多様なサービス、品質の高い料理、コストパフォーマンス…日本の飲食文化は本当に素晴らしい。しかし、飲み会の回数が減ったり、滞在時間が短くなったりと、コロナ禍を経て飲食店との付き合い方が変わった方は、多いのではないだろうか。
転換期を迎える飲食業の課題を、ユニークなアイデアで解決するのが2019年創業のスタートアップ、シコメルフードテックだ。
固定費が下がる代わりに、仕込みを外注する分の食材原価=変動費は上がる。結果的にトータルのコストが増加する場合もあるが、飲食店はコスト構造の転換にメリットを感じているという。
環境変化へ柔軟に対応できる、売上が減っても利益を確保できる、人手不足のなか少人数で運営できる、といった経営体質の変革につながるからだ。
対応するのは、中小飲食企業の多様なニーズだから、一社の食品工場でできるモデルではない。「シコメル」はBtoBのマッチングプラットフォームであり、さらにコーディネーターとして機能していることが重要だ。
食品工場で飲食店の味を再現するのは簡単ではない。工場で大きな鍋などを使い一気に調理すると、レシピ通りに作っても、本来の味とは変わってしまうことがあるという。そのため、商品開発機能を持つ同社が間に入って、最終的な仕様を調整する。
また、食品工場には得意分野があり、タイミングによっても対応できる食品は異なる。同社は、提携工場の情報を集約。中小規模の飲食事業者には、小ロットからの製造に対応する必要があるので、取引量や金額など条件面での調整も重要だ。
提携工場側としては、空いている設備や人材を活用して新たな顧客と取引できる。彼らのメリットを確保しつつ、よい落としどころをみつけられるのは、食品業界の経験が長い同社の強みだろう。
BtoBのマッチング+コーディネートのプラットフォームが機能することで…
→多様な工場が仕込みのリソースを開放し、
→多品種小ロットの生産が可能になり、
→幅広い飲食店が経営体質を健全化する
同社のいう「食のサプライチェーンDX」の骨格だ。
取材・文/ソルバ!
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