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ロボットインテグレーターとして存在感を増すソフトバンクロボティクスの狙い

2022.11.23

 ロボットの導入を検討している事業者、ロボットを開発するメーカーなどに総合的なサービスを展開するロボットインテグレーター。ソフトバンクロボティクスはこのロボットインテグレーターに、これから本格的に乗り出すことを表明した。

 同社は人型ロボットのPepperをはじめ清掃ロボット、配膳・運搬ロボット事業といったサービス分野におけるロボット導入を推進。この9月に物流自動化事業にも進出した。業務用屋内サービスロボットの導入推進や運用では世界トップといってもいいほどの実績を残している。

 ロボットを開発し販売する同社がロボットのインテグレーション事業に乗り出すのはなぜか? そして事業の詳細はいかなるものなのか?

新事業は3レイヤー構成

 ロボットインテグレーター事業の展開は、同社の顧客から実際に聞かれた次のような声が元になっている。

●1つの施設に複数メーカーのロボットが稼働しているので統一して管理してほしい

●ロボット、センサー、システムを統合し、業務を最適化してほしい

●3年後は別のメーカーのロボットになるかもしれない。そのときの最適なロボットで支援してほしい

 最適なロボットと他のシステムを組み合わせ、ベストなロボットトランスフォーメーション(RX)を提供する存在が求められている。これまでのロボットビジネスから、同社はロボットインテグレーションの必要性を実感することとなった。

 ロボットインテグレーター事業は[開発・量産・保守サポート][データプラットフォーム][コンサルティング&アウトソーシング]の3レイヤーで構成される。[開発・量産・保守サポート]は各業界に必要なロボットを発掘し、企業の業務に必要なレベルまでレベルアップする。[データプラットフォーム]は集まったロボットを統合する基盤。[コンサルティング&アウトソーシング]はRXをロボット導入事業者に提供する。ここで言うロボット導入事業者はファシリティマネジメントや飲食、物流といった物理的なサービス業界を指し、このようなところでロボット、センサー、人を業務に合わせて統合することを実現しようとしている。

ロボットインテグレーション事業の構成

 ロボットインテグレーションによる新事業も発表。同社の子会社であるロボット清掃会社のSmartBX(スマートビーエックス)で、2023年1月からオンデマンド清掃支援サービスを開始する予定であることがアナウンスされた。

 オンデマンド清掃サービスとは施設内のあちこちにセンサーを設置することで一定の利用者数に達したときや、読み取られたQRコードを通じて「清掃してほしい」といったリクエストが届いたときに清掃をするというもの。1日3回といった決まった仕様で動くのが一般的な清掃を、一定の利用者数に達したときや要望が入った時点で清掃に着手するように変えるので、清掃コストの削減やクレームの減少につなげることができるようになる。

固定仕様の清掃から清掃ロボット、センサー、QRコードを使ったオンデマンド清掃に切り替えることで、清掃コストの削減とクレームの減少が可能になる

 各所に設置したセンサーで膨大なデータが収集できることから、清掃仕様を現状に合わせて最適なものにアップデートすることも可能。最適化された清掃仕様をいっせいに適用できるようになるので、施設管理会社はより大きな清掃コスト削減効果を得ることができるようになる。

ロボット開発企業にノウハウを提供

 同社が持つロボット開発・製造に関するノウハウを、ロボット開発企業に提供する『ロボットサポートサービス』を事業化していることも明かされた。企画、設計、製造・量産だけではなく、物流・配送、カスタマーサポート・カスタマーサクセス、保守・修理、品質管理に関してもノウハウを提供。国内/国外問わず、様々なロボット開発企業に協力していくという。

 ロボットは販売後のアフターサービスが難しい。予期せぬ使い方による故障、故障原因の解析に特殊なツールが必要、センサーが多く搭載され誤検知が起きやすい……等々が起こる。加えて、高品質も求められる。同社はこうした経験に直面し、その都度乗り越えてきた。

『ロボットサポートサービス』のアフターサービスでは、出荷前検査の代行、受入検査、キッティングも対応可能。倉庫が国内9拠点、導入支援チームが同7拠点、コールセンターが同4拠点と整備されている。修理やリファービッシュ(新品に準じた状態にする整備)も可能で、発生した問題を分析し改善をサポートするサービス、改善されたロボットの動作テスト支援も対応。客先で発生したロボットのトラブルについても、全国に75拠点あるフィールドサポートのスタッフが現場に駆けつけて修理対応することができ、導入先での定期メンテナンスにも応じることができる。

『ロボットサポートサービス』を受けている企業の代表として、従業員60名ほどのスタートアップ、テレイグジスタンスが紹介された。

 同社は『TX SCARA』というロボットを開発し、ファミリーマートで飲料の陳列作業を自動化する試みに取り組んでいるところ。8月から導入を開始し、現在20店舗ほどで『TX SCARA』が稼働している。導入店舗では在庫を切らすことなく飲料補充を自動的に行なえるようになっている。

 2026年までに全店舗での導入を完了する計画だが、これから3年あまりで5万台のロボットが必要になる。しかし、リソースが不足。工場をつくり部材を調達しつつ3年で5万台を製造することは、同社には荷が重すぎた。

 そこで『ロボットサポートサービス』を受けることに。量産に関して支援を得ることにした。サポートについても検討の余地があるところで、同社が行なうか、あるいはソフトバンクロボティクスと共同で行なうかについて協議していく。

ロボットが最適なタイミングで必要な行動を取る

 今回のロボットインテグレーション事業参入に当たり、配膳ロボットのラインナップ拡充も決定した。これまで大型、小型の2機種を展開してきたが、これを機に新たに中型、超小型の2機種がプラスされ全4機種で展開することになる。これにより、より施設に適した配膳ロボットを提案できる態勢ができた。

配膳ロボ4機種。左から超小型の『T8』(新機種)、中型オールラウンダーの『Delivery X1』(同)、大量の配膳・下膳に適した大型の『Keenbot(キーンボット)』、小回りがきく小型の『SERVI(サーヴィ)』

 配膳ロボットについては、座席管理システムやPOSシステムと連携することでさらなる最適化が可能になる。現在、NECプラットフォームズとともに、配膳ロボットとテーブルオーダータブレットを連携させる仕組みを開発中。配膳ロボットがテーブルまで料理を運んできたら、テーブルにあるタブレットにオーダーした料理がロボットのどこにあるかの指示が出されると同時に、料理についての解説なども表示されるといった具合だ。

配膳ロボットと他システムの連動

NECプラットフォームズと開発中の、配膳ロボットとテーブルオーダータブレットを連携させる仕組み

 現段階ではどのようなことが実現できるのか? 同社は現在、ラーメン自販機『Yo-Kai Express(ヨーカイエクスプレス)』と一緒に事業を進めているが、自販機とロボットを連携させ、オーダー先までラーメンを配膳する例を見てみよう。

一風堂とコラボした『Yo-Kai Express』とPepper

 スマートフォンからオーダーすると、クラウド経由で『Yo-Kai Express』とPepperがオーダーを受け取る。すると、Pepperが喋り始め、『Yo-Kai Express』がラーメンの調理に取り掛かる。ラーメンが出来上がる頃を見計らって、配膳ロボットの『Servi』が『Yo-Kai Express』のところまで移動。出来上がったラーメンを載せてもらったら、注文者のところまで届けに移動することができる。今回はデモにつき人間が『Servi』にラーメンを載せたが、実際にはロボットアームで載せる形になる。

スマートフォンを使い席から注文

調理が終わったラーメンが『Yo-Kai Express』が出てくるところ

調理が終わる頃を見計らって『Yo-Kai Express』の前までやって来た『SERVI』に、できたラーメンを載せる。このあと、配膳のため注文主のところに向かう。

注文主のところにラーメンを届けに来た『SERVI』

 デモ会場は通路に十分なスペースをとり『Servi』がスムーズかつ安全委に動けるようになっているが、実際の飲食店では人とすれ違ったりすることが考えられる。配膳ロボットがつねに、スムーズに動けるとは限らない。

 しかし、『Yo-Kai Express』や配膳ロボットはクラウド経由で、誰がいつ来店し、何を注文したかというデータに連動。そのため、それぞれが最適なタイミングで必要な行動を取る。複数台の配膳ロボットが同時に動いてススムーズかつ安全に配膳したりすることができる。

配膳ロボット同士のすれ違いも可能

人間もきちんと避ける

ロボットシステム間の連動イメージ

 同社は『Yo-Kai Express』を技術面からサポートするだけではなく、あらゆるチャネルを通じて届けたり、レストランブランドと『Yo-Kai Express』のコラボを推進したりするほか、クラウドと連携して収集したデータを基に在庫やオペレーション、価格の最適化を図りたい考え。コラボについては、第一弾として一風堂と行なうことを決定。この後にも、『宅麺.com』を展開するグルメイノベーションのサポートを得ながら有名ラーメン店とのコラボを実現していく予定だという。

関連URL
https://www.softbankrobotics.com/jp/

取材・文/大沢裕司


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