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商品開発担当者に必要なのは「ネタの仕込み」にこだわる執念

2023.01.05

自分の考えた商品や事業が世に出て、お金を出して買ってもらえる。商品開発の仕事には多くのやりがいがあると思いますが、せっかく一生懸命考えても、一向に売れない商品やサービスも数限りなくあります。そんな時の企画担当者は、ホントにつらいものです。

お菓子メーカーの「江崎グリコ株式会社」で21年、そして「株式会社バンダイ」で16年、新商品企画及び新規事業開発の仕事に携わってきた山崎進一氏は「商品開発、企画開発」には実はコツみたいなものがあって、そのポイントをうまく押さえられているかどうかが、成功するかしないかに大きく影響してくるのではと、だんだんとシンプルに考えられるようになってきたといいます。

たくさんの商品を世に送り出し、時にはヒットに恵まれ、時には鳴かず飛ばずの苦汁を舐め、またそれぞれの会社の先輩や仲間からとっても多くのことを学んだ山崎氏の著書開発マンの上司は消費者である!商品開発のツボ30+αから若いマーケッター、商品企画担当者に伝えたい、企画開発のコツを一部抜粋・再構成してお届けします。

開発マンの上司は消費者である!
商品開発のツボ30+α
山崎進一
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商品開発のツボ(16)「ひとネタ仕込め」

 グリコ時代に、CDをおまけにした食玩を創ったことがあります。大ヒットした「タイムスリップグリコ」のシリーズとして、昔の歌謡曲のシングルレコードを小さくミニチュア化した形状の青春のメロディーCDを作ったのです。この商品は担当者と私、それに一緒に企画協力してくれた社外スタッフも「こだわり抜いた」商品でした。

 この企画は外部のブレーンから持ち込まれた「CDのおまけ化」というユニークなアイデアからスタートしました。私はレコード世代でしたから、「これは面白い!」といつものノリで即、企画化を決定。連日の楽しいアイデア会議が始まりました。

 担当者も無類の音楽好きでしたし、何より持ち込んできた外部スタッフは音楽ビジネスのプロでしたので、次々とユニークなアイデアが出されました。

 レコードのジャケットも再現しよう! レコード会社のレーベルも再現しよう! もちろん歌詞カードも当時のままに……と、こだわりの極地でした。

 しかし、実際にそれぞれのデザインや歌手、レコード会社等に許可をもらいに行くと、様々な問題が起きてきました。

 まず、大物歌手の所属レコード会社にお願いに行くと、決まって答えはNO、お菓子のおまけなんかに、うちの大物歌手を使ってもらったら困るという訳です。

 それでも中には面白がって賛同してくれる歌手やレコード会社もありましたので、とにかく許可をもらったところからどんどん企画を進行させようということになりました。(第1弾が売れたので、第2弾では、初めに断られた歌手からも、結局OKをもらえました!)

 また、商品のパッケージでレコードのジャケットを多数見せるデザインにしたのですが、その順番や並び具合もいろいろ「指導」が入り、何度もデザインを作り直したりもしました。その他にも、権利の関係で使えないデザインや写真等々……。

 担当者とそのスタッフにとっては、膨大で果てしなく時間がかかる作業が連日続きましたので、その苦労は計り知れないものがありました。

 しかしながら、そんな商品でしたので、逆に我々スタッフのこだわりも強く、細部への執着もさることながら、同じ楽曲で違う歌手のレアバージョンやデザイン違いのジャケットを用意したり、敢えてB面のマイナーな曲を探してきたり、挙句の果てには、私はこの曲が好きだからとか、このアーティストのファンだからといった個人的趣味まで飛び出して、ホントに楽しく企画が決まっていきました。

 果たして結果は、期待以上の売り上げを記録し、商品は音楽好き、食玩マニアを中心に売れ、いろいろなテレビや雑誌で取り上げられ、我々がこだわった部分に気付いたお客様の声が様々な方面から寄せられ、「こだわった甲斐があった」と一同で喜びを分かちあいました。その後、第2弾、第3弾「グループサウンズ編」と系列商品の企画が拡がっていったのは、言うまでもありません。

 最近は、機能的なだけの驚きのない商品が増えているように思えてなりません。流通を中心にPB(プライベートブランド)化の波が押し寄せ、似たような商品が市場に溢れ、価格競争が起きています。メーカー側も企画にこだわることで、コストが上がるのを恐れているようにも思えます。

 しかし、商品開発の担当者である以上、上司に「そこまでこだわるな!」と止められるくらいの執念とネタを仕込んでこそ、ホンモノです。

 お客様をニヤッとさせたり、おっそう来たか? と思わせたら勝ちです。

 ぜひ、こだわりの感性で商品にひとネタ仕込んでください。きっと、わかってくれるお客様がいます!

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<著者プロフィール>
山崎進一
昭和57年、明治大学商学部卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。「アーモンドクラッシュポッキー」「お土産ジャイアントシリーズ」「タイムスリップグリコ」等のヒット商品を開発。平成
15年、株式会社バンダイに転職。「ガンダムカフェ」の立ち上げ、「ベルばらの本格化粧品」の発売やキャラクター菓子の売上に貢献。令和元年、定年退職し、経営コンサルティング会社【企
画のびっくり箱 Y-BOX】を設立。またプライベートでは趣味のアウトドアの知識を活かして「おもしろ理科クラブ」を主宰。
また「ビートルズ研究家」としても有名。持論は、「仕事は楽しく、遊びは真剣に!」
Y-BOXホームページ https://www.y-box.tokyo

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