資産価値の高さから、投資目的で保持する人も多い高級腕時計。その市場価格は現在、どのように推移しているのだろうか。
高級時計マーケットプレイスChrono24はこのほど、 運営するChrono24サイトでの月間900万人以上のユーザー取引データより、2022最新「グローバル市場における時計産業の現状」のレポートを発表した。
全体的な業界トレンドとして高級時計の価格は引き続き上昇中
パテック フィリップ ノーチラス、ロレックス デイトナ、オーデマ ピゲ ロイヤルオークなどの「トロフィーウォッチ」モデルの価格高騰は先月より落ち着きはじめた。
需要がわずかに減少する中供給量が膨れ上がったことにより、価格の下落が起こり、「トロフィーウォッチ」モデルの価値が下落した、という見解も見られるが、広い視野で見れば、高級時計の価値は上がり続けている。
実際、2022年の動向を包括的に見ると、Chrono24上の時計は今年の4月と5月には、 2022年1月よりも平均約12%高く、6月末の価格水準は2022年1月よりも約10%高くなっている。
*この価格推移は、高級時計モデルのパフォーマンスに関して月間900万人以上のユーザー取引データを抱えるマーケットプレイスChrono24により作成された価格指数に基づいている。市場動向を可能な限り正確に反映させるため、モデルは販売量のシェアに応じて順位付けされる。
Chrono24では2022年6月までの取引額が前年比4割以上増加
Chrono24では、2022年上半期の販売数(本数)が前年比19%増加し、取引額は前年比4割以上増加する結果に。2022年現在までに、米国が18%の購入でリードしており、ドイツから16%、イタリアから9%、フランスから7%、日本から1%が続き、残りは他の115カ国からの購入だ。
「ドレスウォッチ」に対する需要に大きな復活の兆しを確認
ロレックスは41.4%、オメガは9.1%で、Chrono24における総取引量のほぼ半分は引き続きロレックスとオメガ占めている。また、Chrono24の販売量の20%超は新品であり、その他はすべて中古(未使用品を含む)だ。
今回の興味深い発見は、人気があると同時に投資目的にも期待できる「ドレスウォッチ」に対する世間からの欲求が大きく復活してきていること。ブライトリング・ナビタイマー、カルティエ・サントス、ジャガー・ルクルト・リヴェルソ、タグ・ホイヤー・モナコなどのクラシックなモデルは、価値が高まり続けている中、A.ランゲ&ゾーネ1815、パテック フィリップ カラトラバ、ヴァシュロン コンスタンタン フィフティシックスなどのハイエンドドレスウォッチも、その価値を維持、もしくは上昇させ、ドレスウォッチの人気という新たなトレンドを支えている。
若年層にも注目!ミレニアル世代+Z世代による購入量は前年比41.6%増!
Chrono24における購入リクエスト数全体の42%は、18歳から34歳(ミレニアル世代とZ世代が混在)のユーザーによるものが占めている。18〜34歳のユーザーによる購入量は2022年上半期の前年比41.6%増と大幅に増加している。ブランド別に見ると、この年齢層はロレックスの購入リクエストのうち44%、オメガの49%、リシャールミルの57%、オーデマ ピゲの49%を占めているということが判明した。
構成/こじへい