アメリカでは「ナンバーゲーム(数勝負)」といわれるほど、承継交渉や企業サーチに労力を要するサーチファンド。では、具体的にどんな活動をしているのだろうか。
JaSFA サーチャー
松本竜馬さん
2013年より総合商社にて企業投資事業、不動産領域の新規事業開発等に従事。ニューヨーク勤務時にサーチファンドの存在を知り、帰国後の2022年2月よりサーチ活動を開始。
投資家のキャリアを企業経営に生かす
JaSFAと野村ホールディングス傘下の野村リサーチ・アンド・アドバイザリーが2021年12月に設立した、ジャパン・サーチファンド・プラットフォーム投資事業有限責任組合の第1号サーチャーとなった松本竜馬さん。祖父が中小企業を経営していたことから、企業経営者を志した。
なぜ、サーチファンドを活用しようと思ったのだろうか?
「前職で日本とアメリカで企業投資ファンド事業に関わってきました。アメリカで先輩からサーチファンドのことを教えてもらった時、中小企業の経営をやりつつ、投資家としてのキャリアを生かすことができると感じました。事業承継を実行する前のタイミングで、自身の知識・経験などを活用し、企業成長ストーリーを検討します。また、経営権に加え、株式も取得することになるため、第二の創業者として主体的に既存企業の改善に取り組めるのも魅力です」
現在は勤めていた総合商社を辞め、サーチャーを専業にしている。主に、ファンドに出資してくれた投資家や金融機関から紹介された企業オーナーと面談したり、ファンド出資機関の各部門を訪問し自らを啓蒙するための説明会を行なうなどの活動を展開している。ほかにも、独自で事業承継のニーズがありそうな会社を探しているが、事業承継のニーズがあるかどうかの見極めが難しく、投資家からの紹介と違い、会うまでのハードルが断然高いという。
現在、承継交渉が前向きに進みつつある松本さん。自身の今までの活動を振り返りながら、サーチファンドを検討する人に向けて、次のようなアドバイスをくれた。
「現経営者との面談で信頼を得るのが第一歩。その時、自分の強みが何であり、それが企業の価値向上に貢献するものだという自信を持つことが重要だと思います。強みとは、前職でのキャリアや資格、経営経験、コネクションなど、人それぞれです。実際に今まで関わりのあった業界や企業の成長施策を考えてみると、ご自身の強みがどう生かせるのか、不足していると感じる経験が見えてくると思います」
対象会社との面談では、事前の業界研究と企業研究は徹底的に行なってから臨んでいる。「1回目の面談で具体的な経営改善策の話になることもしばしばあります」(松本さん)
サーチ活動の期間は半年~2年が目安といわれている。投資家が設定した期限内に買収先が見つからない場合、サーチファンドはいったん打ち切られることもある。
野村ホールディングスやJaSFAの支援は手厚い。承継交渉時の戦略などのテクニカルなことから、実際の買収に至る事務的なことまで、幅広くサポートしてくれる。
取材・文/大澤裕司
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