小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

3Dオブジェクトの普及によって企業のモノづくりとセールスをどう変わっていくのか?

2022.10.28

「メタバース」がバズワードとなって久しいが、あわせて今急速に需要が高まってきているのが3DCGだ。アドビは、10月18、19日に米ロサンゼルスで開催されたクリエイター向けイベント「Adobe MAX 2022」で、3Dモデリングツールの「Adobe Substance 3D Modeler」をリリースした。デスクトップとVRの両方に対応し、ヘッドセットを装着すれば、VR空間内でまるで粘土を扱うように立体を造形できる。

VR空間で粘土細工のように3Dオブジェクトを作成

対応しているのはVRヘッドセットの『Meta Quest 2』と先日リリースされたばかりの『Meta Quest Pro』。いずれもPCに接続することで、デスクトップでの作業とVRでの作業をシームレスに行き来できるしくみだ。

細かな操作はデスクトップで、直感的な操作はVRヘッドセットでと作業内容に応じて適時切り替えることができる。映画『ハルク』を担当するなど、ILMでデジタル・モデル・スーパーバイザーを務めた経験を持つ、アドビのシニア デザイン エバンジェリスト兼クリエイティブ ディレクター、ジョバンニ・ナクプリ氏は、「Adobe MAX 2022」の基調講演で「デスクトップでは非常に時間がかかる作業も、VRを使えば直感的かつ高速に行える」と、VRでモデリングするメリットを説明。従来に比べて2~10倍のスピードアップが可能という。

このほか、写真から3Dのマテリアル(質感)を生成できる「Adobe Substance 3D Sampler」には、様々な角度から撮影した写真をもとに、AIが3Dオブジェクトを自動生成する新機能「3D Capture」も追加された。

アドビ CPO(最高製品責任者)のスコット・ベルスキー氏は、「今、3Dの革命が起こっている」と話す。3Dツールは将来的な没入体験=メタバースのためだけでなく、すでに多くのブランドで広告やマーケティングのイメージに、また新製品のプロトタイプにと活用されている。基調講演では、アウトドアメーカー サロモンのシューズを例に「3Dの活用で従来の10倍の試作品づくりが可能となり、様々なアイデアをより早く検討できるようになった」と紹介した。

3D革命でクリエイターに大きなチャンスが到来

3D&メタバース担当バイスプレジデントのセバスチャン・ドゥギ氏も、日本メディア向けのインタビューで「3Dコンテンツの需要は急速に高まっている」と強調した。

「最初はゲームでした。次にビジュアルエフェクト、そして今はプロダクトデザイン、アーキテクチャー、リテール、マーケティングなどあらゆるシーンで、3Dオブジェクトが活用されています。それには2つの理由があります。1つはデザインプロセスの改善です。新しい製品をデザインする際に最初から3Dでデザインした方が速いし、物理サンプルを試作しないのでコストも抑えられる。それによって、二酸化炭素の排出も抑えることができます。もう1つは、製品をWEBサイトで販売する際に、これまでのような写真だけでなく、3Dで見せられるということ。顧客に対してのエンゲージメントが高くなり、それがセールスにもつながるのです。今多くの企業でクリエーション、セールスというものが、3Dを中心としたものに変わってきています」。

こうした3Dへの需要の高まりが、クリエイターに新たな活躍のチャンスをもたらしているという。

「過去40年間、アドビはその時代ごとに様々なツールでクリエイターを支援してきました。デジタルパブリッシングから始まって、デジタルイメージングやWEBコンテンツ、動画ときて今は3Dです。これらはバラバラのようで、すべてつながっている。アドビはこれまでもこれからも変わらず、デザイナーやクリエイターを成功に導くサポートをしていくということです」。

アドビでは現在、Photoshop、Illustratorなどの「Adobe Creative Cloud」製品と、今回リリースされた3D Modelerを含む、3Dツール群「Adobe Substance 3D Collection」を、異なるサービスとして提供している。すでにSubstance 3Dの一部データをPhotoshopやIllustratorで利用できる機能も提供されているが、「今、クリエイターの需要を見極めているところ」だという。近い将来、3DCGを作る、あるいは3Dオブジェクトを扱うことは、もっと手軽なものになるはずだ。

取材・文/太田百合子


@DIME公式通販人気ランキング


興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!Amazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2023年3月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「5インチ電子メモパッド付き計算機」、特集は「ミニマルライフ&ギア」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。