ハイブリッドワークの定着で現れた弊害とは?
コロナ禍の3年間で変ったことは数え切れないほどあるが、ワークスタイルもそのひとつではないだろうか。
リモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドワーク」が定着。出社が勤務の必須条件ではなくなったことでオフィスを縮小し、フリーアドレス化に踏み切る会社も増えている。だが、エンゲージメントや組織力、生産力の低下など、ハイブリッドワークの影響による弊害もまた現れ始めている。
2022年から働く環境の選択肢を「在宅型」「バランス型」「オフィスワーク中心型」3パターンから選ぶことができる「コクヨ式ハイブリッドワーク」をスタートさせているコクヨでは、東京品川オフィス「THE CAMPUS」での調査から以下のような現状が報告されている。
2022年6月の「THE CAMPUS」出社率は50.5%に(コロナ禍前は82.8%)。
それと反比例して増えているのが、WEB会議回数(WEB会議ID数で比較)。コロナ禍前は月に約1400回だったが、2022年6月現在約3万3000回まで増えている。
2022年3月に調査した「可処分時間の創出実感」は65.8%で、その前年2021年6月から19.6%増えている。つまり「コロナ禍を経て、ハイブリッドワークが定着し、効率的に働くことができている」ことが証明されたことになる。
その一方で、ハイブリッドワークへの課題も見えて来た。働き方に関するアンケートを実施したところ、「社内での新しい人脈が作りにくい」「プロジェクトの一体感が感じられない」「楽しくアイディア出しができない」「多忙だが成長感が持てていない」などの不安や不満がみられたのだ。ちなみに内閣府で実施したインターネット調査でも、同様の結果が見られたという。
これから必要なのは、「変化を前提としたオフィス作り」
コクヨ ものづくり本部 執務空間バリューチーム部長 赤松広道氏は、「これからのオフィスの課題は、ハイブリッドワークをどう実現するか」であり、そのためには、変化を前提としたオフィス作りが必要だと語る。
「変化を前提としたオフィス」とはどのようなものなのか。そのヒントとなりそうなイベント「2023コクヨフェア」を取材した。
「2023コクヨフェア」が開催されたのは、コクヨが運営する「THE CAMPUS」(東京都品川区)。オフィスビルだった建物の一部を解放し、1階に誰でも利用できオープンなラウンジや公園、ショップ、コーヒースタンドなどを併設。建物上階は様々な”実験”が行われるコクヨのライブオフィスとなっている。
コクヨでは「誰よりも先に試し、誰よりも先に体験し、学ぶ」をモットーに、オフィス家具やオフィス作りを実際に試し、データをとって、効果があると実証された場合、顧客に提案しているとのこと。
では、コクヨが提案する「変化を前提としたオフィス」を紹介しよう。