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予備知識がなくてもわかる「Web3」の基本的な考え方

2022.11.21

Web3

Web3とは何か? 暗号資産、NFT、メタバースといったバズワードとの関連は? 伝説のプログラマー、中島聡さんに図や例えを使ってわかりやすく解説してもらった。

教えてくれた人

中島 聡さんエンジニア・起業家・サイエンスライター
中島 聡さん
日本で初めて米国マイクロソフトに転籍したプログラマーで、在職中にWindows 95、同98を設計。現在もシリコンバレーで活躍。エンジニアのための経営学講座を中心としたゼミ形式のメルマガ『週刊 Life is beautiful』を配信中。

Web3

【Web1.0】コンテンツをサービス事業者が提供するサービス
【Web2.0】ユーザー自身が作ったコンテンツをサービス事業者が活用して運営するサービス
【Web3】特定のサービス事業者に依存せず、人手を借りずに自律的に運営されるサービス

Web3がもたらす新しい未来とは?

 バズワードとして、耳にする機会が増えているWeb3。とはいえ、その実態を理解する人はまだ数少ない。そこで、伝説のソフトウェアエンジニアとして知られ、『中学生にも分かるWeb3』などの著書も持つ中島聡さんに、この新技術を解説してもらった。

「Web3は、ブロックチェーンとスマートコントラクトという2つの技術によって始まった、暗号通貨やマイニング、スマートコントラクト、NFTなどの様々な現象や活動の総称です。従来のWeb1.0とWeb2.0と区別するために、Web3と呼ぶことで、ネットの世界を変える一大ムーブメントとして認識されるようになりました」

 その革命的な特徴は、特定の個人や団体の手を借りず、プログラミングでお金の移動が可能になる点だ。

「Web3の技術を使えば、人間の手を借りずにお金の移動が可能なので、より安全に効率良く、お金を移動させることができます。さらに、お金の動きが透明化されるため、金銭的な不正がしづらくなる。私自身が、この技術が一番有効活用できる方法だと思うのが、税金の管理ですね。事前に所定の条件をプログラミングしておけば、特定の個人や団体が操作せずとも自動的にお金が移行されるし、何にいくら使ったかはデータを遡れば一目瞭然なので、使途不明金もなくなる。あと、クリエイターの収益も透明化しますね。従来は自分が作品を生み出しても、その売り上げや著作権利用の収益などがブラックボックス化する問題点もありましたが、この技術を使えば、中間搾取などを防ぎながら、クリエイターの権利を守ることができます」

 新たな技術に興味を抱く人も多い中、一般人はどのようにWeb3と向き合っていけばよいのだろうか。

「正直、Web3によって今すぐ生活が変わることはありません。でも、徐々に社会に何らかの影響をもたらすはずなので、いち早く知識を深めておくのは得策です。後述するPlay2EarnというゲームやNFTアートなどエンタメ系のサービスや商品も多いので、関心を持てるものからトライするのがおすすめですね」

Q.1|Web3とは何ですか?

A|特定の事業者に依存せず、自律的に運営される、ウェブ上の新たなサービス、製品、カルチャーです。

「Web3とはブロックチェーンの発明から始まった様々なサービス、製品、カルチャーの総称です」と語る中島聡さん。左図のように、Web1.0は事業者が一方的に情報提供していた時代、Web2.0はYouTubeやSNSなど事業者が提供するサービスを利用し、ユーザーがコンテンツを作る時代だった。「Web2.0までは、事業者がデータを管理し、利益を得る構図でした。仮にユーザーが投稿した動画が話題になっても、広告主から利益を得て一番得するのは事業者だし、事業主の都合で消されることもある。でも、Web3は特定の事業者に依存しないので、ユーザーのデータが事業者に勝手に利用されても見返りがなかったり、事業者の都合で消されたりすることがありません」

Web3とは何ですか?

「私はWeb2.0ビジネスを人工漁場に例えます。ブロックなどを沈め環境を整え、魚(ユーザー)を捕まえやすいようにする。潤うのは漁場のオーナーのみです」。一方、Web3は魚(ユーザー)が海を自由に泳ぎ回っているイメージだという。

Q.2|Web3で何が変わる?

A|情報やお金の流れが透明化することで、不正行為ができなくなります。

Web3の登場で激変するのが、お金の流れだ。「Web3の技術を使うと、特定の個人や団体が関与せずとも、プログラミングによってデータ上でお金の移動ができるうえ、『そのお金がいつ口座から移動したのか』という情報がパブリックに公開され、誰もがアクセスできるようになります。お金の流れが透明化するため、不正行為が困難になります」

Q.3|なぜ今話題なんですか?

A|ブロックチェーンとスマートコントラクトという新技術が生まれたから。

Web3が現在注目されるのは、ブロックチェーンとスマートコントラクトという2つの技術が誕生したからこそ。「ブロックチェーンの理論は2008年にSatoshi Nakamotoと名乗る人物によって発明されました。この技術は研究者の長年の夢で、ノーベル経済学賞を受賞してもおかしくない大発見です。このブロックチェーンをプログラミングが可能なものに進化させたのが、2010年代中盤に登場したスマートコントラクトという技術。この2つの実用化で、より安全でオープンな取引が可能になりました」

■ 用語解説 → スマートコントラクト

アプリを走らせる仕組みを実現

「2013年、ヴィタリック・ブテリンは暗号通貨『イーサリアム』を発明し、ブロックチェーン上でさまざまなアプリ(スマートコントラクト)を走らせる仕組みを実現しました」。これにより仲介者がいなくても、所定の条件が満たされれば自動的にプログラムとして取引が実行されることが可能に。安全かつ透明性を持って、低コスト、短時間で手続きが完了できる。

スマートコントラクト

スマートコントラクトの概念自体は1990年に提唱されていたが、技術的問題で実現されていなかった。

Q.4|「管理者がいない」状態では危険性があるのでは?

A|運用には膨大な計算資源が必要なので、悪意を持った少数派によるデータ改ざんは不可能。

ブロックチェーンには管理者がいないので、悪用を危惧する人もいるだろう。「不正を防ぐため、Satoshi Nakamotoはあえてブロックチェーンの運用に膨大な計算が必要となるシステムを構築しました。改ざんするには莫大なコストがかかります。1000人いないと担げない巨大なお神輿を想像してください。担ぎ手に悪い人が数名いても、思いどおりの方向にお神輿を動かせません。大人数を雇っても人件費がかかりすぎて採算が合わない。それと同じようなものです」

「管理者がいない」状態では危険性があるのでは?

Q.5|どんなビジネスチャンスが生まれますか?

A|今すぐには活用しづらいけれど、個人でもおもしろいことができる時代に!

Web3は革新的な技術だが、まだまだ発展途上で、一朝一夕に社会が変化することはないと中島さん。「ただ、十数年前はスマホがここまで浸透すると思われていなかったように、今後必須の技術になる可能性も。そうなれば、個人が挑戦できる機会は増えるはずです」

■ 用語解説 → ブロックチェーン

中央で管理する人や団体がなくても、きちんと動く分散台帳のこと

「ブロックチェーンを簡単に説明するのは非常に難しいですが、一言で言えば、〝特定の団体や個人が管理しなくても機能する分散台帳〟です」と中島さん。台帳は帳簿とも呼ばれ、お金の出入りを記録するもの。「各銀行は、顧客全員分の記録をコンピューターに格納していますが、これも台帳の一種。分散台帳とは、その台帳を、利害関係の異なる複数の人が持つコンピューターで管理すること。分散されていない今のシステムだと、特定の銀行のオンラインシステムが何かの理由でダウンしたり、銀行が倒産してお金が引き出せないなどの可能性がありますが、ブロックチェーンは特定の企業に依存しないので、1日24時間何があっても動き続けます」

ブロックチェーンは管理者がいない

ブロックチェーン

従来のように特定の団体による一括管理ではなく、世界中の何千台ものコンピューター上で分散して情報が管理されている。

取材・文/藤村はるな イラスト/平松慶

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