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AIは人間の創造性をどこまで拡張できるか?「ジェネレーティブAI」の開発に着手したアドビの狙い

2022.10.27

10月18日、19日に米国ロサンゼルスで、アドビが主催するクリエイター向けのイベント「Adobe MAX 2022」が、約3年ぶりに開催された。「Adobe Photoshop」や「Adobe Lightroom」「Adobe Illustrator」「Adobe Premiere Pro」など、主力製品のアップデートが発表される中、会場に集まった6000人のクリエイターを沸かせたのが、同社の人工知能エンジン「Adobe Sensei」の進化だ。

たとえばAdobe Senseiを活用したPhotoshopのニューラルフィルターのひとつ「写真を復元」(ベータ版)では、傷や折れ目が目立つ古い写真を一瞬で甦らせることができる。またLightroomでは、人物の身体や顔、目といったパーツをワンクリックで選択、明るさや色味を調整できる。

プロフェッショナル向けだけでなく、「Adobe Express」でもAdobe Senseiが利用できるようになった。「Adobe Express」は豊富なテンプレートを使って、誰もが簡単にチラシやWEB、SNS用のビジュアルや動画を作成できるWEB&モバイルサービス。AIによる「クイックアクション」機能で、テンプレートにあわせたカラーパレットやフォントを簡単に見つけられる。

AIの進化で懸念が広がる、フェイク写真に対する取り組みも強化

アドビでは近年AIの開発に注力していて、クリエイターは様々な自動処理の恩恵を受けられるようになっている。Photoshopではワンクリックで切り抜きができるし、Premiere Proでは自動文字起こしで字幕がつけられる。さらにPhotoshopのニューラルフィルターを使えば、今や笑っていない人物を笑わせることも、真夏の風景を冬にすることも可能だ。しかし、こうなってくると便利さを超えて、フェイク写真を懸念も出てきてしまう。

そこでアドビでは2019年に「コンテンツ認証イニシアティブ(CAI)」を発足。この画像を誰が作って、どういう編集が加えられているのか、コンテンツの来歴がわかるしくみの導入に取り組んでいる。参加するパートー企業、団体は800以上。すでにPhotoshopには来歴を記録できる機能のベータ版が搭載されているほか、最近ではカメラメーカーのニコンやライカともパートナーシップを結び、撮影時に帰属情報を保存できるカメラのテストも始まっている。

アドビでCAIのディレクターを務めるアンディ・パーソンズ氏によれば、同様にスマートフォンメーカーとの話し合いも進められているという。

業界標準を目指し「ジェネレーティブAI」の開発を発表

アドビは今後、さらにAIへの取り組みを加速する。最近、入力したテキストから画像を自動生成する「ジェネレーティブAI」と呼ばれる技術が注目を集めているが、「Adobe MAX 2022」のキーノートでは、アドビがこの開発に取り組むことが発表された。

キーノートに登壇したデジタルメディア事業部門代表のデイビッド・ワドワーニ氏は、Adobe Senseiを「クリエイティブな副操縦士」と呼び、「AI は人間の創造性を高めるべきであり、それを置き換えるものではない」と説明した。現在のジェネレーティブAIは「クリエイターのニーズを満たしておらず、業界標準が求められている」として、「CAIのパートナーと協力して倫理やデジタルにおける課題解決に取り組む」ことを明らかにした。

Creative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)のスコットベルスキー氏は、日本メディア向けインタビューで、ジェネレーティブAIについて、「テクノロジーが常に人間の創造性を増強してきたように、ジェネレーティブAIも人間と機械によるハイブリッドな創造的プロセスの一部である必要がある」と解答。アドビの取り組みについて「ジェネレーティブAIはあくまでもアシスタントであり、最終的なプロダクションに組み込んで編集するのはクリエイターというのが私たちのアプローチ。私たちは、機械と人間のハイブリッドな創造の世界を描きたい」との思いを語った。

また「プロフェッショナルではない人たちにとっても、ジェネレーティブAIはより早く達成感を得るために重要な役割を果たす」として、「Adobe Expressにも積極的に導入する」という方針も明らかにされた。基調講演では実際にAdobe Express上でジェネレーティブAIを活用し、オリジナルデザインのフォントを作る様子も紹介された。

このほか将来製品に搭載されるかもしれない、新機能をチラ見せするAdobe MAX恒例の「Sneaks」でも、AIを活用したユニークな機能やアイデアが紹介された。

「Project Motion Mix」では静止画の人物に動きを合成することで、ダンスを踊らせる様子がデモされた。

「Project All of Me」では、ウエストアップの写真から背景を含めて全身写真を生成。背景や服装を自在に塗り替えられる。

Adobe Senseiによって煩雑な作業を自動化できるだけでなく、プロのクリエイターが新たなインスピレーションを得たり、デザインの知識がないユーザーが思い通りのコンテンツを作ることも、可能になりつつある。AIは人間の創造性をどこまで拡張できるのか、Adobe Senseiのさらなる進化に注目したい。

取材・文/太田百合子


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