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トヨタが持ち運び可能な「ポータブル水素カートリッジ」のプロトタイプを開発

2022.12.08

手軽に持ち運べるポータブル水素カートリッジって何?

突然だが『水素』は凄いらしい。「利用時にCO2を排出しないクリーンエネルギー」であり、「風力、太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーで水素を製造すると製造工程でもCO2の排出を抑えることが可能」、それが水素だ。

電気を使って水から取り出すことができる上、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなどからもつくることができるという。

要するに“水素は日本にとって究極のエネルギー源となる可能性がある”…、と経産省も紹介しているほど。

ここまでで水素のパワーがお分かりいただけただろうか?そんな中、トヨタが「ポータブル水素カートリッジ」のプロトタイプを開発。

コレが日本の未来にどう活用され、いかなる幸せに導いてくれるのか?今回、トヨタと共に水素カートリッジのプロトタイプを開発したウーブン・プラネットで水素技術推進を担当する中村さんに話を聞いた。

――まずはポータブル水素カートリッジについて教えて下さい

「水素エネルギーを手軽に生活圏に持ち運ぶことができるものがポータブル水素カートリッジです。水素を燃料電池(FC)システムと組み合わせて発電して使用、もしくは水素を燃焼させることで発生するエネルギーを使用することを想定しています」

――水素エネルギーってイマイチ身近じゃない気が…

「現在は主に肥料や半導体、人工甘味料(キシリトール)などの製造工程や石油精製工程といった工業用・産業用で使用されていますが、少しずつ身近なところでも使用されています。モビリティではトヨタMIRAIなど水素と空気中の酸素で発電する燃料電池自動車が市販されています」

そうだったのか。しかも、都市ガスのメタンから取り出した水素と空気中の酸素で発電する家庭用燃料電池「エネファーム」も市販されているそうで、家庭の電気・給湯・暖房用のエネルギーとしても活用されているという。

――そんな水素エネルギーがポータブルになることのメリットは?

「小型かつ軽量のカートリッジ型にすることで小型モビリティへの使用が可能となり、水素ステーションに行かずとも使い続けることができます。また、汎用性の高い仕様にすることでモビリティ以外にも生活の様々なアプリケーションでも活用できます」

「さらに小規模なインフラで対応が可能なため、災害時にエネルギーが供給されず孤立する地域や未電化地域にエネルギーを供給できる可能性もあります」

水素カートリッジの使用イメージ

日々の生活を支えるエネルギーとして期待されている水素だが、未だ我々の日常からは程遠いイメージが拭えない。

早急に実現すべくトヨタとウーブン・プラネットは水素サプライチェーンの構築を目指し、いま、とんでもないことを始めようとしている。

テストコースの街を造ってリアル実証実験

トヨタとウーブン・プラネットが静岡県裾野市に建設中なのがWoven City(ウーブン・シティ)。「幸せの量産」の実現を目指す、モビリティのためのテストコースであり実証実験の街だ。ここで水素に関する実証も予定されている。

Woven Cityイメージ図

トヨタ社員の様々な企業・個人の発明家、高齢者・子育て家族が入居し、将来的には約708,000㎡、東京ドーム約15個分のエリアに2000人以上が暮らす街区を作り上げる予定。水素の「つくる」「運ぶ」「使う」という一連のサプライチェーンの実験も行なうという。

――具体的にWoven Cityではどんなことを行なうんでしょうか?

「トヨタ自動車が培ってきたアセットやノウハウを活用し発明家をサポート。様々なアイディアを試し、直接住人からフィードバックをもらうなど多くの才能や意見をもとに新たなサービスの実証を行なっていきます」

「モビリティの拡張をビジョンとして掲げ、水素カートリッジについては高圧水素タンクの設計・開発を進め、実証を通じてより使いやすい水素カートリッジとなるよう改善していきます。その際、世界中の研究者や発明家に集まっていただき水素カートリッジ使用用途の可能性を模索していく予定です」

――水素エネルギーをもっと身近にするために必要なことは?

「水素を気軽に使える場面を増やし、水素の使用用途と使用量を広げていくことが必要だと考えています。Woven Cityで使用用途の可能性を模索するのはもちろん、パートナーであり水素を作るENEOSさんと共に水素利活用の取り組みを進めていきたいと思います」

「その一方で、水素エネルギーは『つくる』『はこぶ』『つかう』の一連したサプライチェーンが整っておらず、誰もが気軽に水素を使う環境が整っていないことが課題です。現時点ではインフラ整備や製品開発に必要なコストも高く、普及推進に対する重要な課題の1つとして捉えています」

「また、水素=危ないというイメージをもっていらっしゃる方も少なからずいらっしゃいます。しかし水素はガソリンや石油などと同様に正しく扱えば安全です。皆さんにも正しくご理解いただき、よりクリーンな水素エネルギーの利活用が進むことを願っています」

トヨタは燃料電池車両とは別に、水素エンジン車両(水素をガソリンのように燃やしてクルマを動かす)の開発も進めている。昨年よりレースにも参戦し話題に。

ジワジワと拡がりを見せる水素エネルギーの魅力。近い将来、あなたの自宅で水素エネルギーが活躍しているかもしれない。

取材協力
トヨタ ウーブン・シティ
https://www.woven-city.global/jpn/

文/太田ポーシャ


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