週末だけの運転や数年ぶりの運転など、運転の頻度が多くない方は、「不安」や「怖さ」があるために、スムーズな運転ができないというケースがあります。不安や怖さの原因は、ドライバーによってさまざまですが、運転頻度が少ない方にありがちなのが「わからない」や「見えていない」という不安や怖さです。今回は、不安や怖さを減少させる安全運転に必要な「確認」のポイントを解説します。
「不安」や「怖さ」の原因は「わからない」や「見えていない」
運転が「不安」・「怖い」と感じているドライバーに多いのは、「わからないから不安」や「見えていない(認識できていない)から怖い」というパターンです。
筆者が数年ぶりに運転しようとするペーパードライバーの方にレクチャーするときも、「歩行者や自転車がいるかどうかわからないから不安です」や「見えないから怖いです」という声をよく聞きます。つまり、久しぶりに運転するドライバーの不安や怖さは、認識や確認が不足していることが原因であることが多いのです。
「確認」をすることで不安や怖さは減少する
運転するときの不安や怖さは「確認」をすることで減少させることができます。ただし、ポイントとなるのは「いつ、どのような時に安全確認をするのか」ということです。
では、どのようなタイミングで確認すればよいのでしょうか。その答えは「何らかアクションを起こすとき」です。
例えば、走行中に進路を変えるとき、交差点の右折や左折をするとき、駐車場や信号待ちなどの停止状態から発進するとき、バック(後退)するとき、車に乗るときや降りるときなど、何らかのアクションを起こすときには安全確認が必要となります。
確認すべき場所は、進路変更・右左折・後退などでは進もうとする方向、車への乗り降りでは出ようとする方向というように、車や人が進む(出る)方向です。安全確認をするときに、どこを見たり確かめたりしたら良いのか悩んだときは、「進もうとする方向や出ようとする方向を確認してから動く」と覚えておくとよいでしょう。
また、安全確認は1度行えば大丈夫だと考えてしまう方を見かけることがあります。しかし、交通状況は絶えず変化しているため、「事前確認」と「直前確認」の最低2回の安全確認をした方がよいでしょう。
実際の道路では、「先ほど(事前確認の時点)は大丈夫だったが、今(直前確認の時点)は危ない」という場面や「先ほど(事前確認の時点)まで危険な状況だったが、今(直前確認の時点)なら安全に進めるチャンス」など、交通状況が絶えず変わっていきます。そのため、何らかのアクションを起こしたいと考えはじめたときの「事前確認」と、アクションを起こすときの「直前確認」の最低2回の安全確認をした方がよいでしょう。
このような安全確認を徹底すれば、運転するときの不安や怖さが減少するでしょう。
教習所でも安全確認は重要視している
運転免許を取得するときに多くの人が通う教習所(自動車学校/ドライビングスクール)でも「安全確認」は重要視しています。
教習所では、車に乗る前に車両の前後左右と車の下に物や動物などがないか確認をしてから乗車し、車から降りるときに後方から車や自転車などが来ていないか確認してからドアを開けて降りるよう指導されます。
また、教習所を卒業するときの関門のひとつでもある運転の試験では、「車に乗るところから降りるところまで」が試験範囲です。つまり、乗車するときの安全確認から降車するときの安全確認までが採点の対象となります。
このように、教習所の指導内容や技能試験の範囲からも安全確認が重要視されているといえるでしょう。
漠然とした不安や怖さは確認でなくなることもある
久しぶりにハンドルを握ると、運転操作は思い出すことができても、車を走らせることに対して漠然とした不安があって怖いということがあります。漠然とした不安や怖さの中には、周囲の流れに合わせられるか、迷惑にならないか、煽られたりしないか、などさまざまな不安や怖さがあるでしょう。
しかし、最も重要なのは、事故を起こさずに無事に運転を終えることです。事故を起こさないためにも、「事前確認」や「直前確認」などの「安全確認」を徹底し、不安や怖さを少しでも減らして車を走らせるようにしましょう。
取材・文/齊藤優太
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