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企画の仕事は即行動することから!仕事が終わって寝るまでの時間が商品開発担当者にとってのゴールデンタイム

2022.11.22

自分の考えた商品や事業が世に出て、お金を出して買ってもらえる。商品開発の仕事には多くのやりがいがあると思いますが、せっかく一生懸命考えても、一向に売れない商品やサービスも数限りなくあります。そんな時の企画担当者は、ホントにつらいものです。

お菓子メーカーの「江崎グリコ株式会社」で21年、そして「株式会社バンダイ」で16年、新商品企画及び新規事業開発の仕事に携わってきた山崎進一氏は「商品開発、企画開発」には実はコツみたいなものがあって、そのポイントをうまく押さえられているかどうかが、成功するかしないかに大きく影響してくるのではと、だんだんとシンプルに考えられるようになってきたといいます。

たくさんの商品を世に送り出し、時にはヒットに恵まれ、時には鳴かず飛ばずの苦汁を舐め、またそれぞれの会社の先輩や仲間からとっても多くのことを学んだ山崎氏の著書開発マンの上司は消費者である!商品開発のツボ30+αから若いマーケッター、商品企画担当者に伝えたい、企画開発のコツを一部抜粋・再構成してお届けします。

開発マンの上司は消費者である!
商品開発のツボ30+α
山崎進一
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商品開発のツボ(2)「5時から充電」

 この「5時から充電」というコピーで「5時から男」というCMを思い浮かべた人は多分50代以上の方でしょうか? そう、とある商品のCMで有名なコピーですが、この「5時から男」、私は大好きです。もちろん5時までも、仕事をしっかりした上での話ですが(笑)

 会社が5時または5時半に終わってから寝るまでの間、皆さんどう過ごしていますか? 自己研鑽として英会話教室に通ったり、スポーツジムで汗を流したりされている方もいることでしょう。もし毎日まっすぐ家に帰って、ご飯を食べて、テレビを観て、寝るだけでしたら、開発マンとしては失格です。また、最近は自宅でのWeb業務が増えたことで、一日中、家に閉じこもっている方も多いと思いますが、面倒がって外に出ないような日々を送っているのであれば、今すぐ開発マンを辞めるか、自身の行動を見直しましょう!(笑)

 なぜなら会社(仕事)が終わってから、寝るまでの間で如何に「新しいコト」を仕入れられるか、「新しいヒト」に巡り合って人脈を拡げられるかで、その後の開発人生は大きく変わってくるからです。

 できれば、社外の人に会ったり、社外のサークルに参加したりすることが良いでしょう。流行の「異業種交流会」もいいと思います。「異業種交流会」の効用については、後の項で触れますが、社外の人はできるだけ自分と直接仕事上のつながりがない人の方が面白いと思います。仕事の得意先だと、当然気も使いますし、仕事が終わった後に、仕事の話をトクトクとされても疲れますよね。その点、直接利害関係がない社外の人であれば、本音トークができますし、ハッキリ自分の悪いところも指摘してくれたり、無邪気に賛成してくれたりします。ここが大切です。

 素直な気持ちで自己修正をできる場が必要なのです。よく会社の親しい同僚や上司とだけ毎日のように飲みに行く人がいますが、それはどうかと思います。私も現役時代会社の人と飲みにも行きましたが、その範囲だけでは、新しい発想など生まれる筈がありません。絶対に週に数日は会社と関係のない場と時間を持ちましょう!

 私は「飲み会はアイデア会議」だと思っています。信頼できる人にこっそり自分の考えていることを相談したり、もっと面白いアイデアをもらったり。

 私の経験では、仕事抜きでありながらも、いい付き合いをしていれば、その方とひょんなことから、偶然仕事をすることになったり、自分の仕事の手助けをしてもらえることになったりもします。飲みに行くことは、飲めない人にとってはちょっとつらいかもしれませんので、食事会でもいいですし、趣味のサークルでもいいと思います。

 ここで、飲み会で出た「思いつき」が大ヒットとなった例を1つ紹介します。私が江崎グリコで、「ジャイアントポッキー」や「ジャイアントプリッツ」というお菓子を担当していた時の話です。「ジャイアントシリーズ」という商品群は、当時雑貨店やおもちゃ店等の特殊な売り場の商品として発売され、当初は大いに話題になりましたが、私が前任の担当者から引き継いだ時は、売り上げも落ちてきており、このシリーズをどう活性化させるかが、大きなテーマでした。

 そんな時、ある飲み会でふと私が思いついたのが、「ジャイアントポッキーを地方土産にする」というアイデアでした。各地の特産品を原料に使って、その地域だけの限定で「お土産商品」として売ったら、売れるのでは? と思ったのです。

 シリーズ名は「お国自慢ジャイアント」にしようとまで決めていました。(但し、これは後でダサイとのことでボツになりましたが(笑))普通であれば、「飲んだ席の酔っ払いの単なる思いつき」となるところでしょうが、私は飲んでいようがいまいが、自分が「いいね!」と思ったら、とにかく前に進めたくなる性質ですので、すぐ翌日に企画書を作成しました。

 ポッキー、プリッツ、おまけ付きグリコ(キャラメル)、アーモンドチョコレート等の商品を、①北海道夕張メロンポッキー ②博多明太子プリッツ ③みちのくこけしグリコ ④信州スノーホワイトアーモンドチョコレート……といった具合に発展・進化させようというものです。まずは、最も売り上げの大きいポッキーでスタートしようと考えました。また観光地として一番人気で年間観光客が多い場所が北海道でしたので、エリアは北海道に決め、あとは味作りです。およそ北海道の名産品といわれるものは全て、研究開発のメンバーとともに試作をしました。夕張メロンにハスカップ、ウニ、しゃけ、ホタテ、毛ガニに至るまで……。そんな試作品の中でチョコレートとの相性が最も良かったのが夕張メロンでしたので、第1弾は北海道限定の夕張メロン味のジャイアントポッキーに決定しました。

 そしてその時初めて夕張メロンについて調べたところ、夕張メロンの果汁は「夕張市農業協同組合」でしっかりと管理がされており、勝手に夕張メロンの果汁を使うことはできず、名前すらも使えないことがわかったのです。そこで私は飛び込みで、「グリコですが、夕張メロンの果汁を少し分けて欲しい」と夕張農協に電話しました。すると返ってきた答えは「グリコさんのようなナショナルブランドメーカーに果汁を分けると、地場産業を脅かす可能性があるからダメ!」とのことでした。がっかりでした。でもここで諦めたら、全てこの企画が終わってしまいますので、とにかく先方に「一度会うだけでいいので行かせてください」と頼み込んで、一人で北海道の夕張農協に行ったのです。

 そこで、改めて先方の担当部長に、この商品の面白さと、地場商品とは決して競合しない全く違うタイプの商品であること等、トクトクと説明させてもらいました。そうして熱意を持って話しているうちに、先方にも「うん、これは面白そうだね」と言っていただけるようになり、なんと特別に果汁を分けてもらえることになりました。当時、大手の菓子メーカーが地方のお土産商品を作るなんてことは、全く誰もやっていなかったので、私は発売さえできたら、間違いなく話題になると確信していました。そのため果汁の許可が下りた時は、飛び上がらんばかりに喜んだものでした。予想通り、「夕張メロンジャイアントポッキー」は話題のヒット商品となり、その後グリコでは、明太子プリッツや信州りんごプリッツ等を続々と発売、他社に先駆けて、大きな市場を創りました。でも翌年以降はライバルの大手菓子メーカーが次々と考え方をマネして、あっという間に市場が拡がり、今では、どこの空港、お土産売店でも、大手メーカーのお土産商品が並んでいますね。

 余談ですが、この商品のヒットで、私は系列品の商品開発で地方の出張に行き放題! とほくそえんだのですが、その密かな野望はすぐに会社に見破られ、担当替えになってしまいました(泣笑)

 電話やメールで用件を伝えるだけ、Web会議の打ち合わせだけではダメです。この時私は、自分から出向いて熱意を持って先方にぶつかることが本当に大切だなぁと、つくづく思いました。「企画即行動」なのです!

 開発を進めているといろいろな迷いが生じますし、いろいろな人が様々なことを言います。そこで迷わず、自分が最初に持った熱い思いで行動してください。諦めたら後悔します。きっとわかってくれる人がいる筈です。まずは行動です!

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<著者プロフィール>
山崎進一
昭和57年、明治大学商学部卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。「アーモンドクラッシュポッキー」「お土産ジャイアントシリーズ」「タイムスリップグリコ」等のヒット商品を開発。平成
15年、株式会社バンダイに転職。「ガンダムカフェ」の立ち上げ、「ベルばらの本格化粧品」の発売やキャラクター菓子の売上に貢献。令和元年、定年退職し、経営コンサルティング会社【企
画のびっくり箱 Y-BOX】を設立。またプライベートでは趣味のアウトドアの知識を活かして「おもしろ理科クラブ」を主宰。
また「ビートルズ研究家」としても有名。持論は、「仕事は楽しく、遊びは真剣に!」
Y-BOXホームページ https://www.y-box.tokyo


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