昨今の日本におけるeスポーツ人気を牽引しているFPSゲーム『VALORANT』。その最前線で活躍しているプロゲーマーの一人が、北海道発のゲーミングチーム『NORTHEPTION』に所属するBlackWizだ。世界の舞台で戦っている彼だが、8か月ほど前まで自身の貯金を切り崩しながら生活していた。そして現在、彼はプロゲーマーの先を見据えてキャリアを築いている。
BlackWizが語る、FPSの魅力と未来予想図とは。
■BlackWizプロフィール
1997年5月生まれ。NORTHEPTIONのリーダーを務める。2022年6月に開催された国内大会『VALORANT Champions Tour 2022: Japan Stage 2 Challengers』において、世界大会3位となったZETA DIVISIONと決勝戦で対決。見事勝利し、世界大会『VALORANT Champions Tour 2022: Stage 2 Masters – Copenhagen』に出場した。
「ヘッドショットの練習だけで数ヶ月」BlackWizがFPSを続けられた理由
北海道を拠点とするプロゲーミングチーム「NORTHEPTION」。その『VALORANT』部門においてチームリーダーを務めるのがBlackWizだ。2022年6月に開催された国内大会を優勝し、世界の舞台へと躍進した立役者の一人である彼が初めてFPSのゲームに触れたのは中学3年生のときだった。
「最初はマウス感度の調整や、ヘッドショットの練習といった地道な練習だけで何か月も続くことがありました。最初は全く上手くいかないのですが、100回やって1回でも良いプレイができると凄く嬉しかった。そして一回そのプレイを目指すためにまた頑張ろう、という気持ちで取り組んでいました。完璧を求める人はFPSが好きになるかもしれませんね」
FPSはサッカーと似ているとBlackWizは語る。
「リフティングなどの個人練習で技術を磨いて、チームで戦うことで連携を深めて何倍も強くなる。FPSも一緒で、地味な反復練習を繰り返して上達します。そして信頼できる仲間と戦う時は、辛い状況なら励まし合えるし、誰かが戦局を変えると全体の士気が上がり、普段以上の実力を発揮できます。個人とチーム、それぞれの楽しさがあるのがFPSの面白さです」
「最初はプロゲーマーを目指していなかった」BlackWizがプロの先に見据えるキャリアプラン
様々なFPSゲームのトッププレイヤーとして活躍していたBlackWizは、『VALORANT』がリリースされた2020年当初は仕事をしながら練習していた。
「正直な話、最初はプロゲーマーに懐疑的でした。『本当に仕事になるのか?』と思っていたので、仕事をしながらプレイするのは当然の選択でした。そんな中、仲間に誘われた大会でプロと接戦を繰り広げて、自分の実力に自信が芽生えてきました。その頃からしっかりとした給与体系のあるチームが増えてきていて『自分でもプロゲーマーとしてのキャリアを築けるのでは?』と思い、挑戦を決意しました」
プロゲーマーのキャリアを考える上で、BlackWizはただプロゲーマーになることだけを目指そうとは考えていなかった。
「当時勤めていた会社の仕事を定年まで続けるつもりがなくて、自分の将来について考えていたタイミングでもありました。だから、プロになるだけではなく、しっかりと活躍し、その実績をもとに新しい仕事に繋げることを目指していました」
晴れてチームに所属し、プロゲーマーの一歩を踏み出したBlackWizだったが、最初に所属したチームはすぐに解散。1年ほど無給のまま、フリーエージェントの選手として活動を続けた。
「当時は実家だったのですが、親は賛成も反対もせずに静観していました。それはプロになる理由やその後のプランなど、考えていることを事前に説明していたからだったと思います」
現在はNORTHEPTIONのリーダーとして、着実に実績を積み上げているBlackWiz。今後もさらなる活躍を見せ、それをバネに次なるキャリアを築こうと邁進を続ける。
「プロの先にあるキャリアプランについて、現状はあえてハッキリと定めていません。プロ活動を通じて作った繋がりや実績をもとにすれば、進むべき道は自ずと見えてくるかなと考えています。自分は人に教えたり伝えたりすることが向いていると言われたことがあるし、自分でも好き。そういう方向性も一つあります。いずれにせよ、今は目の前の勝利のために全力を注ぎたい。
今年1年の活動を通じて、自分たちが世界に通用する実力をつけてきているという実感を持っています。来年は更に高い実力をつけて、今年以上の結果を出したいと思います。来シーズンも期待していてください!」
BlackWizが語る、『VALORANT』の魅力と観戦のコツ
『VALORANT』最大の特色はエージェント(操作キャラクター)だとBlackWizは語る。
「前線役やサポートなど、4つの役割に特化したアビリティを持っているのがエージェントのおもしろさです。役割に即した技術は見どころですし、チームによって編成が変わる奥深さもあります」
FPSの大会観戦をより楽しむコツ①:索敵のハラハラ感を堪能せよ
「展開の緩やかな序盤は、画面が一人称視点でないことがあります。そんな時は、左上のミニマップを見てみましょう。攻め側と守り側の人数配分や位置取りから、どこの拠点が主戦場になるのか、誰が最初に倒されてしまうのかなど、戦況を予測するのも楽しいです」
FPSの大会観戦をより楽しむコツ②:打ち合いの攻防を見逃すな
「激しい混戦時は、目まぐるしくカメラが移り変わります。キャスターの解説を聞きつつ、躍動感あふれる銃撃戦を楽しみましょう。壁などの遮蔽物を挟んだ手に汗握る攻防戦は必見です!」
取材・文/桑元康平(すいのこ)
1990年、鹿児島県生まれ。プロゲーマー。鹿児島大学大学院で焼酎製造学を専攻。卒業後、大手焼酎メーカー勤務などを経て、2019年5月から2022年8月まで、eスポーツのイベント運営等を行うウェルプレイド・ライゼストに所属。現在はフリーエージェントの「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのプロ選手として活動中。代表作に『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』(小学館新書)。
(c)2022 Riot Games, Inc. Used With Permission
取材・文/桑元康平
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