小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

マンガでもOK!感情をふるわせて記憶の定着を促すテクニック

2023.03.21PR

東大、フランス国立研究所、MENSA(全人口の上位2%の知能指数を持つ人が入会できる国際グループ)などで世界のさまざまな「頭のいい人」を見てきた脳科学者・中野信子氏。そんな中野氏が「物忘れを防ぐ『検索タグ記憶法』」「『誰かのために』が脳に快感と若さをもたらす」「挫折がなくなる『やらないことリスト』の作り方」など、仕事や勉強、人生がうまくいく脳を活用した31の習慣を解説した著書が世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみたです。

本稿ではこの本から一部を再編集、「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している少し意識を変えるだけで、誰にでも今日からできるコツをお届けします。

中野信子著/アスコム
世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた

言葉を介した記憶と言葉を介さない記憶がある

人間がずっと覚えている記憶(長期記憶)には、言葉にできる記憶と、そうでない記憶の二つに大まかに分けられます。言葉にできる記憶は「陳述的記憶」といい、言葉にできない記憶は「非陳述的記憶」と呼ばれます。

このうち、陳述的記憶には、「意味記憶」と「エピソード記憶」があります。

意味記憶は知識としての記憶のことで、感情の動きは伴いません。言語の意味や情報の記憶が、それにあたります。

エピソード記憶は、経験した記憶のこと。情緒を伴うことがあり、思い出もこれに該当します。心に傷を負って、PTSD(心的外傷後ストレス障害:忍耐の限界を超えたストレスを受けた後、その記憶がよみがえって不安を感じる状態)の症状が出るときには、特にこのエピソード記憶が混乱しているのです。

非陳述的記憶は「身体の記憶」とも呼べるもの。自転車の乗り方、泳ぎ方、お経の唱え方などの「技能記憶」と、人と会ったときのお辞儀や挨拶の言葉かけなどの「連合記憶」があります。これらを総称して「手続き記憶」ということもあります。

たいてい、大学受験などの筆記試験で必要とされるのは、前者の陳述的記憶のほうだと思います。そこでこの項では、陳述的記憶をうまくこなすちょっとしたテクニックをお教えします。

記憶するかどうかを判断する「海馬」を味方につけよう

前にもお話ししました京大卒お笑い芸人の宇治原さんですが、彼は「暗記は、感情を伴う形で覚えるといい」とアドバイスしています。

例えば、歴史などを覚えるときは、「すごいな~」「怖いな~」「ずるいな~」など、感情や感想を口に出して読むと、覚えやすくなります。これは、脳の「海馬」という部分が「生存に必要な知識を優先的に記憶する」という機能を持っているからです。

海馬というのは、脳の真ん中あたりにあり、長期記憶を形成するのに非常に重要な部分です。タツノオトシゴのような形をしているので、海馬という名前がつけられました。この海馬で、必要な記憶と不必要な記憶を分類して、必要な記憶を残すという「仕分け」を行っているのです。

つまり、仕分け人である海馬に、「この記憶は大事だから、ちゃんと記憶しておこう」と判断してもらう必要があります。そのためには、「怖い」とか「興奮した」などの感情を伴う経験が、効果的なのです。

エピソード記憶は心の動きを伴うので、より記憶されやすく思い出しやすいといえるでしょう。例えば、自分自身で計画を立てて、実際に旅行をした場所のことは、よく覚えていますよね。そして、その場所にまつわる歴史的人物や歴史的事件については、授業で習ったときなどにも印象的に感じられたりして、記憶に刻まれやすくなることも経験したことはありませんか。

また、自分が実際に応援しに行ったスポーツについては、他のスポーツに比べるとルールをより詳しく記憶している、なんていうこともあるでしょう。

このように、感情を伴う体験はより強く記憶されるのです。さらに、自分が実際に体験していなくても、マンガなどによる擬似体験でも、エピソード記憶として貯蔵することができます。

勉強は本来楽しいもの。マンガを使うのもOK!

受験生時代に、私は地理の先生から「『ゴルゴ13』というマンガを読むとよいですよ」と勧められました。『ゴルゴ13』は、超一流スナイパーである主人公デューク東郷が、世界を股にかけて活躍する劇画です。その国の状況や事情に関わるエピソードが扱われることも多いので、「どこそこの国ではこの産業が……」などと無機的なデータをただ暗記するよりも、デューク東郷と一緒にその国をまわった気になって擬似体験的に覚えるほうが、はるかに簡単で、また楽しく覚えられると思います。

マンガで勉強なんて大丈夫か?と心配する人もいるかもしれませんが、脳にとって記憶しやすい状態を作ってあげるのもまた、その人の能力であると言っても過言ではありません。自分を苦しめるだけが勉強ではありません。本来、勉強とは新しい世界の扉を開くもの。むしろ、楽しいものなのです。

ここまで様々な人を通して、自分をより活かし、輝かせていくための知恵をご紹介しました。

こうしたちょっとしたコツやテクニックをうまく活用して、皆さんが楽しみながら、世界の知性と張り合える自分自身を作り上げていかれることを、心から願ってやみません。

☆ ☆ ☆

脳のパフォーマンスは使い方や習慣次第で大きく変わります。「世界で通用する、本当に賢い人たち」が実践している『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』を参考に脳の上手な使い方を学んでビジネスに活用してみてはいかがでしょうか。

中野信子(なかの・のぶこ)
1975 年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ脳に潜む闇』(講談社)、『キレる!』『「嫌いっ!」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。