アップルは、M2チップを搭載した新しい『iPad Pro』を発表。すでに予約が開始されており、米国を含む28の国と地域では10月26日より販売がスタートする。
新しい『iPad Pro』は、画面サイズ11インチと12.9インチ、カラーがシルバーとスペースグレイの2種類、容量は128GB、256GB、512GB、1TB、2TBが用意される。
価格は、『11インチiPad Pro』のWi-Fiモデルが12万4800円(税込み)から、Wi-Fi+Cellularモデルが14万8800円(税込み)から。『12.9インチiPad Pro』は、Wi-Fiモデルが17万2800円(税込み)から、Wi-Fi+Cellularモデルが19万6800円(税込み)からになる。
M2チップ搭載によりM1よりもCPU性能が最大15%向上
今回搭載されたM2チップについて、アップルでは同社のMシリーズチップの次世代の始まりで、業界をリードする電力効率、ユニファイドメモリアーキテクチャ、カスタムテクノロジーを備え、『iPad Pro』に画期的なパフォーマンスと能力をもたらすと説明している。
性能コアと効率コアのどちらも進化し、M1より最大15パーセント高速な8コアCPUと、最も高い処理能力を必要とするユーザーに対して最大35パーセント高速なグラフィックスパフォーマンスを提供する10コアGPUを搭載。
CPUとGPUの組み合わせによる16コアの「Neural Engine」は、M1に比較して40パーセント多い1秒間に15兆8千億回の演算が可能で、機械学習タスクの処理がこれまで以上にパワフルになったという。
M2チップはM1より50パーセント増えた100GB/sのユニファイドメモリ帯域幅を備えており、最大16GBの高速ユニファイドメモリに対応し、マルチタスキングや大容量のアセットでの作業がさらになめらかになる。
そんなM2のパフォーマンスは、膨大な写真ライブラリを編集する写真家や複雑な3Dオブジェクトを扱うデザイナーから、高度な画像処理や分析を行なう医療従事者、グラフィックスを駆使したゲームを楽しむゲーマーまで、負荷の高いワークフローでも威力を発揮するはずだ。
そのパワーは、新しいメディアエンジンと画像信号プロセッサにも広がり、先進的なカメラとの組み合わせによって、ユーザーは初めてProResビデオを撮影できるようになり、ProRes映像のトランスコードが最大3倍高速になる。これはコンテンツクリエイターが、現場で1台のデバイスを使って映画品質のビデオを撮影、編集、公開できることを意味するという。
M2の画期的なパフォーマンスで、『DaVinci Resolve』、『Adobe Photoshop』、『Affinity Publisher 2 iPad』、『Octane X、uMake』など『iPad』で利用できるプロのアプリケーションの選択肢が広がる。
ネクストレベルの『Apple Pencil』によるポイント体験と高速なワイヤレス接続
新しい『iPad Pro』と『iPadOS 16』によって『Apple Pencil(第2世代)』での画面操作がさらに快適になり、ユーザーは高い精度でスケッチしたりイラストを描いたりすることができるようになるという。
スクリブルで『Apple Pencil』を画面に近づけると、テキストフィールドが自動的に大きくなり、手書き文字がより速くテキストに変換。他社製のアプリケーションも新機能を利用して、新しいマーキングと描画の体験が実現できる。
『Apple Pencil』によるポイントでは、ディスプレイの最大12mm上まで検知されるので、ユーザーはマークをつける前にマークのプレビューを見ることが可能だ。
通信機能では、アップルのデバイスとして初となるWi-Fi 6E対応で、高速接続を必要とするユーザーが負荷の高い作業をどこでも行なうことができる。ダウンロードは、前世代よりも2倍高速な最大2.4Gbps。
5G(sub-6GHzおよびmmWave4)に対応しているWi-Fi+Cellularモデルでは、5Gネットワークにより外出先でも高速に自分のファイルにアクセスしたり、相手と連絡を取り合ったり、自分のデータをバックアップすることもできる。
『iPadOS 16』で実現するさまざまなプロ向けの機能
新機能「ステージマネージャ」は、アプリケーションとウインドウを自動的に整理し、タスク間の切り替えをすばやく簡単にできるようにする新しいマルチタスキングを実現。年内に最大6Kの解像度を備えた外部ディスプレイのフルサポートを実現するため、ユーザーは『iPad』上に最大4つのアプリケーション、外部ディスプレイに最大4つのアプリケーションを表示しながら作業できるようになる。
デスクトップクラスのアプリケーションでは、『iPad Pro』のディスプレイに最適化された新機能が実現。一貫した取り消しとやり直し、再設計されたインラインの検索と置換、新しい書類のメニュー、カスタマイズ可能なツールバー、ファイルの拡張子の変更、ファイルアプリケーションでのフォルダサイズの確認などの新要素や新操作でアプリケーションが有能になっているという。
「リファレンスモード」では、Liquid Retina XDRディスプレイを搭載した『12.9インチiPad Pro』で、レビューや承認、カラーグレーディング、合成といった正確な色味と一貫した画質がきわめて重要なワークフローで色の条件に合わせることができる。
写真家やビデオグラファーのようなプロのユーザーは、あらゆる細部を現実の世界に近く再現するHDRの画像やビデオを手元ですぐに編集でき、撮影現場の撮影監督は最終的な映像を表すカラープロファイルでコンテンツをプレビューできる。
ほかにもメッセージの大幅なアップデート、メールと『Safari』の新しいツール、新しい天気アプリケーション、「テキスト認識表示」と「画像を調べる」による写真とビデオを操作する多くの方法に加えて、採用されている『iPadOS 16』はパワフルな生産性のための機能を導入している。
今回の発売に関してアップルのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント/グレッグ・ジョズウィアック氏は、次のようなコメントを発表している。
「次世代の『iPad Pro』は、『iPad』でできることの限界を押し広げ、究極の『iPad』体験にさらなる汎用性、パワー、持ち運びやすさをもたらします。M2チップを搭載した新しい『iPad Pro』は、次のレベルの『Apple Pencil』によるポイント体験、ProResビデオ撮影、超高速なワイヤレス接続、パワフルな『iPadOS 16』の機能など、驚異的なパフォーマンスともっとも先進的なテクノロジーを搭載しています。このようなデバイスはほかにはありません」
主な周辺機器
新しい『iPad Pro』にも対応する『Apple Pencil(第2世代)』は、別売で価格1万9880円(税込み)。
『Magic Keyboard』はブラックとホワイトがあり、新しい『11インチiPad Pro』用が価格4万4800円(税込み)、新しい『12.9インチiPad Pro』用が価格5万3800円(税込み)。
新しい『iPad Pro』用の『Smart Keyboard Folio』は、『11インチiPad Pro』用が価格2万7800円(税込み)、『12.9インチiPad Pro』用が価格3万2800円(税込み)。
『Smart Folio』はブラック、ホワイト、マリンブルーがあり、新しい『11インチiPad Pro』用が価格1万2800円(税込み)、新しい『12.9インチiPad Pro』用が価格1万5800円(税込み)。
https://www.apple.com/jp/ipad-pro/
構成/KUMU