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論理的に考えて行き詰まった時に必要な「迷いは右脳で断ち切る」という覚悟

2023.02.08

自分の考えた商品や事業が世に出て、お金を出して買ってもらえる。商品開発の仕事には多くのやりがいがあると思いますが、せっかく一生懸命考えても、一向に売れない商品やサービスも数限りなくあります。そんな時の企画担当者は、ホントにつらいものです。

お菓子メーカーの「江崎グリコ株式会社」で21年、そして「株式会社バンダイ」で16年、新商品企画及び新規事業開発の仕事に携わってきた山崎進一氏は「商品開発、企画開発」には実はコツみたいなものがあって、そのポイントをうまく押さえられているかどうかが、成功するかしないかに大きく影響してくるのではと、だんだんとシンプルに考えられるようになってきたといいます。

たくさんの商品を世に送り出し、時にはヒットに恵まれ、時には鳴かず飛ばずの苦汁を舐め、またそれぞれの会社の先輩や仲間からとっても多くのことを学んだ山崎氏の著書開発マンの上司は消費者である!商品開発のツボ30+αから若いマーケッター、商品企画担当者に伝えたい、企画開発のコツを一部抜粋・再構成してお届けします。

開発マンの上司は消費者である!
商品開発のツボ30+α
山崎進一
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商品開発のツボ(24)「迷いは右脳で断ち切る」

 グリコに入って間もない頃、先輩社員が「まず、いろいろ本を読んだ方がいい」と教えてくれました。私は本を読むのが苦手で、今でも文字ばかりの本は眠くなってしまう「マガジン派」なのですが、その先輩は「初めに目次を暗記するくらい読めば、全体が早く読めるし、内容の理解が数倍違う」と言うのです。私は半信半疑で、実際に何冊かの本で、試しました。確かに本文を読む前に目次を暗記するくらい目を通したら、内容の理解度は目を見張るものがありました。しかし、その最初の暗記も苦手な私は長続きせず、今でも文字の多い本は苦手なのですが……(苦笑)

 さて、企画を進めていくと、いくつかの関門が出てきますよね。企画決定会議、開発会議、販売決定会議等……。

 企画担当者は、そういった重要な会議で、プレゼンすることも多々あると思います。新商品である以上、売れるかどうかが必ず議論の中心になりますし、会議に出席している関係者を上手なプレゼンで説得することは重要な仕事です。

 そんな時、この目次術が活きるのです。

 企画のプレゼンの際、冒頭に「今から話すことはこの5つです」というように、目次を最初に説明すると、うまくプレゼンが進みます。また何より、自分の頭が整理されますし、説明もしやすくなるものです。ぜひ、今日から「ちょっとしたプレゼン」の際は「今からこういう順番で話す」とか「こういうポイントを私は説明する」と初めに目次を話すよう心掛けてみてください。あなたのプレゼンが見違えるほど良くなりますよ。

 商品開発の仕事は、一見華やかで、メーカーであれば、花形的な仕事とも言えます。がしかし、花形であればあるほど、まわりのハードルは高くなるものです。

 自分が考え、企画書を作り、各種の調査データを用意し、いざプレゼンという時、社長がOKしてくれれば一発で決まることもありますが、大抵はそう簡単にいかないものです。会社が新商品として売っていく以上は、いろいろなリスクを考える必要があるのです。製造側の責任者は生産工場のことを考え、営業部長はどうやって売っていくかを検討し、経理関係者はこの商品の利益回収計画はどうなっているかを考える等、ありとあらゆる方向から「チェック」が入ってきます。これは至極当然です。自分のお金でなく、会社のお金で勝負する訳ですから、皆ホンキで考えて意見してくれるのです。

 時には製造側と販売側で意見が真っ二つに分かれたり、広告の手法で各部の意見がまとまらない等、私も何度となくそういった経験をしてきました。プロジェクトの中心にいる商品開発担当者は、そんな「貴重な意見」の1つ1つに丁寧に答え、皆をヤル気にさせ、ベクトル合わせをする役割も担っているのです。

 ただ若い担当者にとっては、意見を言ってくれる方々は、大抵自分よりずっと経験も年齢も上というケースが多く、簡単には論破できません。うまく説明できずに、無理やり理屈をこねまわしても、相手は百戦錬磨です。更に難しい質問を招き、窮地に陥ることがあります。これを私は「左脳のデフレスパイラルに陥る」と呼んでいます。頭で考えた人の意見に対し、無理に頭で論理的に答えようとするあまり、もっと論理的に言いくるめられてしまうという訳です。

 そして、会議は空転し、結論が出ない……。論理が邪魔をすることがあるものです。

 そんな時どうします?

 時に開き直って、ケンカするのもいいでしょう。正しいと思うことは担当者である以上、どんどん言っていいのです。しかし、進まなければもっと困ります。プロジェクトを止められたら大変です。しかも進めたいがために、声の大きな人の顔色を窺って企画を変える訳にもいきません。(実はよくある話ですが……(T_T) どうします?

 最も大切な本質は、お客様がどう言うか、どう思うかです。いくら会社の都合を各セクションの偉いサンが言っても、その商品が売れなければ元も子もありません。

 会社の誰の意見よりも強くて、決定力のある発言は「お客様の意見」なのです。ですから開発担当者は、左脳ばかり使うのではなく、時に右脳を全開にし、お客様の言葉で応戦すべきです。自分自身が迷った時も同じです。右脳でお客様の立場になってください。極端に言えば、そこに論理は要りません。なぜならお客様自身は、いつもいつも論理的ではないからです。感覚で買ったり、好き嫌いで買ったり、勢いで買ったりしているからです。(もちろん論理的に買っている時もありますが……)

 ですから、論理一辺倒で、迷い道に入り込まないようにしましょう。

「いろいろなご意見があるとは思いますが、お客様はこう言っていますので、こうすべきです!」と言い切りましょう。

 右脳でピンチを切り抜けてください。

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<著者プロフィール>
山崎進一
昭和57年、明治大学商学部卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。「アーモンドクラッシュポッキー」「お土産ジャイアントシリーズ」「タイムスリップグリコ」等のヒット商品を開発。平成
15年、株式会社バンダイに転職。「ガンダムカフェ」の立ち上げ、「ベルばらの本格化粧品」の発売やキャラクター菓子の売上に貢献。令和元年、定年退職し、経営コンサルティング会社【企
画のびっくり箱 Y-BOX】を設立。またプライベートでは趣味のアウトドアの知識を活かして「おもしろ理科クラブ」を主宰。
また「ビートルズ研究家」としても有名。持論は、「仕事は楽しく、遊びは真剣に!」
Y-BOXホームページ https://www.y-box.tokyo

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