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国際離婚を裁判で争う場合はどの国の裁判所に訴えるべき?どの国の法が適用される?

2022.10.15

最近では、日本人と外国人の間で結婚するケースが増えています。その反面、日本人と外国人が離婚する「国際離婚」の件数も増えている状況です。

国際離婚を裁判で争う場合、日本人同士の離婚のケースにはない、「国際裁判管轄」と「準拠法」という特有の注意点があります。

国際裁判管轄とは「どの国の裁判所に訴えるべきか」、準拠法とは「どの国(地域)の法が適用されるか」という問題です。

今回は、国際離婚における国際裁判管轄と準拠法について、法律上の取扱いをまとめました。

1. 国際離婚はどの国の裁判所に訴えるべきか|国際裁判管轄について

国際離婚事件の国際裁判管轄に関するルールは、「人事訴訟法」という法律で定められています。

人事訴訟法3条の2によれば、以下のいずれかに該当する場合には、日本の裁判所に国際離婚事件の管轄権が認められます。

① 被告の住所(住所がない場合または住所が知れない場合は、居所)が日本国内にあるとき(同条1号)
② 原告・被告の双方が日本国籍を有するとき(同条5号)
③ 原告の住所が日本国内にあり、かつ夫婦が最後に同居していた住所が日本国内にあるとき(同条6号)
④ ①~③のほか、日本の裁判所が審理および裁判をすることが当事者間の衡平を図り、または適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき(同条7号)

日本の裁判所に管轄権が認められる場合、離婚訴訟の提起先は、夫婦いずれかの住所地を管轄する裁判所です(人事訴訟法4条1項)。

これに対して、上記のいずれにも該当しない場合、日本の裁判所で国際離婚を争うことはできません。この場合、管轄権がある別の国の裁判所に訴訟を提起する必要があります。

外国の裁判所において離婚を認める判決が確定した場合、その国の日本における在外公館に離婚届を提出すれば、日本でも離婚が成立します。

2. 国際離婚を裁判で争う場合、どの国の法が適用されるか|準拠法について

日本では、民法によって離婚に関するルールが定められています。

(例)
・裁判離婚が認められるためには、法定離婚事由の存在が必要(民法770条1項)
・資産、収入等の事情に応じて、婚姻費用を分担する(民法760条)
・離婚時に財産分与を行う(民法768条)
・子どもに対する扶養義務の一環として、非同居親が同居親に対して養育費を支払う(民法877条1項)
など

ただし、国際離婚の裁判において民法上のルールが適用されるのは、日本法が準拠法となる場合のみです。外国法が準拠法となる場合は、日本の民法とは異なるルールで国際離婚の可否・条件が決定されるのでご注意ください。

2-1. 国際離婚事件における準拠法の決定ルール

裁判において適用される法律(準拠法)の決定ルールは、「法の適用に関する通則法」(以下「通則法」)によって定められています。

離婚事件に関する準拠法の決定ルールは、以下のとおりです(通則法27条、25条)。

① 夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人の場合

→日本法
(例)
夫(or妻)が日本在住の日本人
→準拠法は日本法

② ①に該当せず、夫婦の本国法が同一の場合

→その本国法
(例)
夫婦双方がいずれも日本在住の韓国人
→準拠法は韓国法

③ ①②に該当せず、夫婦の常居所地法が同一の場合

→その常居所地法
(例)
夫が日本在住のスペイン人、妻が日本在住のカナダ人
→準拠法は日本法

④ ①②③のいずれにも該当しない場合

→夫婦に最も密接な関係がある地の法
(例)
夫が日本在住のフランス人、妻が中国在住の中国人、別居するまで15年間日本で同居していた
→日本法が準拠法となる可能性が高い

2-2. 日本の裁判所が、外国法に基づき判断するケースもある

1点注意すべきなのは、国際裁判管轄と準拠法は連動しないということです。

これまで紹介したように、国際裁判管轄と準拠法は、それぞれ異なるルールによって決まります。したがって、国際裁判管轄が認められる国と、準拠法の国が同じであるとは限りません。

たとえば、日本の裁判所に管轄権が認められる一方で、準拠法は韓国法というケースもあり得ます。この場合、日本の裁判所は、日本の民法ではなく韓国法に従って、離婚裁判の判決を言い渡すことになります。

3. 日本と外国で婚姻している場合、両方の国で離婚手続きが必要

日本と外国のそれぞれで婚姻している場合、離婚の際には両方の国で手続きを行う必要があります。一般的には、ある国において離婚が成立した場合、関連書類を提出することで、別の国でも離婚が認められるケースが多いです。

ただし、日本と外国では法制度の内容が異なるため、「離婚」に関する取扱いも異なる可能性がある点に注意が必要です。

たとえば、フィリピンには「離婚」という制度がなく、婚姻の解消には婚姻無効または取消しの訴訟によらなければなりません。

それぞれの国において滞りなく離婚を成立させるためには、現地の弁護士にアドバイスを求めることをお勧めいたします。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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