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食べると違いが歴然!冷凍庫の霜の付き具合が食べ物の鮮度やおいしさに直結していた

2022.12.05

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

日本での開発拠点であるハイアールアジアR&D熊谷

ハイアールグループは世界で10か所にR&Dセンターがあり、日本における拠点として、2015年3月に埼玉県・熊谷に社屋を開所。熊谷はハイアールグループが設立した最初の海外R&Dセンターで、冷凍・冷蔵の鮮度保持技術を中心に、冷凍冷蔵庫の商品開発や設計を行っている。今回、ハイアールアジアR&D熊谷がメディアに公開され、施設各所を見学する機会を得た。

○化学実験室/高温室

化学実験室は、冷蔵庫の素材であるプラスチック部品、鉄板等が物性として問題がないか、家庭で洗剤を使って汚れを落とした際に薬品で変化が出ないかなどの検査を行っている。

高温室は、35℃~45℃の高い温度帯で冷蔵庫の性能をチューニングする場所。高温度でも冷蔵庫内が一定の温度に冷えているかを検証している。日本は南北に広く生活環境により温度帯が異なるため、どの地域でも品質を保てる一定の性能が担保できるための試験を行っている。

○扉開閉試験室

扉の開け閉めを繰り返しているうちに、万が一でも部品が外れてしまったり、壊れてしまったりすることがないように検証する場所。家庭での実使用の開閉を想定し、ユーザーの使用期間内は不便なく使えるように繰り返し開閉を行いテストしている。過去にはひもをつけて手で開閉していた時もあったそうだが、現在はロボットにより自動で開閉チェックをしている。

○騒音試験棟

冷蔵庫の運転音を測定する棟。冷蔵庫はリビングとつながったキッチンに設置されることも多く音に関してユーザーが敏感になっており、静音設計のための検証をしている。

無響室は、壁面や天井にくさび型の吸音材があり全く音が反響しない環境を設定。棟の真横には新幹線の高架があるが、外からの音は全く聴こえない。コンプレッサー、ファンといった騒音を出す部品について、静かな環境で検証を行い開発に役立てている。

床面だけ吸音材がない状態の半無響室もあり、主にグローバル規格の製品を検証しているが、生活環境に近い状態で測定できる部屋であり、ユーザーより音に関する意見が寄せられた製品は最初にこちらで検証している。

○シールドルーム

近年、冷蔵庫はIoT化により多くの機器とつながっており、ノイズ環境に対する要求も厳しくなっている。冷蔵庫から何かしらのノイズを出してしまった場合、他の電気製品に影響がないか、また、その逆のパターンも検証している。正しい測定を行うために、わずかなノイズ、電波といった外的要因をシャットアウトする厳重な設備になっており、中に入ると携帯電話はまったくつながらなくなる。すべての角度からチェックするために冷蔵庫はターンテーブルに載って回転している。

○鮮度保持分析室

冷蔵庫が保てる鮮度を検証する部屋。ビタミンCやグルタミン酸など、おいしさ、鮮度が長持ちできるか測定している。画像はにんじんからビタミンC、糖など水溶性の栄養素を抽出する作業。にんじんを溶液に溶かして薬剤を加えて試験を行い、保存期間によって起こる栄養素の増減を検証している。

おいしさを保ったまま長期冷凍できる「おいシールド冷凍」とは

食材を長期冷凍すると霜だらけになっていることがよくあるが、霜は食材から出てしまった水分やうまみであり、霜が付いている=おいしくないサインということ。霜が付くのを抑えることで、鮮度やうまみをキープして長期冷凍ができるAQUAの特許技術が「おいシールド冷凍」だ。

おいシールド冷凍技術の秘密について、ハイアールアジアR&D 冷蔵庫先行技術グループ マネージャー 星野仁氏に話を聞いた。

おいシールド冷凍は当初、省エネを目的として開発がスタートしたが、庫内の温度変動を抑え、霜が付かないということから、省エネだけでなく鮮度保持にも有効ではないかと開発が進んでいったという。

冷蔵庫を冷やす仕組みは、熱交換器(エバポレーター)に-30℃ほどの冷たい液体を循環させ、ここにファンの風を通過させることで冷たい空気を作り庫内へ送る。しかし、庫内に水分が蒸発する食品があった場合、水分を含んだ空気が熱交換器を通るときに霜が付いてしまう。

霜が付くと冷たい空気が送れなくなるため、霜をヒーターで溶かす作業が必要になる。一定の間隔で行われるこの動作が霜取り。霜取りで冷却性能は戻るが、ヒーターは表面温度が300℃以上あり、庫内にも温かい空気が入ってしまい冷凍庫の温度が上昇、食材の水分が減っておいしさが失われてしまう。

「通常の冷蔵庫の場合、霜取りのときはファンを止めて温かい空気が入らないようにしますが、すき間から温風が入り込むため冷凍庫内温度は10℃ほど上がってしまいます。おいシールド冷凍の場合、霜取り中にはファンを遮断する装置を設置して、ヒーターの熱をブロック、つまりファンにフタをして温風が庫内に入らないようにしています。

おいシールド冷凍機能がないものと比べて、温度上昇を5℃ほど抑えることができます。通常、霜取りが入った場合、冷凍庫は-18℃が-8℃~-10℃にまで上がりますが、おいシールド冷凍は-13℃~-15℃(下記グラフ緑線)に抑えることができるのです」(星野氏)

おいシールド冷凍搭載のTZシリーズとAQUAの非搭載機種、他社の機種で、肉、ホタテの食材を4週間冷凍保存し、霜の付き方を比較するとその違いが一目瞭然。

食品は水分が抜けたところに酸素が入り込み酸化が進むため、脂肪、たんぱく質が酸化された状態になるのが、いわゆる冷凍臭といわれるもの。ニオイだけでなくおいしさも失われてしまう。

牛ステーキ肉を4週間冷凍し、外観、乾燥率、食感、うまみ(グルタミン酸)残存率が初期と比較して4週間後にどうなるか評価した結果でも、おいシールド冷凍搭載のTZシリーズが77.3%と高い数値になった。

霜が少ないため冷凍コロッケを揚げたときも油はねが少なく、通常冷凍の半分ほどに油はね抑えられるので揚げものも楽。ロックアイスやカットしめじも、おいシールドは溶ける水の量が少ないのでくっつきにくく、少しの力でバラバラになるので使いやすい。

【AJの読み】食べてみると違いが歴然!霜が食材に与える影響を実感

長く冷凍保存したものを調理したときに感じる「冷凍臭」がとても気になり、1か月以上保存したものは使うのに躊躇してしまうことがよくある。

おいシールド冷凍搭載の機種、AQUAの非搭載機種、他社の冷蔵冷凍庫で、4週間冷凍した小松菜のおひたし、牛肉、茹でガニ、ホタテの刺身を食べ比べてみた。

牛肉はサーロイン、バラと両方試食したが、肉から立ち上る香りからして違った。サーロインは、他社は少しかたみを感じるのに対し、おいシールド冷凍はやわらかな食感。脂の多いバラは、非搭載機種だとよく焼けた肉でもあの「冷凍臭」を感じて箸が止まってしまったが、おいシールド冷凍は、噛むと肉のうまみがじんわりと口内に広がった。

おいシールド冷凍搭載とAQUAで非搭載機種での茹でガニの比較は、見た目からして違いがわかる。画像の上が非搭載で、パサパサとして身がバラけてしまっているが、下のおいシールド冷凍はきれいに身が付いている。非搭載はうまみが抜けたような淡泊な味だったのに対し、おいシールドはカニ本来のうまみを感じた。

ホタテは左上が他社、右上が非搭載、下がおいシールド冷凍のものだが、上の2つが白っぽくなっているのに対し、下のおいシールド冷凍はピンク色。非搭載のものは生臭みがあり、噛むと水っぽさを感じたが、おいシールド冷凍のものは弾力が他の2つと全く違い、歯ごたえやうまみなど、解凍したものとは思えない“生の刺身感”があった。

共働き家世帯の割合が7割近い状況で、まとめ買い、作り置きで常に冷凍庫が満杯という家庭も多いと思われる。霜取りについては知っていたが、霜が付く、付かないでこんなにも鮮度や味の差が出ることがわかり、冷凍冷蔵庫を選ぶときには冷凍機能をチェックすることが大切だと痛感した。

文/阿部純子


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