やはり、酒はワインが一番いい。筆者はワインが大好きだ。
生まれてから今に至るまで貧乏人の筆者。親父は安月給の刑務官で、立派なマイホームを持つような身分では全くなかった。
しかも、親父はよりにもよって下戸だったから、「自宅の冷蔵庫にいつもワインボトルがある」などという光景は自分が成人するまで一度も見たことがなかった。
そんな男が普段飲むワインは1本1,000円以下の安ワインなのだが、今回はどのようなワインでも楽しく飲める「ワインキット」なるものが届いたので、使ってみよう。
ワインを飲むために必要なものが全て収納!
GREENFUNDINGで出資を受け付けている最中の『Circle joy』は、スマホとBluetoothで接続するスマートガジェット……というわけでは全くない。
これは「キッチン用品」とか「テーブル用品」というカテゴリーの製品である。
筆者は「テクノロジーライター」だの「ガジェットライター」だのを名乗っているが、何も最先端テクノロジーを活用した製品だけを取り扱っているわけではない。
つまるところ、筆者のようなしがない三十路男の生活にいささかの光を当ててくれるような製品の記事を書いて食っているわけだ。
そのような判断基準で『Circle joy』を見ると、これはなかなかいい製品だ!
『Circle joy』には電動コルクオープナー、ストッパー、エアレーター、フォイルカッターが収納されている。それらがまさに「インテリア」と呼ぶに相応しい形で並んでいるのだ。
筆者はこの点だけを鑑みても、『Circle joy』を高く評価したい。
赤ワインにも白ワインにも
しかし、何事も使用しなければ意味がない。
とりあえず、自宅にあるワインを冷蔵庫から取り出してみる。
とはいっても、あったのはツェラー・シュヴァルツェ・カッツ。甘口のドイツワインだ。栓はコルクではなくスクリューキャップ、しかも白ワインだからエアレーションは必要ない(白の場合、下手に空気を混ぜると酸化してしまう)。
いや、待てよ。『Circle joy』には上述の通り、ストッパーが収納されている。
そしてこのストッパー、何とバキュームポンプ付きでボトルの中の空気を出してくれる機能があるのだ。
こ、これは白ワインには欠かせないぞ!
分かる人には分かると思うが、赤ワインの場合は開封してから少し置いたほうが味がまろやかになって美味しくなることがある。
ところが白ワインの場合はそうはならない。故に、その保存には空気を外に出すことができるストッパーが必要不可欠なのだ(ただしその場合も、数日以内に飲み切ってしまうべき)。
つまり『Circle joy』は、赤ワインにも白ワインにも柔軟に対応できるというわけだ。いや、マジこれ便利!
物価上昇時代の宅呑み
ワインを飲みながらドリトスやらベビースターラーメンやらをむさぼり食うのが好きな筆者は、お世辞にも「ワインの似合う男」ではない。
赤ワインを飲んだら、次の日には熟成発酵された屁を連発するくらいだ。
だから、この『Circle joy』を家に置いて彼女に自慢する……などという使い方はしない。そうではなく、ただ単に自分だけが楽しむ目的で使う。
パンデミックが一段落すれば再び外食を楽しめる日々が訪れるだろう……というのは極めて甘い観測だった。
ロシア軍の戦車が「世界の穀物倉庫」ウクライナの畑を履帯で圧し潰した直後、世界各国の食料価格に深刻な影響が発生した。
物価高が止まらず、外食自体が「贅沢なもの」になってしまったのだ。
酒類も当然ながら値上がりが続いている。
生活コスト自体が上昇し、「余った小遣いで適当に遊ぶ」ということすらも難しくなった。
ここは「宅呑み」で凌ぐしかない。このあたり、どうも2年前と大差ない状況になっている。
明日を生きる活力を得るための宅呑みは、非常に重要だ。
『Circle joy』は、実は筆者のような独身中年男のための製品ではないかと若干考えている。
何気ない日常の狭間に
『Circle joy』はGREENFUNDINGで6,930円からの出資を募っている(12月20日現在)。
一般販売予定価格は9.900円。
クリスマスイブの夜にみんなでワインを空けるために使うのもいいが、いわゆる「クリぼっち」の人が使うシーンも考えられる。
というより、この製品の真価は「何気ない日常の狭間の宅呑み」でこそ発揮されるのではないかとすら筆者は感じている。
『Circle joy』はテーブルの上に置きっ放しにしても雰囲気を害さないデザインのため(むしろ部屋の見栄えが良くなるほどの上品なデザイン)、とりあえずこれを入手してたまの宅呑みワインの機会に備える……という発想もアリかもしれない。
とにかく筆者は、これが欲しい!
【参考】
気軽にワインを一層楽しめる上質な時間を。スタイリッシュでインテリアとしても楽しめる、極上のワインキット。-GREEN FUNDING
取材・文/澤田真一