にも繋がってしまいます。夜に忘年会や新年会があってたくさん食べるなという日は、朝食や昼食は抜かないようにしましょう。
食事内容は、リカバリー食と同じ。シンプルなごはんと味噌汁を摂っておくと、胃腸の機能を高めた状態でご馳走を食べることになるので、スムーズに消化が進みやすく、食べ過ぎの防止にもなります。
柏原ゆきよさんプロフィール
10万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。「健康食育マスター講座」を主宰し、健康食育の専門人材育成にも力を注いでいる。国内にとどまらずニューヨーク、台湾など海外でも2000回を超えるセミナーや講演を開催。
『飲み過ぎ・食べ過ぎた時の対処方法』調査概要
調査期間:2022年12月2日~12月3日
調査手法:インターネット調査
調査対象:20歳以上から60歳未満の男女全国
有効回答者数:1000人(男性・女性:各500人)
調査機関:Freeasy
構成/KUMU
出典:「一般社団法人 日本健康食育協会 調べ」
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