毎年のようにヒット商品が出るカップ麺。今年は一体どんなものがヒットしたのか?そこで今回は当サイトでもおなじみ、即席麺評論家・大山即席斎さんに、2022年にヒットした注目のカップ麺を選定してもらった。今回は大山さん自身の実食レポート共にお届けする。
まるか食品「ペヤング獄激辛Finalやきそば」(実勢価格239円)
3月に限定発売された、ペヤング史上最強の激辛商品「獄激辛やきそば」よりもさらに2倍の辛さを誇る。YouTubeのチャレンジ企画などのターゲットとなるなど、大反響を巻き起こした。
「“激辛やきそば”のヒット以降、ペヤングは少しずつ辛さのレベルを上げた激辛を出しています。この商品は現時点での最終型で、激辛の猛者でも容易に攻略できないレベル。そんな度を越した辛さはテレビやYou Tubeの恰好のネタとなりました。激辛マニアは辛ければ辛いほど喜ぶものなのです」(大山さん)
●大山さん実食レポート
「楕円形断面でツヤのない縮れ麺は、モッチリ感のあるいつも通りの噛みごたえ。そこに赤黒いソースをかけて仕上げる。ソースの小袋を破ったときに出てきたソースの香りを嗅ぐだけで、もう激辛であることがわかりました。
ソースを麺にかけると、湯気と一緒に立ち上ってくる香りを吸っただけで、顔が辛さに反応して熱くなってきます。食べるとこめかみがピリピリくるほどの激辛。ノーマルの獄激辛にあった、まろやかさや甘みはほとんど感じられません。辛すぎて休み休みでないと食べられませんでした」
日清食品「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」「日清の最強どん兵衛 かき揚げそば」(実勢価格各267円)
「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」は、通常のどん兵衛よりも太く、もちもち食感をアップさせて極太うどんが特徴。お湯を入れて完成するまでに要する時間は、なんと8分!弾力とのどごしが楽しめる “新太そば”を採用した「日清の最強どん兵衛 かき揚げそば」も、待ち時間が5分かかる。どちらも鰹節、昆布、サバ、煮干し、干し椎茸、あごの6種のあわせ出汁による特製つゆを採用。
「円安などの影響か、全体的にカップ麺の具がスケールダウンしている印象がありました。そんな中でも充実ぶりを誇っていたのが、日清のどん兵衛をはじめとするレジェンド商品。中でも日清のどん兵衛はもともと具材が充実していましたが、特に“最強どん兵衛”は具材以外にもだしや麺なども充実させた、非の打ち所ない一品。分厚いおあげや玉ねぎたっぷりなかき揚げは、具の魅力を存分に味わえます」(大山さん)
●大山さん「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」実食レポート
「6種の合わせだし入り粉末スープで作る色淡めのつゆは、魚粉や昆布だしの旨みがメイン。おだやかでまろやかな西日本風な味です。あまりちぢれていない幅広平打ち麺は出来立てだとしっかりと噛みごたえのモチモチ食感で、時間が経つとフワフワ感も出てきます。おあげは通常のものより厚みがあり、甘さ控えめでしっかりと素材の味が出ていました」
●大山さん「日清の最強どん兵衛 かき揚げそば」実食レポート
「先入れの粉末スープで作るつゆは、鰹だしや魚粉や昆布で色濃いめの東日本風。厚みがある四角い断面でちぢれが少ない麺は、日本そばらしいやさしい噛みごたえでした。極厚あとのせのかき揚げは、玉ねぎが中心で甘みがあります」
エースコック「EDGE 鬼マヨペッパーまぜそば」(実勢価格250円)
大量のマヨネーズとペッパーによる、超濃厚な汁なしのまぜそば。チキンやポーク、魚介の旨みやガーリック、ペッパーを利かせたふりかけと合わせることで、濃厚でパンチのある味わいが楽しめる。
「昨今の新商品の傾向として”やりすぎ”がトレンドになっています。正統派・おだやか・中庸な商品は昭和・平成までにほとんど出尽くしているのかもしれません。こちらの商品はマヨネーズとペッパーが小山を作るほど大量に入っていて、刺激を好む人にヒットしました」(大山さん)
●大山さん実食レポート
「麺は楕円形断面の太縮れタイプで、しっかりとした噛みごたえのあるムチムチ食感。マヨネーズは過去に見たことがなかったほどの大量で、ペッパーメインのふりかけも小山ができるほどの量です。食べ進めるとペッパーで舌がビリビリとしびれてきますが、大量のマヨネーズでまろやかさが加わり、食べやすくなります」
サンヨー食品「ビャンビャン麺風 西安式旨辛麺」(実勢価格270円)
中国の西安で食べられている幅広の麺「ビャンビャン麺」を、ノンフライで再現。スープは醤油のうまみに、花椒(ホアジャオ)の爽やかな香りとしびれる辛み、唐辛子のスパイシーな辛みを合わせている。
「こちらはラーメンそのものより先に漢字が流行りました。パッケージの中心に書かれている複雑な漢字がビャンビャン麺の“ビャン”に当たる文字で、この複雑さがテレビなどで取り上げられてから本体のビャンビャン麺も知られるように。最大幅11ミリほどある麺は、史上最大級の幅広麺です」(大山さん)
●大山さん実食レポート
「麺はコシ感か強くシャッキリとした歯ごたえで、薄皮の餃子に近い食感がありました。そこに香辛料が香る粉末の特製スープと、酸味のある醬油系液体の調味だれをかけてからめると、辛みで舌がピリピリします」
DIME厳選!2022年にヒットしたカップ麺はこちら!
■日清食品「完全メシシリーズ」
「日本人の食事摂取基準」で設定された33種の栄養素が摂取できる「完全食」を、油そばやカレーなどで実現!一見ジャンクなメニューも罪悪感なく食べることができ、健康にこだわる層の取り込みに成功している。
「実は日清食品から1958年に発売された初代チキンラーメンでも“完全食”というフレーズがパッケージに使用されていました。エビデンスやコンプライアンスが重視される今の時代に“完全”なる文言を使うのは、かなり勇気がいることだと思います。それでも名称を“完全メシ”としたことで、必要な栄養素をこれだけで完ペキに摂れるというイメージを訴求することができたのではないでしょうか」(大山さん)
在宅勤務の普及などによりカップラーメンの購入頻度は増加傾向にある。忙しい時の昼食に、今回紹介したトレンドのカップ麺を試してみては。
取材・文/高山惠
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