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JR西日本が観光列車「WEST EXPRESS 銀河」のオマージュ家具を本気で作った理由

2022.11.13

日本ではすっかりマイナーな存在になってしまった夜行列車。その日の内に帰れてしまう新幹線や航空機、鉄道より安価な夜行バスなどの台頭もあり、現在毎日定期的に走る夜行列車は、東京〜出雲市・高松を結ぶ「サンライズ出雲・瀬戸」号だけになってしまった。

一方で、列車の中で夜を過ごし、朝を迎えるというのは何ものにも変え難い旅情が詰まっている。先述の「サンライズ」のほか、JR3社から、これまでの夜行・寝台列車の旅を大きく、そしてラグジュアリーに進化させた、「クルーズトレイン」と呼ばれる新ジャンルの列車たちも登場。高額な旅行費にも関わらず大人気の列車に成長した。

そんな中、だれもが楽しめるカジュアルな価格帯で、鉄道旅の魅力をぎゅっと詰め込んだ観光列車がJR西日本エリアで活躍している。

濃紺のボディが特徴の観光列車「WEST EXPRESS 銀河」

JR西日本エリアを走行する「WEST EXPRESS 銀河」

それは「WEST EXPRESS 銀河」という列車で、往年のブルートレインを彷彿とさせる濃紺のボディが特徴の観光列車だ。

「銀河」は毎日同じ区間を走っているのではなく、そのシーズンごとに運行される地域が変わるのが大きな特徴。これまでも大阪・京都を起点に出雲市(山陰ルート)、下関(山陽ルート)、新宮(紀南ルート)を結ぶ旅が設定された。

全席指定制で、現在のところ各運行日ごとに設定されている旅行商品を公式サイトから購入することで乗車することができる。ただ、人気が非常に高く、設定日の多くが抽選販売となっているため、乗車するには「運」も必要。運行時間帯もコースごとに異なり、夜行列車として運行するコースのほか、新幹線開業前に都市を結んでいた長距離特急列車のように、日中を長時間かけて走るコースもあり、夜行列車ならではの旅情だけでなく、昼行コースなら車窓を眺めながら列車旅が楽しめる。

2023年3月までは京都〜新宮を走る「紀南ルート」で運行中だ。

施錠も可能なグリーン個室「プレミアルーム」(6号車)

4号車フリースペース「遊星」

車内は長時間の乗車でものびのびとくつろげるためのユニークな工夫が盛りだくさん。施錠も可能なグリーン個室「プレミアルーム」に、ベッド形状にもなる大型シートを備えたグリーン車「ファーストシート」、寝台特急のベッドのような「クシェット」、最もポピュラーなクラスである「リクライニングシート」と、車内設備も多種多様。

さらに、気分転換へ最適なフリースペースも車内の至る所に備えるなど、鉄道ファンの心をがっちり掴んで離さない設備がつまっている。

「銀河」に使用されている車両は117系という国鉄時代に登場した車両で、これを大幅にリノベーションして作られた。デザインを担当したのは鉄道車両や駅舎などのデザインを多く手がける川西康之氏。ちなみに「銀河」は寝台特急ではないので、シャワーや食堂車、本格的な寝具などは用意されていない。

1号車にあるグリーン車「ファーストシート」

「銀河」の中でも最もポピュラーなリクライニングシート(写真は女性席)

そしてこの「WEST EXPRESS 銀河」を運行しているJR西日本が最近、ちょっと面白い。

車内のシートやカーペット、テーブルのイメージした「オマージュ家具」を製造・販売へ

JRといえばだれもが知っている鉄道会社。当然主体となる事業は鉄道事業だが、昨今のコロナ禍は鉄道界にも前代未聞の大ダメージを与えた。そこでJR西日本では鉄道運行で培ったあらゆる技術やノウハウを他分野で活かすオープンイノベーション事業に注力。自社内に限らず、ほかの鉄道事業者や他分野の採用・進出を果たしている。

「銀河」についても、その高いデザイン性を活かして、なんと「銀河」の車内のシートやカーペット、テーブルのイメージした「オマージュ家具」を製造・販売する試みがスタートしている。しかも、その分野に長けた専門業者や販売ルートを頼ることなく製造から販売までの全プロセスをJR西日本グループで行なっているのだからより斬新だ。

この家具類についても、実車同様に川西氏がデザイン監修を行なっている。このオマージュ家具を製造しているのはJR西日本テクノスというグループ会社で、普段は鉄道車両に搭載する機器の製造や改造、修繕などを行なっている会社だ。「銀河」実車の改造にもこの会社が大きく関わっている。

発売が一部開始されている「WEST EXPRESS 銀河」オマージュ家具シリーズ

「これまで鉄道車両の機器製造に関わる技術を活かして、本格的なオーダーメイド家具にも負けない本物を目指した」というオマージュ家具の数々は、随所にこだわりが見られる。

3人掛けの「ソファー」は実車の「プレミアルーム」のソファーをオマージュし、1人掛けのものは「ファーストシート」のシートモケットを使用している。

チタンを使用した「リビングテーブル」は一見、実車内のどこにあるのかわからないかもしれないが、4号車のフリースペース「遊星」に備え付けられているハイカウンターのデザインをオマージュしている。

加えて「クシェット」のベース部に使用した複合パネルも使用されており、実車では決して表からは見えない素材部分をあえて前面に出した攻めたデザインが光る。

ウレタンとポリエステル真綿を複層に重ねて上質な座り心地を実現した1人掛け「ソファー」。1号車のファーストシートをオマージュ

こちらは「プレミアルーム」をオマージュした3人掛けソファーのプロトタイプ。現在進行中のものよりも背もたれの角度がついていた

「銀河」オマージュであることをひっそりと主張。これもデザイン上のこだわりのひとつ

「スツール」はキャットハウスにも使える機構で、実は3人掛けの「ソファー」についても裏面の底部にキャットウォークが備えられている。

これにはちょっとした「ワケ」がある。

今回のオマージュ家具には、「銀河」のシートモケットと同様の本物が使用されているが、鉄道のシート用の「モケット」という素材は、日々多くの利用客の使用に耐え、また座る側の服などに色移りなどがしないといった厳しい耐久性が求められて設計、製造されている。

そのため、「ネコなどの爪のひっかきにも強い」ということが判明したそうで、「ペットがいる家庭でも安心して使える家具、みたいな特色も出してみた」とのこと。「カーペット」については実車に使用されているものがそのまま販売されている。

ねこも楽しい?「スツール」。3人掛けソファーにもキャットウォークがある

ちょっとした用途に最適な「サイドテーブル」

「鉄道コラボ商品というよりは、あくまでも家具としての魅力を追求しました。それぞれご注文をいただいてから製造するオーダーメイドで、シリアルナンバーもつけます。鉄道の座席というとどのような方でもまず安全にご利用いただくことを前提に、快適性や座り心地などを検討していきます。デザインなども車内ですからいろいろな制約もあるのですが、今回は家具ということで、『銀河』をオマージュしつつもリビングなどに置いていただいても違和感のないデザインを自社内で検討しています。現在も試作を繰り返していますが、こだわり抜いた快適性を目指しています」とJR西日本テクノスの開発陣は語る。

「鉄道会社がなぜ家具? と思われるかもしれないが、それがある意味最大の『引き』かもしれません」(笑)

すでに発売中の「クッション」。最も購入しやすい価格の商品でもある

現在オマージュ家具としてラインアップしているのは、ソファー(1人掛け、3人掛け)、リビングテーブル、サイドテーブル、スツール、クッション、カーペット。

このうち、「クッション」と「カーペット」については販売が開始されており、クッションは2万9700円(いずれも税込)から、カーペットは縦500×横500×厚さ10mmサイズを32枚セットで62万7000円。参考として3人掛ソファーの価格は104万5000円程度となる見込みだ。

正直なところ、かなりのハイクラスな価格帯だが、一点ずつ受注生産のオーダーメイド商品であり、高品位の本物のシートモケット使っていることからこの価格帯に落ち着いた。

本業の片手間ではなく、JR西日本が本気で作って本気で売る「WEST EXPRESS 銀河」のオマージュ家具。「クッション」と「カーペット」が販売中、そのほかの家具も2022年度末受注開始を見込んでいる。

購入についての問い合わせはジェイアール京都伊勢丹(TEL:075-352-1111)まで。本物の技術と本物の素材だからこそ実現できる、JR西日本のオーダーメイド家具に注目だ!

取材・文/村上悠太


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