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マーケティングやプロモーションに声優を起用する企業が増えている理由

2022.10.21

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

熱量の高いファン層による「推し活」に着目した声優の起用

アニメやゲームのキャラクターやナレーションなど、声を生業とする「中の人」として活動してきた声優が、ここ数年、アーティスト、アイドルとしての活動、YouTubeやゴールデン帯のバラエティ番組出演と表舞台に進出。声優を「推し活」するファンの存在も大きく、大手企業やハイブランドまで声優を起用するケースが増えている。

ヴァレンティノでは、日本で活躍する6名の著名な声優がヴァレンティノを身に着け、文学作品を読み上げるキャンペーンを実施。現在、花江夏樹さん、梶裕貴さん、佐倉綾音さんが朗読しているバージョンが公開されている。

声優の活躍の場が広がる理由として挙げられるのが、声優ファンの熱量の高さ。アニメ・ゲームの推しキャラクターからファンになるパターンや、推しの声優に関わるものすべてが好きといった熱量の高いファンが多く、声優とファンとの交流の場となっているSNSでは、投稿に反応したユーザーの割合「エンゲージメント率」が高くなっているのが大きな特徴。例えば、フォロワー数が多いタレントと同数のフォロワーがいる声優と比較すると、タレントよりはるかに多い「いいね」がついたりすることも多くある。

2020年代からアイドルなど“推し”のためにお金を使う「推し消費」が広がっている点も背景にある。人気アニメの声優がSNSなどでファンとつながることによって、声優に対しての推し消費も盛んに行われるようになった。

さらに、アニメのマス化によるファン層の広がりも。子ども、若年層だけでなく大人が楽しむアニメも数多く登場することで視聴年齢層の高齢化が進み、アニメ・声優ファンの活用が消費層へのリーチにつながりやすくなっている。

これらのファンの推し活に伴う消費行動や、情報拡散力をマーケティングに活用できるという点、さらに、声優の商材である“声”は音声コンテンツとなるので、企業のプロモーションや商品開発など活用の幅が広いことが、企業が声優を起用する理由として考えられる。

声優を起用したライブコマースが大人気の「au PAY マーケット」

総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」では、インターネット上で動画を配信し、動画内で商品を紹介、販売するライブコマース「ライブTV」に力を入れている。

ライブTVの中でも特に人気の番組が、若手人気声優を活用した「声優さんといっしょ」。毎回数人の声優が雑談をしながら商品を紹介、販売する内容。安定した視聴数を集めており、通常番組の約3倍、タレントが登場する番組と同水準の視聴数だという。

auコマース&ライフ 事業推進本部 新規事業推進部 大森一摩氏に、企業がマーケィングに声優を起用する理由や背景について話を伺った。

【大森一摩氏 プロフィール】
化粧品、出版系総合通販、物販&コト消費商材のフラッシュマーケティングECと複数の業界でマーケティングを15年に渡り担当。直近1年はコト消費商材のプロジェクトマネージャーを担当しながら2021年12月よりライブコマース事業に参画。2022年7月よりライブコマース含む新規事業領域の部門長に就任。

Q・「ライブTV」で声優を起用した理由は?

「私が以前担当していた体験型事業で、ターゲット層として特長のあるお客様を呼びこんで集客したいと考えていました。au PAY マーケットでは2021年からエンタメチケットや宿泊施設などの体験型の商品も発売をするようになりましたが、当時は物販の販売サイトというイメージがとても強く、体験型商材の認知をどのようにしたら広げられるだろうと模索していました。

考えていたアイディアのひとつに声優の起用がありました。以前は声優といえばオタクと結びつくイメージがあって、声優好きでも公言しない、隠すものでしたが、今ではタレントさんや芸人さんがテレビで好きな声優さんやアニメを披露する時代。声優さんには熱狂的なファンがたくさんいて、より多くのお客様を集めることができるのではないかと考えました。

声優さん本人の魅力のみならず、演じているキャラクターを含めてそのファン層を引き寄せており、ファンも自分の推しをSNSなどでアピールしています。隠すもの、恥ずかしいものではなく披露して友達や仲間を増やしたり、SNSで共有して関わりを広げていく、従来のオタク活動とは異なる潮流が生まれてきました。

声優さん自身も顔を出して歌を歌ったり、ビジュアルにこだわったり、声だけでない魅力も発信しています。声優さんに裏方ではなく表舞台に出ていただき、我々のプラットフォームで見せることで、我々の特長をアピールできるし、お客様を誘引することもできると考えています」(大森氏)

au PAY マーケットでは、ライブコマースで声優を起用した番組を多数実施しており、「声優さんといっしょ」のほか、直近では「au PAY マーケットニュース」という番組で、声優をニュースキャスターに見立てた番組を配信。通常のライブTVに比べると視聴数が平均で約5倍とこちらも超人気となっている。

声優人気の高さから、今年4月には蒼井翔太さんとコラボした宿泊型商品「耳福ホテルプラン」を限定販売。蒼井さんがコンシェルジュという役割で、ウェルカムコールやモーニングコール、おやすみコールなど声でゲストをもてなし、さらに宿泊者の名前を呼んでくれるCDが特典につくということで注目を集め、25組50名限定で発売したチケットはわずか28秒で完売した。

Q・声優とのコラボ商品はどのような経緯で生まれたのでしょうか?

「弊社の商品は空席在庫の流動化をコンセプトにしているので、すべて割引して販売しています。コロナ禍で宿泊施設が厳しい状況にあった中、声優さんをキャスティングして定価で販売しようと計画したのが『耳福ホテルプラン』です。企画したものの、我々もどのくらい売れるのか集客のめどもまったくつかない状態で、テスト販売という意味合いもあり、一人1万7500円で、25組50名で販売しました。

蒼井さんは『うたの☆プリンスさまっ♪』など熱狂的なファンが多いアニメやゲームの声を担当されていて、ビジュアル系としても人気の高い声優さん。耳福ホテルプランもプレスリリースで告知を出したら反響が大きくて、弊社の告知を蒼井さんがリツイートしたらそれにもものすごい数の『いいね』が付いて、販売前から熱量が上がっていました。

とはいえ、定価で一人2万円近い価格でしかもペアが基本。我々としては多すぎるかな?と思うくらいの数を用意しましたが、事前の熱狂度からすれば1か月ほどで売り切ることができるだろうと考えていました。ところが、ふたを開けてみれば、1か月どころか28秒で完売(笑)。声優さんはエンゲージメントが非常に高いですが、そういったファンの熱量の高さを押さえたことが成功につながったのかなと思います」(大森氏)

Q・「耳福ホテルプラン」の第二弾は人気声優の岡本信彦さんとのことですが、起用の理由は?

「『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』、『ハイキュー!!』など人気作品を数多く担当されている、ファンの熱量も高い人気の声優さんということでコラボが実現できました。

蒼井さんのプランと同じく、岡本信彦さんがホテルコンシェルジュとなり、ホテルに宿泊されるお客様のお名前をお呼びして、ウェルカムコールやモーニングコールなどを収録したCDを特典としてプレゼントします。

蒼井さんは軽井沢でしたが、岡本さんのプランは東京と京都で実施します。岡本さんの声をまとって泊まれることができ、さらに観光も楽しめるロケーション。CDが付いてくるので、旅行は終わっても岡本信彦さんの声と一緒にいられるという楽しみ方ができます。

プラットフォームはなかなかイメージしにくいものですので『au PAY マーケットは声優でおもしろいことやっているらしいよ』と少しでも認知が広がり、他のアイテムの購入にもつながればと思っています」(大森氏)

岡本信彦さんとのコラボが決定した「耳福ホテルプラン」の第二弾は2022年10月24日12:00から販売開始。宿泊ホテルは「アゴーラ京都烏丸」(51,000円/2名1室)、「アゴーラ京都四条」(65,000円/2名1室)、「アゴーラ東京銀座」(45,000円/2名1室)の3か所で、各所2名分のチケットが必要となる(※全国旅行支援の対象外)。

本プランの販売開始を記念して、岡本信さんが出演するライブTV番組「au PAY マーケット NEWS」を2022年10月24日11:40から放送。本プランの魅力などを岡本さん自身が紹介する。

購入はライブTV「au PAY マーケットNEWS」の番組詳細、または「耳福ホテルプラン」商品ページから可能(注※au PAY マーケットの会員登録が必要)。

【AJの読み】人気職業となった声優を強力コンテンツとしてマーケティングに活用

筆者が子どもの頃(40年ほど前)は声優と言えば、名前は知っていても顔出しの機会は少なかったので、アニメ雑誌で顔写真を見ると「こんなおじさんがあんなにいい声なの!?」と驚くことも多かった。時代は変遷し、声優は子どもが憧れる人気職業となり、ロイヤルティが高い「オタク消費」と結びついて強力なコンテンツとなった。

声優の職域は声の仕事にとどまらず、音楽活動、ミュージカル、イベントなど露出が増え、TwitterやYouTubeで声だけでなく声優本人のキャラクターも発信するようになり、好きなアニメ・ゲームのキャラクターの声だからというだけでなく、声優自身を「推し活」するファンも増加。蒼井翔太さんの宿泊型商品の瞬間売り切れは、ファンの熱量の高さを表す事例だろう。

コロナ禍でオフラインでの施策が打ちにくいなど従来のマーケティング手法が制限される時代に、新たな顧客獲得に向けて企業の戦略に組み込まれるようになった声優の起用。リアル体験が緩和され始めて、リアル体験を含めた声優コンテンツはさらに加速しそうだ。

文/阿部純子


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