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クロアチア戦での活躍に期待!稲本、本田、乾、堂安、W杯の複数得点者はなぜ関西人が多いのか?

2022.12.04

日本のW杯複数得点のスターはなぜ関西人なのか?

カタールW杯の日本のキーマン・堂安律(筆者撮影)

12月1日の2022年カタールワールドカップ(W杯)グループ最終戦・スペイン戦を目の覚めるような逆転劇で飾り、決勝トーナメント進出を果たした日本代表。ドイツ、コスタリカ、スペインという死の組で、日本がW杯優勝経験のある大国を続けて叩いて1位通過するとは一体、誰が想像しただろうか。

「より自信を持てることだと思うんですけど、あくまで自分たちの目標はベスト8の壁を破ること。ここで気を緩めず、満足せずに、もう1個に行って、自分たちが新しい景色を見たい。それが日本のサッカーの発展に絶対つながると思ってます」とキャプテン・吉田麻也(シャルケ)も強調していたが、ここからが本当の戦いと言っても過言ではない。

ご存じの通り、クロアチアは2018年ロシアW杯準優勝国。MVPのルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)を軸に華麗な中盤、手堅く粘り強い守備は健在だ。ただ、グループリーグでモロッコ、ベルギーとスコアレスドローに終わっているところを見ると、4年前ほど圧倒的強さは感じられない。悲願のベスト8進出を目指す日本にとっては千載一遇のチャンスと見ていいだろう。

クロアチア戦では誰が点を取るのか?

そこで重要なのが、誰が点を取るか。ここまで日本はドイツ戦で堂安律(フライブルク)と浅野拓磨(ボーフム)、スペイン戦で堂安と田中碧(デュッセルドルフ)がゴールしているが、1大会2得点を奪った堂安は過去の偉大な面々の仲間入りを果たした格好だ。

 その偉大なプレーヤーたちというのは、2002年日韓の稲本潤一(南葛SC)、2010年南アフリカの本田圭佑、2018年ロシアの乾貴士(清水)の3人。特筆ベキなのは、その全員が関西人という点だ。兵庫県尼崎市出身の堂安も生粋の関西人。W杯通算2ゴールの岡崎慎司、1ゴールの香川真司(ともにシントトロイデン)なども含め、関西人のアタッカーが日本代表をけん引するケースは少なくないのである。

2002年日韓W杯のスター・稲本潤一(筆者撮影)

「関西人がゴールしている? 図々しいメンタルの持ち主の人が関西人には多いと思うので(笑)、舞台でも気負わずプレーできるのは自分のよさだと思っていますし」

堂安もこんな見解を示したが、やはり関西人気質と点取屋というのは無関係ではないだろう。関西でお笑い文化が発達した通り、陽気で目立ちたがり屋が多い地域というのはサッカーにも大いに影響している。

「横並びを嫌う関西の指導者は十人十色。独自色の強いサッカーを志向し、選手育成をしているケースが少なくない。そんな土壌が個性豊かな選手を育てることにつながり、強烈なアタッカーが次々と出てくる原動力になっていると思います」と関東の指導者も話していたことがある。

確かに「いったれ」「やったれ」という思いきりのよさと大胆さ、アグレッシブさは関西人のストロングポイント。堂安もそういった環境で育まれた結果、「逆境大好き人間」と自称できるくらいの強心臓になったのだろう。彼には地の利があったのである。

2018年ロシアW杯2ゴールの乾貴士も滋賀県出身だ(筆者撮影)

「関西人は図々しいメンタルの持ち主が多い」と堂安

さらに言うと、稲本、本田、堂安は揃ってガンバ大阪アカデミー出身。98年生まれの堂安は中学からガンバへ進み、17歳でトップデビュー。飛び級でトップ昇格を果たし、19歳の時にオランダ1部・フローニンゲンへ移籍している。左利きでビッグマウスの野心家、最初の海外挑戦がオランダという部分を含め、本田の後継者筆頭と言っても過言ではないかもしれない。

「ガンバの先輩方も気負わずやることの大切さをガンバで教わったのかなと。大舞台で点を取れることと少しは関係しているかなと思います。

本田圭佑さんに関しては、あまり人と比べるのは好きではないですけど、本当にリスペクトしている方。超えたいなと思います。まずは日本が勝つことを意識して、そこにプラスアルファ、自分の活躍したいです」

ドイツ戦後に堂安は「本田超え」の野望を口にした。となれば、まだまだゴールを奪い続けていく必要がある。

本田は2010年の2ゴールに続き、2014年ブラジW杯のコートジボワール戦、2018年ロシアW杯のセネガル戦で合計4得点を挙げている。そんな数字を残せるプレーヤー自体がそうそういない。同い年の盟友・長友佑都(FC東京)がセネガル戦の後「圭佑はW杯の神様に愛された男」と語っていたが、本当にそういう一握りの人間だけしか数字を残せないのだ。

堂安が尊敬する本田圭佑(右。筆者撮影)

堂安は本田を超えられるか?

ただ、堂安はまだ24歳。5日のクロアチア戦でもゴールを奪えば、1大会3ゴールという日本人の新記録を樹立することになるし、本田にも肉薄できる。今後の欧州でのキャリア次第ではあるが、彼は2026年北中米W杯、2030年大会も目指せる。そこまで行けば、計り知れない数字に達するかもしれない。今から考えるだけでワクワクする。

W杯全体で見ると、歴代最多得点者は16ゴールのミロスラフ・クローゼ(ドイツ)。2002、2006、2010、2014年の4大会に出場し、2014年はドイツ優勝の原動力となった名ストライカーだ。その下も15ゴールのロナウド(ブラジル)、134点のゲルト・ミュラー(西ドイツ)と偉大な面々が並ぶ。現役だと日本が初戦で破ったドイツのトーマス・ミュラーが10ゴール。堂安もそのくらいの高い高い領域を目指してもらいたい。

日本が上のステージに勝ち進まなければ、そういった夢物語は現実にならない。強豪国のアタッカーたちはW杯の試合数が多い分、必然的にゴールを量産できるチャンスが広がるが、グループリーグ3試合、もしくはラウンド16までの4試合しか戦えなければ、どうしても数字は伸びないのだ。

背番号8は今、勢いに乗っている(筆者撮影)

堂安が得意の左足でゴールをこじ開け、日本を勝利へと導いていけば、本田の4ゴール越えはもちろんのこと、世界有数の点取屋たちに肩を並べることも可能なはず。だからこそ、次のクロアチア戦でも大仕事が必要になる。今回の後半からのジョーカー起用になりそうだが、鋭いナイフのような切れ味を見せる今の堂安なら出場時間が長くても短くでもインパクトの大きな仕事ができるはず。

先輩・原口元気(ウニオン・ベルリン)から託された背番号8をさらに輝かせるべく、24歳の旬のレフティには貪欲に泥臭くゴールへと突き進んでほしいものである。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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