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年金運用は3.7兆円の赤字!それでも投資系YouTuberが年金を納めたほうがいいと言い切る理由

2022.10.22

会社から貰えるはずの給料からは、所得税・住民税・社会保険などが天引きされ、手取り金額はかなり少額になってしまいます。例えば給料額面が月収30万円の場合、手取りは約24万円です。そして、源泉徴収の内訳としては厚生年金保険料が約2.5万円と非常に大きな割合を占め、手取り額を減らす要因となっています。

厚生年金はなぜ払わないといけないの…?将来を自分で備えたいと考えている方へ

厚生年金保険料は、会社員として働いている期間に納めることで、65歳以降に年金として受給することができます。現在会社員は強制加入の仕組みとなっており、「手取りを増やしたいから厚生年金から抜けたい」ということはできません。もしかしたら人によっては、「自分は年金として国に預けるんじゃなく、自分で貯金して将来に備えたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

特に最近では、年金に関連するニュースとして「2022年4~6月の年金運用において3超7501億円の損失が出た」というニュースが話題となりました。「年金を納めずに自分が貯金すればお金は減らなかったのに」と国の年金運用を非難したくなる方も多いのではないでしょうか。

赤字なのに、年金はどうして「運用される」のか?

そもそもなぜ年金は「運用」されるのでしょうか。「赤字が出るぐらいなら、国が積立貯金にしておけばよいのではないか」と思う方もいるかもしれません。

しかし、ただ積み立てていくだけでは、①将来インフレが生じたときに年金受給額の価値が下落、②少子高齢社会の日本では現役世代の納付額だけで年金受給者の給付額を賄えない、などの問題点があります。そのため、安定的な年金制度の継続をしていくためには、年金を長期運用することで安定的な収益を上げていくことが必要不可欠です。

そしてこの運用の長期目標というのは「賃金上昇率+1.7%のリターン」と厚生労働大臣が定めています。また、この運用目標を達成するために、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公的年金を運用しています。

「年金運用が赤字」のニュースをどのように捉えればよいか?

年金運用の資産配分(GPIFのHPより引用)

GPIFは、長期的な年金制度の継続のために、「賃金上昇率+1.7%」を達成するための年金運用を行っています。そして、その運用は「国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%」という資産配分で行われています。

この資産配分は、リターンは高いが暴落時にのリスクが高い株式と、リターンは低いが下落幅が小さい債券を組み込むことで長期的に安定した収益を出すことを狙ったものです。それが功を奏し、約20年間のリターンは平均年率+3.56%、累計収益額は+101兆円(運用総額193兆円)と莫大な利益を出してきました。

そして注意しなければいけないのは、たとえ2022年4-6月の年金運用収支が-3.7兆円だったとしても、それは運用総額193兆円に対しものすごい小さい割合だということです。また、そもそもGPIFは長期的に安定した収支を出すことを目的とした資産配分であるがゆえ、約20年間の運用のうちのわずか3か月の収支を切り取るのは、運用成果の評価する上では不適当と言えます。

むしろ本来の長期視点で年金運用を評価すべきで、累計収益額+101兆円の事実を称賛するべきと言えるでしょう。

「年金の代わりに貯金がしたい」と思っている人ほど感謝しなければ…

GPIFは、年金を長期的に安定したリターンを出すために、リターン低い債券も組み込む必要があり、株式100%の資産配分にすることはできません。このため、「自分が株式で運用すればもっと高いリターンを出せるのに」と考える人にとっては寂しいリターンに感じることもあるでしょう。

一方、もし今まで「年金を納めるぐらいなら自分で貯金をして将来に備えたい」と考えている方がいるのであれば、そういう方こそが年金運用によって将来の生活が守られているといえるでしょう。

ドル円為替レート(出所:株探)

特に2022年は円安が急加速し、1$は115円→151円超となりました。これは日本人の貯金の価値は約30%も下落したことを意味します。このような円安下でGPIFは資産の50%を海外資産(外国債券・外国株式)に投資をしているがゆえ、年金に対する円安のダメージを軽減してくれています。年金を批判し、「貯金で将来に備えたい」と思っていた人ほど、GPIFに感謝しなければいけないのかもしれません。

文/ぽんちよ
投資系YouTuber。2019年10月からYouTubeチャンネル『投資家ぽんちよ』を開設し、投資や副業、セミリタイアに関わることを発信している。サラリーマンとして働きながら活動していたが、2022年3月にFIRE達成。YouTubeチャンネルはこちら


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