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うらやましい!物価上昇でお財布が厳しくなった社員を救う企業の食事補助制度

2022.10.27

物価上昇が続いているが、ビジネスパーソンのランチ代にも影響が及んでいることがわかった。そこで注目を集めているのが、企業が福利厚生として提供する、画期的な食事補助制度だ。ここへ来て従業員への一助になることもあるかもしれない。

最近では、どんな食事補助制度が導入されているのか。特徴的なものを紹介する。

値上げラッシュで3人に1人がランチ代が減ったと回答

エデンレッドジャパンが2022年9月に全国の20~50代のビジネスパーソン男女600名に対して行った「ビジネスパーソンのランチ実態調査 2022」によれば、「物価上昇により、家計が苦しくなっていると感じるか」という問いに対して、84.2%と8割以上が、「とても感じる/やや感じる」と回答した。

家計の食費、光熱費、ガソリン代それぞれに対して、物価上昇はどの程度の悪影響を及ぼしているのか。食費について「とても影響している」と回答したのは52.2%で、光熱費で同様に回答したのは50.5%、ガソリン代については39.8%という結果となった。食費と光熱費への影響は特に大きいようだ。

●ランチ代の平均は439円

費の中でも、ランチ代はどうなっているのか。「勤務日に使えるランチ代に変化はありましたか?」という問いに対して、33.7%と3人に1人が「減った/やや減った」と回答。最近の勤務日のランチ代平均は、439円であり、一般社員は419円、部長クラスは564円だった。

また勤務日にランチを食べないことがある人の割合は23.7%。理由は「食費節約のため」という回答が最多の63.4%となった。同社が2021年12月に同じ調査を実施したときは33.9%だったため、その割合は約2倍に増加している。物価上昇による食費の節約が、ランチ欠食の大きな要因となっている可能性がある。

●必要だと感じる福利厚生1位は?

物価上昇が続く中、もっとも必要だと感じる福利厚生について聞くと、1位「住宅手当・家賃補助(27.5%)」、2位「通勤手当(24.5%)」、3位「食事補助制度(22.5%)」となった。食事補助制度が導入されている企業で働く人の回答については、約4割が「食事補助制度」が最も必要だと回答していた。

この調査結果を受け、同社の代表取締役 天野総太郎氏は、「ランチを欠食する理由においては、昨年の1.5倍となる6割以上の人が『食費節約のため』と回答しており、より一層ランチが犠牲になっている厳しい現状が見て取れました。このようなときにこそ企業は、従業員の置かれている厳しい状況を汲み取り、日々の生活を維持していくために必要なサポートを提供していくことが重要です」と食事補助制度導入を勧める。

実際、同社の「チケットレストラン」という全国7万店舗以上の飲食店やコンビニを、実質半額で利用できる食事補助サービスへの問い合わせも増えているそうだ。

注目を集めている3社の食事補助制度

食事補助制度は、こうした値上げラッシュによる従業員の食費に多く影響が出ているなか、今後、注目度が上がっていくと考えられる。最近では、こんな画期的な制度が各社に導入されている。3社の例をみていこう。

1)コロプラ「無限バナナ」

スマートフォンアプリなどのモバイルゲームサービスの提供等を行う株式会社コロプラは、福利厚生としてオフィスでバナナがいつでも食べられる「無限バナナ」の運用を2022年8月より開始した。オフィスに食べ放題のバナナコーナーを設置し、出社した従業員がいつでも自由にバナナを食べることができる。

栄養価の高いバナナを栄養補助として提供することで、忙しくて食事がおろそかになってしまう従業員の健康促進を図ると同時に、バナナを食するときには、各自使い切りの手袋を着用してバナナの房から一本ずつ切って皮をむき、直接手を触れずに食べられるようにしたことで、感染対策にも配慮している。

2022年6月末時点の従業員数は792名(グループ会社を除く)在籍しているが、全社で1日150本~200本消費されているそうだ。

●ランチ代の恩恵は?

無限バナナ制度は、従業員にとってランチ代節約などの恩恵は得られているのだろうか。同社のコーポレート本部 経営管理部 部長の森 林太郎氏は次のように述べる。

「バナナなので軽食やおやつに近く、ランチ代への恩恵への具体的な声まではございません。ただ、当社ではコロナ前に栄養補助目的で野菜を中心とした総菜ビュッフェを提供しておりました。コロナ禍で総菜ビュッフェを廃止せざるを得ませんでしたが、残念がる声もあり、新たにコロナ禍でも運用可能な『無限バナナ』を導入した際は、『小腹が空いたときの補助食品として重宝している』という歓迎の声は複数ありました」

●食事関連の福利厚生

コロプラには、他にも食事関連の福利厚生があるという。

「従業員のコミュニケーション促進目的で、オンラインで実施したランチの費用を一部支給するオンラインランチサポート制度があります。仕事のつながりだけでなく、仕事以外でも幅広い交流ができるよう部活動制度があり、活動費の一部を部費として支給しています。必要に応じて食事関連にも使えます」

●今後の展望

「無限バナナ」に続く、今後の食事関連の福利厚生の構想について、森氏は次のように述べる。

「直接的な補助はむずかしいですが、オフィスが六本木にあり、ランチ代の相場もやや高めなので、今後は500円前後の牛丼自販機やお弁当の無人販売等で従業員の選択肢は増やしていきたいと考えています」

2)Crane&I「肉・酒・魚制度」

IT領域のアウトソーシングを手がける株式会社Crane&Iは、社員同士のコミュニケーションの活発化を目的に、社員同士3名以上で食事会をした際に1名につき3,000円を会社が補助する「肉・酒・魚制度」を2022年7月、福利厚生として創設した。

コロナ禍でリモートワークが普及する中、社員から最も多く挙がった課題が「コミュニケーション不足」だったという。縦横のつながりを懸念している人、ストレスを抱えてしまう人が多くいたそうだ。そこで感染対策を徹底しながら、コミュニケーションを活発化させるべく、社員からの案にて同制度が誕生した。

●ランチ代の恩恵は?

「肉・酒・魚制度」を利用した従業員は、何かランチ代の点で恩恵が得られたなどの声はあったのだろうか? 同社の採用戦略部 髙室 和也氏は次のように述べる。

「ランチ代自体の恩恵ももちろん感じている従業員もいますが、本制度において他部門や普段業務にて関わりの少ない社員との交流のきっかけとなることが多く、社内のコミュニケーションの活性化に良い影響が出ていると感じます。特に最近は若手社員の利用頻度が高いですね」

実際、「肉・酒・魚制度」を使った従業員の声として次のものが挙がっているという。

・普段の業務では関われない人を誘う機会になり新たな交流の機会になった。

・現場配属になってから全然会えていなかった同期と集まることができた。

・1人3,000円まで負担してくれるので、普段なかなか行けないお店に行くことができ、それを理由にお店開拓につながった。おすすめのお店ということで社内の人を誘いやすくなった。

・お財布の事情でなかなか大人数で食事に行く機会がなかったが、福利厚生ができたのを機に、みなさんと食事に行けてとても嬉しかった。

●今後の展望

「肉・酒・魚制度」に続く、今後の食事関連の福利厚生の構想について、髙室氏は次のように述べる。

「当社では年に1度、福利厚生を社員たちが考案し、社員たち自らが投票し決めていく『福利厚生コンペ』を行っています。社員から立案され、採用される案がありましたら追加される可能性があります。その他にも、より納得性の高い評価制度やポジションの公募制度等、社員のやりがい・納得性の高まる施策は経営層において随時検討しています」

3)ココネ株式会社 社員食堂は昼食・夕食・カフェが無料

ソーシャルネットワーク、アプリ開発などを行うココネ株式会社は、2021年8月から社員食堂「ココネデリ」におけるデリの昼食・夕食、コーヒー・ソフトドリンク類をすべて無料にした。

●ランチ代の恩恵は?

無料提供に至った経緯と共に。同社の人事部コーポレートブランディングチーム 渡邉 辰也氏は次のように述べる。

「ココネデリに関しては、有料の頃から安価での提供を行っており、『毎日違ったものを安価で食べられて嬉しい』という声は多く挙がっていました。社員食堂は、恵比寿に本社を構えていた2016年に開設し、ランチは1食500円で提供していました。提携農園からの新鮮な野菜の提供などもあり、周辺の飲食店のランチよりもかなり割安かつ健康的なものを提供できていたと思います。また、2017年の六本木移転後には値段を1食300円に引き下げることで、さらに周辺のランチよりも安価に食事をとることが可能となりました。2020年の現三軒茶屋オフィスへの移転後は、コロナ禍を経て、オフィス自体のあり方を見直し、食事についても昼食、夕食を無料化し、ジュースバーやカフェも新たに設置しました」

●「ココネデリ」無料制度を使った従業員の声

ココネデリの昼食・夕食 および コーヒー・ソフトドリンク類無料の制度を利用した従業員からは、次のような声が挙がっているという。

・30代女性・デザイン職

―色々なものが日替わりで食べられるのがとてもありがたいです! 肉or魚ランチ、スープランチ、サラダランチの3種類から選べるので、その時のメニューや自分の調子に合わせて取っています。食べたことのない料理がメニューにある時はわくわくしますね!

食べ放題のサラダバーも、色々な野菜が食べられてありがたいです。トマトが好きなのでついたくさん取ってしまいます。

・40代男性、制作職

―好きなものばかりで偏りがちな食事を、毎日違ったメニューでバランスよくいただけています。また、体調がすぐれない時でもスタッフが身体に優しいものを提供してくださったりと、気遣いも素晴らしいです。

●食事関連の福利厚生

その他の食事関連の福利厚生には、例えば次のようなものがあるという。

・軽食の提供(社員食堂)

無料の夕食のほか、17:00以降、1食80円で照り焼き丼や、牛丼、ドライカレー、おにぎりなどを提供。

・ジュースバー(社員食堂)

毎日違ったメニュー(ブルーベリーバナナヨーグルトや小松菜パインなど)でフレッシュジュースを提供。

・カフェ

専任のバリスタにより、無料でカプチーノ、カフェラテ、アールグレイ等のコーヒー、紅茶を提供。

この他にも飲み会をサポートするものや専任のバーテンダーがいるBARも設けているなど充実している。

●今後の展望

今後の食事関連の福利厚生の構想について、渡邉氏は次のように述べる。

「食事関連では、実際に飲食を提供することに関しては様々な取り組みをしていますので、これからはソフトの部分を充実させることを考えています。保健室の開設に伴い、保健師による食事の指導の実施を行うことから始まり、今後は栄養価を管理すること、提供する食材のクオリティを向上させること、在宅でも偏った食事にならないような取り組みを進めること等があります」

食費をできるだけ抑えたい今の時期、会社の食事関連の福利厚生は、以前よりもさらにありがたい状況になっているようだ。今回紹介した3社の例は、いずれもただ食費サポートになるだけでない効果が期待できるものだった。今後も、企業と労働者双方に意義のある食事関連の福利厚生が生まれることを期待したい。

【調査出典】エデンレッドジャパン「ビジネスパーソンのランチ実態調査2022」

取材・文/石原亜香利


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