新型コロナウイルスの流行による「ステイホーム」や「休校」などで様々な楽しみが奪われた2020年以降。日本でも「食べる楽しみ」が今までにも増して注目を集めています。
「リモートワーク」で一日3食を家で食べる人も増え、「日本の家庭料理ばかりでは厭きるので各国料理にチャレンジしている」とか「フードデリバリーを利用してエスニック料理を楽しんでいる」という声もよく聞かれます。
そうした中、タイでは今まで「田舎くさい」とあまり人気がなかった地方料理が、お洒落な高級レストランで提供されることが増えてきました。このタイの地方料理人気、日本にも到来するのでしょうか?
4つの地方それぞれに特色ある郷土料理
日本でもおなじみになったタイ料理。実は、日本と同じように郷土料理が存在するのをご存じでしょうか?
タイの国土面積は日本の約1.4倍。ちなみに人口は6995万人です。国土は大きく北・東北・中央・南という四つの地方で成り立っています。そして、それぞれの地方が独自の文化や郷土料理を持っています。
4つの地域に分かれたそれぞれに特色があります。 まず、タイの国土の丁度真ん中に位置し首都バンコクを擁する中央地方はマイルドな味付けが基本で、お馴染みの世界3大スープの1つであるトムヤムクンがその代表。彩り鮮やかな宮廷料理もこの地方ならではの存在です。
辛さ控えめの北部料理は「カオソーイ」や「サイウア」
古都チェンマイがある北部地方では寒い気候にも関わらず意外と辛さ控えめです。もちろん、他の地域と比べればですが(笑)。
この地方にはカオソーイという麺料理があります。ココナッツミルクを使ったカレースープの中に生麺を入れ、その上に具材と揚げ麺がのっていて、2種類の麺を同時に味わえます。またサイウアというハーブを多用したソーセージも有名です。
激辛・濃い味の東北料理は「ソムタム」「ガイヤーン」
東北地方の料理は辛さと濃い味付けが特徴。この地方では農業が主な産業であり、厳しい労働に耐えるため、普通のタイ米ではなく腹持ちの良いカオニャオ(もち米)を主食にしています。
そして、それなるべく少ない惣菜で食べれるように、辛さと濃い味付けになったと言われています。代表料理は青パパイヤを使ったサラダのソムタム。
まだ熟していない青いパパイヤを薄く削ぎ、細切りにし、臼に入れて杵でつきます。それを唐辛子やナンプラー(魚醤)、干し海老、唐辛子などで味付けして完成。このソムタムと一緒によく食べられているのがガイヤーン、炭火で焼いたタイ風の焼き鳥です。