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サメ肉やなすのヘタも活用!オイシックス・ラ・大地が目指すサステナブルリテール戦略

2022.11.27

世界的に大きな問題となっているフードロス。食品宅配のサブスクリプションを運営する「オイシックス・ラ・大地」では、積極的にフードロス削減に取り組み、2025年までに年間1000トンのフードロス削減を目標に掲げている。サブスクビジネスで消費者・生産地とともに実現するサステナブルリテールとはどんな戦略なのか、経営企画本部グリーンプロジェクトリーダーの東海林園子さんに話を聞いた。

日本のフードロスの現状

農林水産省発表のフードロスの現状。

農林水産省によると、日本のフードロスは年間522万トン。事業活動を伴って発生する事業系のフードロスと各家庭から発生する家庭系フードロスの大きく2つに分けられる。

規格外品や返品、売れ残りや食べ残しから発生する事業系のフードロスは、53%の275万トンにものぼる。残りの247万トンは、家庭から発生する手つかずの食材や食べ残し、剥き過ぎた皮などの過剰除去によるものだ。

そこで、「オイシックス・ラ・大地」が成長戦略のひとつとして打ち出しているのが、『ビジネスとテクノロジーの力で地球にも人にもよい食を提供する』というサステナブルリテール(持続可能型小売業)という戦略だ。

フードロスゼロを目指し、規格外や未利用食材などを活用し、1年間で310トンの生産地のフードロス削減を達成している。また、食の流通の川下である家庭でのフードロスも3分の1まで減らせることも検証済みだ。

ビジネスモデルとテクノロジーでフードロス削減を目指す。

「食の流通の川上から川下まで、ダイレクトにお話を聞くことができるので実現できています。」と、東海林さんは話す。直接話が聞けるビジネスモデルとテクノロジーの活用が、オイシックス・ラ・大地の強みといえそうだ。また、サブスクによる安定的な需要があることで、生産者も安心して生産することができる。というのも、生産は天候に大きく左右される。その状況で、安定的に消費者に届けられ、収入につながるのは、事業の継続という意味でも重要だ。

生産者側のフードロス削減戦略

フードロス削減と聞いて、真っ先に頭に浮かぶのが規格外の食品だ。大きさの違いだけでなく、形や、外側に傷みがあるもののほか、未利用魚など多岐にわたる。

「台風や猛暑など、天候による被害を受けた食品を助ける『おたすけOisix』という販売サービスを行っています。柑橘類などは、皮に傷のようなものができてしまっても、中はおいしく食べられますし、りんごは、つるわれといって上のヘタが割れることがあります。

実は、蜜が入っていておいしいことや、食べ方を丁寧に説明し、通常よりもお得な価格で販売しています。つるわれすると、そこから腐敗が始まるので、すぐに出荷する必要がありますが、生産者さんから報告を受けるなど、産地と連携しています。」(東海林さん)

農産物は、完熟させた方がおいしいであろうと思われるものも、輸送の関係で早めに収穫される場合も多いなか、天候不順など突発的に出てくるものに対応するのは大変だ。それでもフードロスを削減し家計も応援できるならばとサービス開始に踏み切った。

もちろん、再選別する必要もあり、生産者側にも負担がかかるが、愛情をこめて作っている野菜を少しでもお客様に届けたいという生産者が多い。おたすけの商品は売り切れたら「ありがとう」と、量を求めているわけではないため、安心して出荷できるという。

Kit Oisixの「サメ肉竜田揚げ 生姜入り出汁仕立て」に活用されている。

未利用魚も積極的に活用している。漁で網に入る小魚は、これまでは海に返すしかなかったが、漁協と連携し、下処理から加工までも行っている。また、一部だけが取り引きされる魚もある。一例は、サメだ。

「サメといえば、ふかひれです。ひれは食べますが、では他の部分はと考えますよね。実は、白身でおいしいんですよ。竜田揚げなどのフライやクリームソースにも合います。そんなサメ肉をミールキットにしたら、ご家族で盛り上がりながら食べているという感想もいただいています。小骨がなく、子どもも食べやすく、魚嫌いの人にもおすすめです。」(東海林さん)

サメ肉は、かまぼこなどすり身にしかならないと思いこんでいたが、その思い込みがフードロスにつながるのかもしれないと改めて感じた。

ミールキットは時短だけでなくフードロス削減にも効果的

未利用魚などもおいしく食べられるミールキットは、必要量の食材と調味料がセットになってレシピも同梱されている。手間がかかるところを事前に調理されているなど、時短になると人気だが、実は、時短だけでなく、フードロス削減にも効果があるという。

「ご家族の人数にもよりますが、料理のメニューを考えて、それぞれの食材を買うと使い切れないということがあります。例えば、ビビンバを作るためにニラを買ってくると、1束使い切れません。ネギなどもそうですよね。多く作りすぎると食べ残しになりますし。ミールキットは必要な量が入っているため、意識することなくフードロス削減につながります。」(東海林さん)

便利だと思って活用していたら、フードロスも削減できていたというのは理想的だ。薬味など、ほんの少し欲しいという食材が、絶妙な量でセットになっているため、無駄なく、おいしく食べられるというわけだ。

アップサイクル食品は、生産者の顔が見えるからこそ実現

「ここも食べられるチップス なすのヘタ」としてアップサイクル食品に。

アップサイクル商品は、2021年から開発がスタートしている。おいしく食べてもらえるプロダクトをイメージし、開発している。

「どんな商品であれば新しい楽しみ方を提案できて、お客様においしく食べてもらえるかを考えるところからスタートします。野菜のチップスにしたらおいしそうと試してみても、合う、合わないもあり、今も開発を続けています。」(東海林さん)

苦労したのがなすのヘタをチップスにしたときだそう。そのままチップスにせず、こちらは黒糖味にアレンジ。フレーバーやカットの仕方を変えるなど、アップサイクルする食材により、さまざまな工夫が必要という。

フードロス削減を加速させるフードレスキューセンター

川上、川中のフードロスをさらに削減するために稼働している「フードレスキューセンター」

サステナブルリテール戦略を進めるため、2021年1月にはグリーンプロジェクトを担当する専門チームを立ち上げている。生産や配送から排出される温室効果ガスの削減や脱プラ、フードロス削減に、より積極的に取り組むためだ。

最終目標は、脱炭素社会。バイオ炭を使用し減農薬や化学肥料を極力使わないなど、体にいい食品を生産者と共にテストしていく。それが、農業生産者全体に広がっていくことを目指している。

「プラスチックの使用量も減らしています。ミールキットは、フードロス削減に効果がありますが、それぞれの野菜を個別にパッケージする必要があります。バイオマス配合の資材にしたり、薄くして使用量を減らしたり、余白を減らすなど、品質を確保しながら環境にも配慮しています。」(東海林さん)

ミールキットは、加工されて消費者に届けられるため、その加工工程で多少ロスが出ます。そういったロスも解消できるよう、フードレスキューセンターを稼働させている。食材の食感・保存のコントロール技術を用いて、産地や加工工程でのフードロス削減、アップサイクル加工を行うセンターだ。規格外品もフードレスキューセンターで選別することで、生産者の負担も減らしていきたいという。川上だけでなく、川中も含めたレスキューセンターだ。

川上から川下まで、すべてにダイレクトに接しているため、取り組みに対して、誰もが直接感じることができるのが、オイシックス・ラ・大地の強みになっていると改めて感じた。生産者の顔が見える食材が自宅に届くことで、信頼感もある。生産者、消費者が共に取り組むことで、2025年のフードロス1000トン削減目標は達成されると期待している。

東海林園子さん プロフィール
2006年らでぃっしゅぼーや株式会社にマーチャンダイザーとして入社。 らでぃっしゅぼーやのミールキット「10分Kit」や、世界各地の料理を自宅で楽しめる「おうちで旅気分」などの立ち上げを行う。2018年オイシックス・ラ・大地との合併後、2019年よりらでぃっしゅぼーや商品本部。2021年1月よりオイシック・ラ・大地 グリーンプロジェクトのリーダーに着任。 フードロスへの課題解決として規格外野菜の販売提案や、アップサイクル事業の立上げ商品開発を実施。2022年5月より執行役員に就任。

取材・文/林ゆり


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