アメリカとイギリスの姉弟間格差を描いたAmazon Originalのドタバタコメディ映画「はちゃめちゃウェディング~世界一の迷惑家族~」
2022.12.07たとえ血の繋がった家族でも、あまりにも格差が大きすぎると深い溝ができてしまうことがある。
誰も悪くない状況で、一体どのように溝を埋めていくべきなのだろうか。
2022年11月18日よりPrime Videoで独占配信中のAmazon Original『はちゃめちゃウェディング~世界一の迷惑家族~』は、アメリカで製作されたコメディ映画。
主演は『ヴェロニカ・マーズ』『HEROES』出演のほか『アナと雪の女王』シリーズでアナ役の声優も務めたクリステン・ベル。
映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー賞助演女優賞を、ドラマ『ザ・ホワイトハウス』でエミー賞ドラマシリーズ部門主演女優賞を獲得したアリソン・ジャネイも出演している。
<あらすじ>
アメリカに住む主人公アリス(クリステン・ベル)と弟ポール(ベン・プラット)、母親ドナ(アリソン・ジャネイ)のスティーブンソン家は、3人暮らし。父親ビルは既に他界している。
イギリスには父親違いの姉エロイーズ(シンシア・アダイ=ロビンソン)がいて、スティーブンソン家とは比べ物にならないほど優雅な生活を送っている。
エロイーズは、ドナが若い頃にイギリスで出会った裕福なフランス人男性ヘンリークとの間に生まれた娘。
ヘンリークがベビーシッターと不倫したため早々に破局し、ドナはアメリカに帰国。故郷インディアナポリスで出会ったアメリカ人男性ビルと再婚したのだった。
アリスとポールが誕生した後は、時々エロイーズもイギリスから呼び寄せつつ、家族団らんを楽しんでいたスティーブンソン家。
しかし幼い頃は仲良しだった子供たちも、成長するにつれて疎遠になってしまう。
アメリカとイギリスの遠距離だけでなく、生活レベルの格差も大きな原因だった。
そんなある日、エロイーズがイギリスで豪華な結婚式を挙げることになり、スティーブンソン家が招待される。
<見どころ>
エロイーズ自身はそこまで悪いことをした訳ではないのに妹と弟に激しく嫉妬されて、気の毒ではある。
苦しい時にエロイーズが傍にいて寄り添ってくれなかったことを恨んでいるアリスだが、そもそもイギリスとアメリカでは距離が遠すぎる。
しかしあまりにも両者の格差が酷すぎるため、アリス&ポールが歯ぎしりするのも仕方ないのかもしれない。
エロイーズが大金持ちの男性との結婚を控えているのに、アリスは勤務先の社長である子持ち既婚男性と侘しい不倫……。
不倫については自業自得とはいえ、この状況で心から祝福などできるわけがないだろう。
一方、子供同士の軋轢なんてどこ吹く風といった感じで、エロイーズの結婚式を楽しみにしているのが自由奔放すぎる母親ドナ(好物はマリファナ)。
「もとはと言えば、あんたがすべての元凶だろう!」と突っ込みたくもなるが、ドナなりに精一杯生きてきた結果が、現状なのかもしれない。
親に振り回されっぱなしの姉弟3人だったが、結婚式をきっかけに雪解けが始まる。
たしかにスティーブンソン家はサブタイトル通りの“迷惑家族”だ。
だが完璧な人間など存在しないし、たとえダメな部分が沢山あっても、誰もが愛されるべき幸せになるべきなのだと思わずにはいられないラストだった。
Amazon Original『はちゃめちゃウェディング~世界一の迷惑家族~』
Prime Video にて独占配信中
(c)Amazon Studios
文/吉野潤子