小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【現地レポート】攻めるしかない運命のスペイン戦!三笘・浅野・伊東の3トップで勝負を賭けろ

2022.12.01

2022年カタールワールドカップ(W杯)グループリーグもいよいよ大詰め。

史上初のベスト8という大目標を掲げ、20189月から43カ月活動してきた森保ジャパンのとって、121日のスペイン戦はまさにチームの集大成になると言っていいだろう。

攻めに出るしかないスペイン戦!

※著者撮影

23日の初戦・ドイツ戦を21で勝利した時は8強入りへの希望が広がった。ところが、27日のコスタリカ戦で5バックでブロックを作られた相手を攻略しきれず、まさかの敗戦。「2戦終わって勝ち点4以上」という理想のシナリオが崩れてしまった。

森保一監督も選手たちも「引き分けでOK」という消極的なマインドが出て、拙攻を繰り返す形になってしまった。となれば、スペイン戦はドイツ戦に立ち返って捨て身でぶつかるしかない。

「もう前へ前へと行くしかない」

現地カタールを訪れている2018年ロシアW16強指揮官・西野朗前監督もそう語っていた。西野監督は初戦でコロンビアに勝ち、2戦目でセネガルに引き分けて迎えた3戦目のポーランド戦で、負けているにもかかわらず、裏カードを見ながら時間稼ぎのボール回しをするという異例の戦いを選択した。その采配を今も悔いているのかもしれない。

今回はポーランドよりはるかに強いスペインが相手で、勝ち点も4年前より1少ない。だからこそ、よりスペインを打ち破るマインドが必要だと言いたかったのかもしれない。

万が一、次戦が森保ジャパンのラストマッチになるとしたら、泥臭く攻める姿勢を強く押し出し、日本の持てる力を全て出し切った方が悔いは残らない。指揮官にも選手たちにも思い切って行ってほしいものである。

そういった考えに基づくと、前線は点を取れる人間を頭から配置するしかない。となれば、ここまでジョーカー起用してきた三笘薫(ブライトン)を頭から使うしかない。


※著者撮影

202111月のオマーン戦(マスカット)で代表デビューしてから、彼は主に後半から流れを変える切り札として使われてきた。森保監督が「戦術・三笘」という言葉を使ったほど、彼の切れ味鋭いドリブルとフィニッシュは相手の脅威になり続けてきた。

今大会を見ても、ドイツ戦で堂安律(フライブルク)の同点弾をお膳立てするドリブル突破とスルーパスを披露。それが南野拓実(モナコ)の左足シュートにつながり、堂安が詰める形になった。ドイツの右サイドバック(SB)ズーレ(ドルトムント)とボランチ・ゴレツカ(バイエルン)がマークについても、全く動じることなく背後のスペースを突く効果的なパスを入れ、日本の反撃の口火を切ったのだ。

コスタリカ戦でも01でリードされた終盤、強引に左サイドを突破し、23度と得点機を演出。その最たるものが後半44分の鎌田大地(フランクフルト)の決定的シュートだった。彼が右足から放ったボールは名手・ナバス(PSG)正面に飛び、惜しくも得点には至らなかったが、三笘の緩急をつけたドリブルと積極的な仕掛けが世界相手にも有効だということがよく分かるシーンだった。

「もうちょっと仕掛けたいところがありましたし、なかなかボールが来ない中、自分を出しきれない展開で、そこに後悔はありますけど、もう仕方ないんで次に切り替えないといけないと思います」と本人もコスタリカ戦後は不完全燃焼感を吐露していた。自分はボールを持ったらもっと崩せるという自信があるから、そういった発言をしたのだろう。

であれば、もう先発起用で行くしかない。本人は以前から「スタメンで出たい」と熱望していたが、森保監督は彼ほど敵にダメージを与えられる切り札がいないと判断。ベンチに温存してここ一番の勝負どころで送り出し続けてきたのだろう。

だが、もうスペインに負けたら後がない。次は彼らに先手を取らせる前にこちらがアクションを起こす必要がある。そのピースとして彼は最適な人材。マッチアップするスペインの右SBカルバハル(レアル・マドリード)も難敵に違いないが、今の三笘なら行けるはず。日本の命運を託していい。

それと同時に右サイドを伊東純也(スタッド・ランス)、最前線を浅野拓磨(ボーフム)という陣容で行けば、日本の得点確率は上がるだろう。

伊東は最終予選で4ゴール・2アシスト・PK奪取と日本の全12得点の半分以上に絡んだアタッカー。「自分はそんなに点取るタイプじゃない」と本人は日頃から謙遜気味に語っているが、今夏赴いたフランス1部でもすでに4ゴールをゲット。「ここ一番で決められるアタッカー」として評価を上げている。


※著者撮影

今大会はシュートチャンスがほとんど巡ってきていないし、スペインは超攻撃左SBジョルディ・アルバ(バルセロナ)がいるため守勢に回らざるを得ない時間も長くなるだろうが、裏に飛び出したら勝てるスピードがある。その爆発力はやはり魅力。今回は伊東に賭けたいところだ。

浅野にしても、ご存じの通り、ドイツ戦の劇的逆転弾は強烈な印象を残した。


※著者撮影

「自分でも『大舞台に強い』『持ってる男だな』と感じるとともに、試合前から本当にやれる気しかなかった。注目されればされるほど集中力が増すし、その集中力がガッと集まったときにどれだけプレーできるかも1つの実力。自分のストロングポイントだと思ってます」と本人も自信満々にコメントしていた。

確かに浅野は四日市中央工業高校時代から節目節目で大きな仕事を果たしてきた。このスペイン戦は過去の大舞台以上に意味のある一戦。「持ってる男」の本領発揮が強く求められるところ。ハイラインの裏を抜け出し、フィニッシュに行くことで、PK奪取の可能性もあるだけに、浅野には自分の速さと運動量でガンガン行ってもらいたい。

この3人が前に並べば、スペイン守備陣もさすがに嫌なはず。世界一ボール回しのうまい彼らからいい位置でボールを奪うのは至難の業だが、「どんな相手でもミスはする」と鎌田大地(フランクフルト)も鋭い指摘をしていた。そのミスを突き、モノにしてこそ、初めて先への希望が見えてくる。


※著者撮影

ここでカタールW杯が終わることだけは絶対に回避しなければならない。39歳の川島永嗣(ストラスブール)、36歳の長友佑都(FC東京)、34歳の吉田麻也(シャルケ)といった長年代表を支えてきたベテラン勢に「新たな景色」を見せるためにも、20代のアタッカー陣はやらなければいけない。これでもかというくらいゴールに襲い掛かるアグレッシブさを見せて、2度目の奇跡を起こしてほしいものである。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。


@DIME公式通販人気ランキング


興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!Amazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2023年3月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「5インチ電子メモパッド付き計算機」、特集は「ミニマルライフ&ギア」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。