DIME MAGAZINE
オンラインで買い物をする機会が増えたとはいえ、ファッションの本質は、身にまとって新しい自分に出会う喜びを届けるもの。リアル店舗での体験を重要と考えている「ジーユー（GU）」は、ブランドメッセージとして『YOUR FREEDOM（自分を新しくする自由を）』を掲げており、それを体現する最新店舗を銀座にオープン。発表会では、買い物のトータルサポートを行うという新店舗のサービスと戦略が発表された。
最高に親切で便利という「ジーユー マロニエゲート銀座店」のサービスとは
店舗オープンで今後の戦略について発表した株式会社ジーユー 代表取締役社長 柚木治さん（中央）とおしゃリスタの伊藤結衣さん（左）/齊藤竜太さん。
主力商品の価格を据え置くと同時に、都市部への出店を加速すると発表していたジーユーの新店舗が、2022年10月21日にマロニエゲート銀座2にオープンした。この店舗では、「GU史上、最高親切、最高便利」がメッセージという。
一体、どういったサービスがあるのか、オープン前日に開催された発表会でジーユー社長の柚木治さんは「ファッションの本質は、身にまとって新しい自分に出会う喜びという“体験”をお届けするものであり、店舗においては、商品を選んで買うだけでなく、満足度の高いお買い物体験が改めて求められていると考えています」と、話した。
街に人々が戻りつつある今、消費者の要望に最もあった最先端の店舗をとオープンしたのが、「ジーユー マロニエゲート銀座店」だ。この店舗では、ニーズを捉えた提案の豊富な売り場、オンラインストアと融合した利便性、そして一人ひとりへの接客による付加価値の高い購買体験ができるという。
確かに、オンラインストアは、購入するのは便利だが、体験という意味では物足りなさを感じることもあるかもしれない。だが、リアル店舗だからといって、自分で選んでレジで精算するだけなら、購入体験としてはオンラインストアと大きくは変わらない。
そこで、今回の新しい都市型店舗では、通常の大型店の2倍の数のマネキンを設置して、より多くのコーディネートを提案し、商品を魅力的に見せるディスプレイにもこだわった。
例えば、今回の銀座店では、オフィス街であるということもあり、オフィスカジュアルのアイテムと、パンプスを中心としたシューズ類の売り場を拡張し、充実させている。オフィスカジュアルとして着用できるだけでなく、豊富な着回しも叶う旬のトレンドアイテムも揃えた。
店舗内を歩いてみると、確かにマネキンが多い印象で、シーンごとのコーディネートが提案されている。小物なども、まとまった売り場に置かれているのではなく、コーディネートで使われているアイテムが、マネキンの近くに置かれているなど、つい手が伸び、買いたくなる場所に置かれていた。
一人ひとりに似合うコーディネート提案を
パーソナルカラー診断、骨格診断から似合うコーディネートを提案する。
「自分に似合うファッションを知りたい」「買い物に失敗したくない」という消費者の声に応えるべく、ジーユーのおしゃれアドバイザーである「おしゃリスタ」によるサービスを強化する。
従来は、自分で服を選んで購入する人も多かったが、さらにサービスレベルを上げ、アイテム選びに迷っているときの提案や、選んだアイテムとのコーディネートも提案するという。このおしゃリスタのサービスを常設し、予約することも可能だ。なんと、オープンの前に、すでに数十名の予約が入っているというのだから、やはりコーディネートしてもらいたいと考える人は多いことがわかる。
「このようなサービスを、ジーユーのような価格帯のブランドが無料で提供していくことも、お客様のコスパと満足度を高める一環として大切であると考えています」（柚木社長）
トレンド商品の着こなし方はもちろん、カラー診断や骨格診断など、ファッションに欠かせない専門知識に基づいて、それぞれにあったファッションの提案をしてくれるため、今後のアイテム選びとしても役立ちそうだ。
カラーや骨格から導き出された柚木社長におすすめのコーディネート提案。
いつもはスーツ姿で発表会に登壇する柚木社長だが、この日は、カジュアルなコーディネートだなと思っていたら、カラー診断や骨格診断を行い、柚木社長に似合うコーディネートをおしゃリスタが実際に提案してみせた。
「パープルを着ることがなかったので、今後、着てみたいと思いました」（柚木社長）
柚木社長のパーソナルカラー診断は、ブルーベースの冬タイプ。骨格診断は、ウェーブということで、この日着用したアイテムのほか、3つの着回しコーデも紹介されたが、これらトータルで29900円（消費税込み）という価格に抑えられていた。今まで自分自身では選んでこなかったアイテムにチャレンジするきっかけになりそうだ。
豊富なビジネスシューズのラインアップ。
コーディネートで、サイズ感が一番重要なのは、靴だと筆者は常々思っている。洋服は、多少大きくても何とかなるが、靴は、痛かったり、不快だったり、さらには、健康を害するため、きちんと自分に合ったサイズを選びたい。しかし、同じサイズ表記でも、デザインによって窮屈に感じることもある。
片足ずつ計測器に足を入れるだけの簡単計測。
そこで、3D計測で足のサイズを診断し、足の個性と靴選びのポイントをチェック。展開中の靴の中からおすすめを紹介してくれるコーナーも設けられている。
計測結果は、すぐにプリントアウトし、自分のサイズを細かく確認できる。
足のサイズは、長さ、幅だけでなく、甲の高さもデザインによっては影響してくる。メンズのビジネスシューズや、これからのシーズン暖かくて便利なブーツも、甲がフィットすることで、履き心地がいいだけでなく、履いた姿も美しくなるという。約3分で計測して、アドバイスがもらえるので、これは試してみたくなる。
オンラインストアと融合した利便性も追求し、ジーユーアプリで注文してから最短2時間で、店舗で商品が受け取れる「ORDER & PICK」は、最短1時間へと短縮。また、送料無料で利用できる「店舗受け取りサービス」は、注文後、最短で翌日には受け取れるようになり、オンラインショップのみで取り扱いのあるアイテムの購入もより手軽に。
これらのサービスを展開する最先端の店舗は、銀座に次いで、10月28日には、天王寺MIOとルミネ横浜にもオープンする。実は、大人の男性は、まだ「ジーユーは若者向け」と思っている人が多いため、トータルコーディネートができることを伝えることが今の課題と考えているという。今回の最新店舗でそのことが伝われば、さらなる客層拡大に弾みがつきそうだ。
ジーユー（GU）
https://www.gu-global.com/jp/ja/
取材・文／林ゆり
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