Wi-Fi製品向けに新たに開放された6GHzの周波数帯域に対応
NECプラットフォームズは、電波法施行規則などの改正でWi-Fi製品向けに新たに開放された6GHzの周波数帯域に対応したWi-Fiホームルータとして、12ストリーム『Aterm WX11000T12』と8ストリーム『Aterm WX7800T8』の2機種を発売した。価格はともにオープン価格。
帯域幅が広い6GHzの周波数帯域に対応した最新規格Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax、以下11ax)に準拠したホームルータ。これまで利用していた2.4GHz帯、5GHz帯に加えて6GHz帯を含む3つの帯域(バンド)を同時に利用できるトライバンドにも対応し、バンドを使い分けながら混雑を避けて高速で安定したWi-Fi通信を実現する。
5GHz帯に対応した既存商品では、航空/気象レーダー波を検知すると電波干渉を回避するためにWi-Fi通信を一時的に停止して別のチャンネルへ切り替える「DFS(Dynamic Frequency Selection)」機能の搭載が義務化されているが、6GHz帯での通信は、DFS機能の動作が不要になるため、通信帯域を広げて高速通信を行うワイドバンド接続時でも安定した通信ができる。
自宅のゲーム機やテレビ、スマートスピーカーなど通信機能を持つIoT機器を多数接続した時でも、3つの周波数帯域を使い分けることで混雑の少ない安定通信ができる。
WANとLANそれぞれに10Gbps有線ポート(10GBASE-Tポート)を搭載
有線では、WANとLANそれぞれに10Gbps有線ポート(10GBASE-Tポート)を搭載。10Gbpsを実現する高速インターネット回線サービスと組み合わせれば、Wi-Fi通信の性能を最大限活用することも可能だ。
メッシュ中継機能では、親機と複数の中継機が連携して通信エリアを柔軟に拡大することで、自宅における安定した通信環境を構築できる。通信状態が良い最適なアクセスポイントに自動で切り替えるローミング機能により、スマートフォンなど家の中で移動しながら利用する場合でもシームレスで快適な通信が行える。
親機と中継機間の通信に帯域幅が広くて混雑の少ない6GHz帯を利用することもでき、より安定したメッシュ中継による通信も行なえる。
本体は、次世代のWi-Fiホームルータとしてデザインを一新。「Aterm」シリーズの特長だったアンテナを内蔵する構造を継承しながら、Wi-Fiのイメージをサイドパネルの大きなカーブで表現したデザインになっている。
動画ストリーミングサービスの拡充、eスポーツなどのオンラインゲーム、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・メタバースを利用したサービスの普及、在宅でのオンラインミーティングを行う機会の増加などで、自宅内で高速で安定的なWi-Fi環境を構築するニーズが高まっている。
総務省は、2021年11月に周波数再編アクションプランを公表し、6GHz帯のWi-Fiを日本国内で利用できるようにするための法令整備を進め、電波法省令改正にいたった。この背景を踏まえて、NECは最先端のWi-Fi 6E技術を持つ米国Qualcomm Technologies, Inc.と日本国内で使用する周波数に向けた対応を行うことで、業界に先駆けて6GHz帯に対応したホームルータの製品化を実現している。
SDGs(持続可能な開発目標)への貢献について
「Aterm」製品は、SDGsのゴール12「つくる責任、つかう責任」とゴール15「陸の豊かさも守ろう」のターゲット達成を目指し、新商品よりつなぎかたガイドと総合カタログにFSC (Forest Stewardship Council)認証用紙と植物油インキを適用。FSC認証は、環境や社会に対して持続可能な森林管理のもとに作られた製品を認証する森林管理協議会の制度で、森林環境の保全だけではく、生物の保護や地域社会との関係性なども含まれている。植物油インキは、大豆やヤシ、パームなど非食用油を含めた再生可能な植物由来の油を原料としたインキを使用している。
https://aterm.jp/product/atermstation/info/2022/info0905.html
構成/KUMU