2023年12月発売のDIMEでは2023年3月にスタートするIOWNなど、「仕事に役立つ!トレンド大予測2023」を掲載。その中でもピックアップしているのが「IOWN」だ。
NTTは「NTT R&Dフォーラム ― Road to IOWN 2022」を開催し、2023年3月から一部サービスの提供が開始される、次世代ICT基盤構想「IOWN」に関連する、様々な技術や活用事例を紹介した。現地で取材した注目の技術&事例をピックアップする。
「IOWN」とは?
「IOWN」は通信だけでなく端末からチップ内まで、すべてに光技術を用いる「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」をベースに、スマートな社会の基盤を築く構想。APNでは今と比べて、電力効率100倍の低消費電力、伝送容量125倍の高品質・大容量伝送、エンドツーエンドで200分の1の低遅延を目指している。
NTTの島田明社長は「NTT R&Dフォーラム ― Road to IOWN 2022」の記者会見、および基調講演で、2023年3月から「IOWN1.0」として、APNの技術を用いた専用線サービスをスタートすると宣言。エンドツーエンドで早くも、目標である200分の1の低遅延を実現することを発表した。超低遅延によって、何ができるようになるのだろうか。
超低遅延が実現する「手術ロボットの遠隔利用」
ユースケースのひとつとして展示されていたのは、「手術ロボットの遠隔利用」だ。実際に医療現場に導入されている手術支援ロボット「hinotori」を使用し、遠隔地にいる医師がずれのない安定した環境で、手術のリモート支援や指導を行えるという。
手術室と操作を行う遠隔地をつなぐ光ケーブルは、離れた場所を想定して実際に120kmの長さが用意されていた。それだけ離れていても遅延は1msec未満かつ、ゆらぎもないとのこと。
さらに手術室の様子を伝える8K映像と、機械音除去技術によるクリアな音声も伝送でき、医師同士のコミュニケーションも円滑にできるという。