10月からガンダムの新シリーズ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の放送が開始され、新作には辛口のガンダムファンたちの間でも好評を得ている。
複雑に散りばめられた謎と回を追うごとに少しずつ全明らかにされていく世界は、SNSを中心にさまざまな憶測や考察を呼んでいる。また、「学園もの」として開幕したストーリーは徐々に政治や科学技術の濫用、宇宙民(スペーシアン)と地球民(アーシアン)といった人種間の軋轢など社会派の一面も覗かせている。
連動して新型MS(モビルスーツ)は本編や公式サイトで登場するよりも先に、新発売のガンプララインナップで発表されるなど、コンテンツとトイ・ホビー、メディアが連動して大きな盛り上がりを見せている。
販売数は前年比14%増、海外展開も
バンダイナムコホールディングス(以下バンナム)は、2022年3月期の連結決算で純利益が過去最高に達し、そのうちガンダム関連事業の売り上げが1017億円と発表した。前年の950億円からの7%増加でありグループ全体の1割を占めている。うちバンナムのトイホビー事業の国内売上高は、過去5年で1.7倍の442億円に達した。いうまでもなくガンプラは主要な要因のひとつだ。
ガンプラの製造・販売を行なうバンダイスピリッツによると21年度のガンプラの年間出荷数は2086万個で、前年から14.4%伸びた。人気の高まりで家電量販店や模型店では一部の商品が品薄となり、それらは高額転売の的にもなっている。
バンナムはガンダム関連事業の収益性を高めるための手立てを講じてきた。最初のテレビアニメ放送開始から40年経った2019年にガンダムの版権を持つ創通を350億円で買収。2020年には米国の小売り約3000店舗でガンプラの販売を始めた。公式ガンプラ総合施設「ガンプラベース」は国内のみならず中国や台湾のほか、とくに韓国では現在は9店舗に展開するなど、世界にも着実にアプローチの手を伸ばしている。
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