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〝声で未来を変える〟音声プラットフォーム「Voicy」急成長の舞台裏

2022.10.19

2016年9月に誕生した、音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」。幅広いジャンルの配信者が音声コンテンツを配信し、リスナーはそれらを無料(プレミアムリスナーは有料)で聴くことができる。1600ほどのチャンネルがあり、会員登録者数は前年比2倍の150万人を突破し、急成長を遂げているという。

今回、株式会社Voicy メディアチーム メディアプロデューサー 渡部源一郎さんに、開発の経緯やその過程にあった試行錯誤、今後の展望についてお話を伺った。

*本稿はインタビューから一部の内容を要約、抜粋したものです。全内容はVoicyから聴くことができます。

株式会社Voicy メディアチーム メディアプロデューサー 渡部 源一郎さん

配信者とリスナーがつながる音声プラットフォーム

Voicyが他の音声配信プラットフォームと大きく異なるのが、審査を通過した人のみが音声配信を行える「審査制」であること。渡部さんは、その応募通過率は5%ほどだと話す。

「Voicyは話す人と聴く人がそこで繋がっていくようなもので、目指しているのが、人が社会を豊かにする、そんな声が集まる音声プラットフォームです。特徴は、審査制であることですね。TwitterやYouTubeのように今から始めようと思ってすぐ皆さんがアカウントを作れるみたいな世界ではなく、『Voicyで話したい』と言ってくださった方を審査させていただいています。応募通過率は5%ほどで、厳選された方が発信をしているんです」(渡部さん)。

渡部さんはVoicyのメディアチームで、パーソナリティサクセスを担当。審査に通過した個人のパーソナリティをサポートしている。

「どうすれば音声で求める成果が出せるのか、音声を楽しんでいけるのか、継続できるのかをサポートしています。加えて、新聞社やDIMEさんのようなメディアの方々のコンテンツ制作にアドバイスしたりもしています。元々テレビの映像制作とかをしていたこともあり、Voicyが作っているラジオ番組の制作業務も担当しています」(渡部さん)

配信者はインフルエンサーから主婦までさまざま

Voicyでは、誰もが名前を知るような著名人から主婦まで、さまざまなパーソナリティがおり、ジャンルも多岐に渡っている。

「配信者は、本当にいろんな方がいますね。ジャンルもビジネス・キャリア・マーケなどのビジネス系はもちろん、語学・ライフスタイル・メンタルヘルス・ウェルビーイングまで幅広いのが特徴です。中には、主婦やワ―ママさんもいますね。勉強したい、何かをインプットしたい方だけでなく、『今日はゆったりした気持ちで聴きたい』という方にもいいなと思ってもらえるものがあるはずです。通勤・通学で聴く方がメインですが、それ以外に今多いのが子育て中の方。育児や家事のタイミングで、家の中で使ってもらうことも多いです」(渡部さん)

配信者とリスナーの距離の近さが特徴

渡部さんは、Voicyでの音声配信には「パーソナリティとリスナーの距離の近さ」を感じられると語る。

「個人の方以外にもメディアからの発信があり、編集部の方がパーソナリティを務め『今日は編集部、編集長の誰々がお伝えします』というケースもよくあるんです。この間、とあるチャンネルでパーソナリティの方が退職されるタイミングがあって、『今日をもって音声配信による登場は最後になります』と放送をしたら、Twitterなどで『辞めちゃうんですか?』『お疲れ様です!』という声が出ていて。そのあたりの距離の近さや、中の人の人柄をわかってもらえるところは、Voicyならではの部分かなと思います」。

では、なぜ音声市場が今盛り上がりを見せているのだろうか。その背景には、動画などの視覚的な情報量の多さがあると、渡部さんは次のように話す。

「『目から入ってくる情報量の多さ』みたいなところは、関係あるのかなと思います。今、電車の中でもYouTubeやNetflixなどをずっと観られる状況の中、そこに時間を使い過ぎている感があって、『動画を摂取すること』に限界が来ているんじゃないかなと。そんな中、音声は“ヘルシー”に情報摂取できるというのはかなり大きい。スマホを見ながら歩く必要もないですし、毎日情報インプットもできる。そういう観点から、今求められている部分は大きいのかなと思います」。

元々はメディアの記事を読み上げるサービスだった

2016年9月に開始したVoicyだが、当初は現在とは異なるサービスだったという。現在のかたちに至るまでの過程について、渡部さんは次のように話す。

「Voicyは元々、代表の緒方とエンジニアの窪田の2名で創業しました。緒方がアメリカで出会った音声のサービスから着想しているんですが、最初はナレーターとオーディションで選ばれた人たちが、メディアの記事を読み上げるサービスでした。

今は個人の声を発信していますが、もう少し『音声のニュースアプリ』みたいな色が強かったんです。その時もいろいろと壁がありました。まず、ニュースを読ませてくれるメディアがそんなになかったんです。『一字一句間違えないで読めるんですか』『記事だとですます調じゃないけど大丈夫ですか』『間違ったときはどこが責任を持つのか』など、いろいろ問題があって。当時はスポニチさんだけが、唯一記事を読ませてくれて、今でもチャンネルがありますね」

しかし、「ニュースを音声で読む」というサービスが、市場にフィットしていない印象があったと渡部さんは振り返る。

「当時『ニュースを音声で読む』ことが、あまりマーケットにはまっている感じがなかったんですよね。試行錯誤がしばらく続いたある時、当時Voicyの中にいたメンバーが、ニュースそっちのけで『ポケモンGO』の話を配信していて、『意外とこういう話が面白いんじゃないか』となって。そのきっかけから個人の、いわゆる声のブログのような方向に舵を切っていきます。そこからインフルエンサーさんが使い始め、2018年頃から急に認知度が高まりました。Voicyは、好きに喋ってそれを楽しんでくれるリスナーがちょっとずつ増えていくような、そういう世界観がいいのかなと思っています」。

音声配信サービスの成功ケースがない難しさ

個人による音声配信サービスに舵を切ったVoicyだが、渡部さんは音声配信での成功ケースがないことに難しさを感じていると語る。

「本当に日々課題ばかりなんですが、一番大きな課題は音声配信の見本、音声配信の成功ケースがあまりないことです。我々もパーソナリティも『何を目指すのか』『今どういうポジションにいるのか』がわかりづらくて。YouTubeの場合、トップのイメージで『HIKAKINさんだよね』とかがあると思うんですが、音声配信で『この人』というのがあんまりなかったんです。前例や正解がない中で、Voicyとしても日々試行錯誤しながらやっているところはまだまだあります。パーソナリティにとっても上手くマイルストーンがわからないと、今良い状態なのか、それともあまり伸びてないのかわからないと思うので、それを我々もデータを見ながらコミュニケーションを取っているところです」

声のフェス「Voicyフェス」が10月末に開催

渡部さんは現在、パーソナリティサクセスの業務の傍ら、10月27日から29日まで開催される「Voicyフェス」の準備に奔走しているという。

「今は10月末に迫った音楽のフェスのような声のフェス『Voicyフェス』に力を入れています。Voicyで発信をしているパーソナリティが集まり、声の対談を行うイベントです。去年は生放送で 5 日間やったんですが、今年は10月27日から29 日までの3 日間、60本ほどの対談が配信される予定です。アーカイブも付いているので、全部聴こうと思えば聴けますし、新しい出会いはかなりあると思います。去年はリスナーさんから『この人をフェスで知りました』という声もあったので、Voicyとしても力入れていますし、個人的には付きっきりくらいに時間を投入しています(笑)」

いかにチャレンジをしていくか

日本ではまだ音声は未開の分野。その市場を牽引していくためには、常にチャレンジの姿勢が欠かせないと渡部さんは続ける。

「『いかにチャレンジしていくか』はかなり頭を悩ませるとこですし、意識しなければいけない部分です。音声配信は、まだまだ未開の分野ですから、自然と産業ができていくことはないと思っています。『どんな配信が伸びていくのか』『どんな人達がファンを多くつけるのか』、意図的に何か施策を打って、数字を見ながらフィードバック、PDCAを回していかなければなりません。社内には、とにかく検証したいことはどんどん自分たちの中で挙げていき、すぐにやってみる文化がありますね」

また、同じ音声配信プラットフォームはライバルや競合というよりも、業界を盛り上げていく仲間と捉えている点からも、Voicyの「音声市場を盛り上げたい」という姿勢が伺える。

「綺麗事のように聞こえるかもしれないんですが、ほかの音声配信のサービスはライバルというよりまだ『一緒に音声を聴く文化を耕していく仲間』みたいな感じが強くて。だから反対に、ライバルというか目指していかなきゃいけないっていのはYouTube ですかね。YouTubeを観ながら音声を聴くことはほぼできないので『VoicyかYouTubeか』みたいに思ってもらったり、『音声を聴く』という時にVoicyを思い浮かべてもらえたりするようにならないといけないなと思っています」。

紆余曲折を経て、2022年9月の時点で会員登録者数は150万人を突破したVoicy。しかし、渡部さんは「まだまだ」と意気込む。

「コロナ禍でリモートワークになり通勤が減ると、Voicyなどの音声から離れてしまうかなと思っていたんですが、意外とそうでもなくて。リモートワーク時に自宅で聴いてもらえたので、リモートワークとの相性も良いサービスかなと思います。会員登録者数は、前年比2 倍で150万人を突破したのが最新の状況です。チャンネル数は1600以上まで来ています。でも、まだまだまだこれからですね。もっと聴いてもらいたいですし、パーソナリティの方に我々がお返しできる部分も大きくしていきたいなと思います」。

一番やるべきものにフォーカスし、みんなでそこへ向かっていく

渡部さんは、Voicyでのキャリアの中で「目標を絞り、そこにフォーカスしていくことが大切だ」と学んだという。

「自分とチームの成長で一つ明確に学んだところは、『目標を何にするか』というところです。目標をどう追っていくのかは、反省もありつつ考えさせられたところで、 1 回チームに入った時にいろんな目標を追っている状態があったんです。それを全部追い続けると、それぞれの目標が現在地からすごく遠い感じになりがちでした。そうなると、何も検証できないまま終わってしまうんですよね。それよりは、『一番やるべきもの』にフォーカスして、そこにみんなで向かっていく風土や習慣をつけることはとても大事だなと思いました。そうすると、やってみたことが事業の数値にどれくらい効いたかを検証ができて、次に『じゃあここはやらなくていいよね』なのか『これをやっていくべきだよね』というのが分かってきます。欲張って何もできず中途半端になるよりは、何か一つ明確な目標をしっかり追って、それの結果を短いスパンで見ていく方がチーム単位ではいいと思っています」

この夏、コーポレートメッセージを「声で、未来を変える」としたVoicy。最後に、今後の展望について渡部さんは次のように話す。

「未来のために、価値を創造するサービスであり続けたいと考えています。その源泉にパーソナリティさんの声があるので、『パーソナリティファースト』を掲げながら、よりパーソナリティの方が快適に安心して発信ができる環境作りをしていく必要があると思っています。無理をして派手に発信をするとかではなくて、しっかりパーソナリティさんが自分らしさを届けて、その自分らしさがリスナーさんに届いて、リスナーさんの生活が彩られるみたいな。そういった世界観を目指していきたいです」。

Voicy公式サイト:https://voicy.jp/
Voicy FES ’22 https://event.voicy.jp/voicyfes22

取材・文/久我裕紀


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