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離婚した後キャリア形成に成功したシングルマザーが再婚を考えた理由・前編

2022.10.15

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回と次回は今後、日本の企業社会で増えてくるであろう女性を紹介したい。

緑川陽子さんは離婚をした後、建築会社や不動産会社などで働き、ひとりで2人の娘を育て上げた。現在は都内で不動産会社「アベリア」を経営しつつ、再婚を視野に入れ、千葉県で新たな生活をしている。

アベリアは離婚女性を対象にした専門不動産会社で、都内の港区を中心に神奈川、千葉、埼玉をエリアに、離婚に関する不動産売買やシングル女性向けの住宅リノベーション相談を行う。ホームページやブログを通じて電話やメール、Zoomなどのオンラインの離婚相談も随時実施している。

20歳の時に26歳の男性と結婚し、2人の娘に恵まれた。当初の数年間は専業主婦だったが、自立したい一心でパートやアルバイトとして働き始めた。飲料水の販売では成績がよく、早くから注目を浴びる。だが、家庭では思い描いたようにはならなかった。専業主婦であることを求める夫との間にしだいに距離を感じたようだ。苦痛を感じ、2年間の別居をする。2012年に離婚した。

別居を始めた頃から週5日フルタイムで働く正社員となり、「男社会に負けたくない」との思いを秘め、1日睡眠4時間で仕事や家事に取り組んだ。会社での仕事を終えるのが、深夜に及ぶ時もあった。それでも勉強を続け、宅地建物取引士や二級建築士の資格試験に合格し、建築会社の営業として経験を積む。36歳で所長に抜擢され、5人の部下をまとめつつ、業績を上げるが、自ら経営する立場になるために退職。2017年にアベリアを設立した。

私が緑川さんをはじめに取材したのが、2021年3月。テーマは、離婚やその後の生活。そしてキャリア形成だった。1時間半ほどの取材の中で、次の言葉が強く印象に残った。


「アベリア」を作った時、自立した女になり、家を買えるぐらいのことができる。1人で生きていくことができる。悩んでいる人に、そんな提言をしたかったのです。

現時点で、そのような生活ができている自分が幸せかと言えば、そうでもないかもしれない。反骨心や思い込みがなくなったので、当初自分が一番ないと思っていた生活=再婚や男性の収入で生きていく、という生き方もありだなと感じています。


おそらく、再婚をするのだろうなと察した。1年以上が過ぎた今年の春に再度、連絡をして、離婚と再婚をテーマに取材を試みた。

新聞や雑誌、ニュースサイトが離婚を取り上げると、当事者である男性もしくは女性を取材し、「子どもと会えない」「生活が苦しい」などとの声が中心の内容が多い。さらには、子どもへの虐待やそれに関する犯罪を扱う記事も目立つ。

厚生労働省の調査によると年間で離婚件数は20万件ほどになるのでそれらも1つの姿ではあるのだろうが、私が見聞きしていると再婚者は多い。再婚後に経済的に、精神的に幸福になっているように見える人も少なくない。

私には離婚や再婚は人が自尊心や価値観を守り、安心して、納得して生きていくうえで極めて大切なイベントに見える。悲観的に捉えるのではなく、むしろ、肯定的に見るべきことと思う。そこで、緑川さんに取材を試みた。

緑川さんは今年冬から、千葉県内で再婚予定の男性と同居している。アベリアの経営は、現在も続けている。2人の娘は結婚し、緑川さんのもとを離れている。

Q、再婚をお考えなのですね。いきさつをお教えいただけませんか?

離婚したのは、38歳でした。今年(2022年)は、10年目です。娘も成人し、2年前ぐらいから再婚してもいいのかなと思う時はありました。この2年間は私なりに婚活をして仕事とプライベートの双方で協力し合えるパートナーを選んだのです。結婚相談所や知人から紹介されたアプリも試しました。

その方が住んでいる千葉県に移り住み、今年から同居しているのです。相手の方は、前々から企業経営をしています。私は同じ立場のほうが仕事の話がしやすく、価値観が合うので自営業者や経営者との再婚を望んでいました。

私は、例えばプロ野球選手と結婚しする女性を好意的に見ることができなかったときがありました。自分の力で稼いでいるわけではないのに、と。たぶん、誰かに頼ったり、守られたりする女性をうらやましいと思っていたから、拒否反応を起こしていたのだろうと思います。パートナーの男性はプロ野球選手ではないですが、自営業者として収入を得ていますから、困った時には助け合えます。ひとりで、つまりは一馬力でがんばる必要はなくなります。きっと、前々からこんな気持ちでいられる生活を望んでいたのでしょうね。

2年よりも前は、「男性=私の仕事を邪魔する人、一緒に生活したとしてもメリットがない」と思っていました。共同生活をするようなイメージが全くなかったのですが、しだいに変わってきたのです。

アベリアを設立し、お客さんを開拓し、ある程度の収入を得ていくと、この延長線上に私が求める生活や人生はない気がしてきたんです。例えば、当初は都内の港区でオフィスを構え、近くに自宅を購入って、という生活に憧れていましたが、それが現実になると特別な喜びを感じないのです。むしろ、地方に移住したいと思うようになってきました。そんな時に、千葉県の少し田舎に住み、自営業を営む男性と知り合うことができたのです。

娘2人が結婚したことも、再婚を真剣に考えるようになったきっかけです。成人する前は、考えたことはありません。娘たちが新しい父親を求めるならともかく、それはなかったから。私がひとりで再婚を決めて、娘たちに「新しいパパだよ」と男性を家に連れてくることはしたくなかったのです。10代の多感な時期には、好ましくないと思っていました。今は、娘たちは私が若いうちに離婚をしてよかったと言ってくれています。

次回に続く

文/吉田典史


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