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安定感?上質感?乗ってわかったフィアット「500e」の魅力

2022.11.15

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 フィアット初のEV(電気自動車)「500e」に乗った。エンジン車の「500」は日本でも人気で、街でもよく見かける。500eはそのEV版と簡単に呼べそうもない新型だった。ボディサイズは少しずつ大きくなっているし、よく見ると、ディテールもあちこち少しづつ違っている。

 偶然にも、試乗中にパーキングエリアで撮影しているとエンジン車に乗った熱心なファンが隣に停めてツーショット撮影を申し込まれた。彼は「500e」の発表を知っていて、「こんなに早く実物と対面できるとは思っていませんでした」と驚いていた。

 しかし「500」からの最も大きな進化は、運転支援機能の標準装備だ。衝突被害軽減ブレーキ、レーンデパーチャーワーニング、リアパーキングカメラ、オートマチックハイビームなどに加えて、アクティブブラインドスポットアシスト、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(レーンキーピングアシスト)なども標準で装備している。「500」の基本設計が10年以上も前のものだったので、運転支援機能がほとんど装備されていなかったのだ。他のクルマから大幅な遅れを取り始めていたところでの「500e」の投入だった。

機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 42kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に配置し、最高出力87kW(118ps)、最大トルク220Nmを発生するモーターで前輪を駆動する。航続可能距離は335km(WLTCモード)。200Vでの普通充電の他、もちろんCHAdeMO急速充電に対応している。

「500e」には3種類の走行モードが備わっている。NORMALはペダルの踏み込みに対する応答性が高く、ナチュラルな感覚で走れる。RANGEは、回生ブレーキの効きが強くなり、アクセルペダルを戻した分だけ強い減速が行なわれる。

 慣れてうまく使えるようになれば、フットブレーキをあまり踏まずに済むようになるので、走りやすくなる。SHERPAは、省エネモードで航続距離を最大化するモードだ。アクセルレスポンスの制御を変えたり、シートヒーターをオフにしたりしてエネルギー消費を抑える。

 運転すると、エンジン車の「500」と走行感覚がまったく違っている。2気筒875ccあるいは4気筒1240ccエンジンを元気よく回すのに対して「500e」は音もなく、モーターの回転も加速も滑らかそのものだ。床下のバッテリーで300kg重くなっていることもあって、エンジン車の軽快感、ヒョコヒョコ感の代わりに、安定感と上質感が備わっている。「500」とは、もはや別物と言っていいだろう。

 メーターパネルなど操作系統のドライバーインターフェイスも一新され、運転支援機能の働き具合も把握しやすく、使いやすい。クルマとして、エンジン車の「500」から完全にひと世代分、進化している。

商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)

 試乗した「500e Open」(税込価格495万円)はスイッチで電動開閉できるキャンバストップを備えている。これが良い。エンジン車のような排気音がないから、屋根を開けて走っても静かなのだ。開けて走ると、エンジン音がないというEVのメリットを明確に感じ取ることができる。ボディーからのかすかな風切り音でさえ、趣きに感じてくる。オープントップはEVと親和性が高い。

 インテリアも魅力的だ。ボディカラーとカラーコーディネイトされていて、グレーやオフホワイトでまとめ上げられている。曲線を用いたインパネの造形も凝っている。“エコレザー”が用いられたシートにも、よく見るとFIATのモノグラムが縫い込まれている。お洒落で可愛い。

 日本のEVにも“可愛い”と評されるものがあるが、それはヘッドライトとフロントフェイスだけのことで、サイドビューや後ろ姿は平凡のままで終わっている。インテリアやシートなどもこれまでのエンジン車のものの流用が明らかだったりして、ちょっと残念なクルマがあった。

 EVに限ったことではないけれども、走行性能だけ追求されたようなクルマの魅力には、おのずと限界がある。カーマニアや走りオタクならば構わないけれども、大多数の人はそうではないのだから、車内で過ごす時間を愉快に、そして豊かにすることが大切になるだろう。これからの時代の電動化や自動化がより進められたクルマだったら、なおさらだ。フィアット「500e」は、EVのひとつの可能性を雄弁に物語っているし、これからの時代のクルマに求められるものを示している。

 評価が★5つではないのは「500e」の販売がサブスクとリースに限られ、それが妥当なのか不当なのか判断が付きかねるからだ。サブスクの「FIAT ECO PLAN」では「500e Pop」(税込車両価格450万円)が5万3900円(ボーナス払い10回11万円)、リースの「パケットFIAT」では、3万4000円(ボーナス払い10回11万円)。トヨタのEV「bZ4X」も同様の取り組みがなされているが、まだ判断材料が少ない段階だ。

■関連情報
https://www.fiat-auto.co.jp/500e/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)


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