三井物産と三井不動産は、オフィスや商業施設、多目的ホール、ホテルなどを備えた大手町駅直結の「Otemachi One」に、エリア最大級の緑地空間「Otemachi One Garden」を2022年12月16日(金)にオープンすると発表した。
「Otemachi One Garden」は、日本を代表するオフィスエリアである大手町に位置し、かつ皇居が目の前という場所に誕生。皇居の広大な緑との連続性により、大手町における緑のネットワーク形成と豊かな緑地空間を創出する。
なお「Otemachi One Garden」のオープンをもって、三井物産と三井不動産による複合開発「Otemachi One」は完成を迎えることとなる。
都心に新たな緑地空間を創出する「Otemachi One Garden」の概略
「Otemachi One Garden」には7つのゾーンがあり、都市の喧噪から身体と心を解放させてくれるリラックス空間が待っている。
季節の移り変わりを身近に感じながら食事をしたり、木陰でビジネスミーティングをしたり、芝生広場でイベントを楽しんだりと、訪れる人々に様々な価値を提供していく。
オフィスワーカーなどの来街者にとってはより豊かでイノベーティブな時間を過ごす場となり、地域にとってはクールスポットの形成等の環境負荷低減効果を生むサステナブルな緑地空間となる。
その他にもグリーンインフラとしての活用や生物多様性への配慮、帰宅困難者のための防災機能など、さまざまな特徴を持っている。
1. 環境負荷軽減への貢献
約6,000㎡の大規模な緑地空間は、地表面の温度上昇を抑制するクールスポットを形成する。また、群植する中・高木約300本、低木約6,600本によるカーボンニュートラルへの貢献が期待される。
木材にはそれ自身にCO2を蓄えて大気中に排出しない「炭素を固定する」効果があり、「Otemachi One Garden」の樹木本数および規格から、CO2固定量を年間11トンと試算されている。
2. 生物多様性への配慮
皇居の植生や地域の潜在植生に配慮しながら、シラカシやイロハモミジなどを用いた緑と水辺の空間を創出。高木種、低木種及び草本類が組み合わさった多階層な森は、皇居に生息する鳥や昆虫など多様な生物の生育環境の拡大に寄与していく。
内堀通り側には緩やかな起伏を配置し、その上部に常緑広葉樹を中心とした豊かな緑を設けることによって、皇居の植生との連続性にも配慮した。また水辺には、皇居周辺に生息する昆虫や水鳥などの生息域拡充に寄与する水生動物が生息できる場を設けている。
3. 環境学習の場の提供
大手町において整備される緑地を拠点に行われる「エコ体験ツアー」の環境教育イベント等を年間通して開催予定であり、大手町・丸の内・有楽町エリアにおける環境意識の向上に寄与していく。
4. グリーンインフラとしての活用
「Otemachi One Garden」は、三井物産と三井不動産が会員である「大手町・丸の内・有楽町地区 まちづくり協議会」にて策定された「大手町・丸の内・有楽町地区グリーンインフラ推進基本方針」の中で、グリーンインフラとして位置づけられている。
グリーンインフラとは、ハード・ソフト両面において自然環境の多様な機能を活用する取り組みで、持続的で柔軟なまちづくりに向けて各地で積極的に導入が進められているものだ。
特に、開発に伴い人々の憩いの場の拡充が求められる大手町エリアでは、「多様な空間を提供」「五感で感じる場を提供」「地区連携や新たな参画を創出」「社会とともに熟成」といった観点でグリーンインフラを活用することで、より快適で創造性にあふれる都市空間の創出が期待される。
5. 防災機能の拡充
「Otemachi One」では、東京都帰宅困難者対策条例に基づく災害時の帰宅困難者のための「一時滞在施設」としてオフィスの1階ロビー部分やホール、ホテルなど最大約4,000㎡(約2,400人収容)を既に確保しているが、さらに「Otemachi One Garden」を活用することで、安全な滞留空間として機能する約3,000㎡の一時滞留スペースが確保される。
また、防災井戸の整備と浄化施設の併設などにより、災害時の飲料水供給も可能だ。
関連情報:https://otemachi-one.com/otemachi-one-garden/
構成/Ara